中古ギア情報

そろそろ「6番アイアン」もキツイ… 代わりの一本を中古で考えてミタ

2024/03/15 20:00
藤田光里もアイアンを7番にしたばかり

少し前まで、5番アイアンを「もう打てない…」と嘆くアマチュアゴルファーは多かった。しかし今や6番アイアンですら、検討材料に入る時代だ。実際に国内女子ツアーでは6番を抜く選手がちらほらいて、青木瀬令奈に至っては「アイアンは8番から」。今回は6番の代わりになる中古クラブを考えてみた。

女子プロゴルファーの傾向は7番でロフト30~32度

アイアンのストロングロフト化が顕著で、国内女子ツアーでも7番のロフト角が30度から32度という選手が半数以上というデータがある。山下美夢有岩井千怜西郷真央もそのひとり。グリーンの一定の場所を狙いたいのに、グリーン上でボールを止めにくい番手になりつつあるのだ。森田遥菊地絵理香藤田光里のアイアンは7番から。彼女たちよりも飛ばない我々アマチュアが、6番をキャディバッグから抜いてもなんら不思議ではない。藤田はそれこそつい最近6番を抜いた

菊地絵理香の14本(開幕戦で撮影)。アイアンは7番から

プランA:「ウッド型UT」にしてみよう

ウッド型のユーティリティ(以下UT)は、ミスヒットに強くボールが上がりやすい。6番アイアンの代わりとしては最適だ。先述の森田、菊地、藤田らもそうしている。まずは自分のアイアンセットのロフト角をチェック。7番アイアンと同じロフトのUTを選べば、クラブ長が長い分、6番アイアンに近い距離が打てる。

ピンはロフト角の大きいUTを積極的に展開。比較的探しやすい

森田はピン「G430ハイブリッド」(2022年)の30度を使用。ロフト角が大きいUTは数が少ないが、3万円前後で見つかるだろう。菊地はタイトリスト「816H1」(2015年)の27度を入れている。こちらは1万円台前半が相場だが、27度は超レアで見つけたら即買いをオススメする。どちらも可変スリーブ装着モデルで、距離の微調整が可能だ。

プランB:「アイアン型UT」もなんだかんだイイ

アイアン型UTはハードヒッター仕様の印象だが、ミドルアイアン代わりになる仕様もある。左がフォーティーン、右がバルド

ウッド型UTに意外と苦手意識を持っているゴルファーは少なくない。特にロフト角が大きいとフェース面が見えすぎてしまい、「どこを向いているのかわからない」「アイアンとフェアウェイウッド、どちらの打ち方がいいの?」と不安になる人が意外といる。アイアン型UTならそうした違和感を持ちにくい。

ただし、ウッド型ほど重心深度を深くしにくいため、慣性モーメント(やさしさ)に限界がある。ロフト角の大きいモデルが少ないことも問題。大手メーカーの現行品で27度以上のロフト角をラインアップしているのは、フォーティーン「HI-3」(2022年)をようやく見つけられたぐらい。中古では同じくフォーティーン「HI-877」(2016年)を発見できた。こちらは1万円台前半。

地クラブではバルド「CORSA HYBRID」(2020年)が2万円台前半、フライハイト「GXD HYBRID-i」(2022年)などが製品化されている。

プランC:「単品アイアン」に注目しよう

左がフォーティーン、右がタイトリスト。単品アイアンの中には、掘り出し物が沢山ある。地道にチェックしよう。

5番アイアンを入れていない西村優菜だが、軟鉄鍛造キャビティのアイアンセットを7番からPWまで入れて、6番はヘッドが大きめ、キャビティが深めの別モデルを入れている。番手は違うがロリー・マキロイ(北アイルランド)など米ツアーの選手も、ロフトの少ないものを別モデルにしている選手が少なくない。

中古ショップには「単品アイアンコーナー」があり、アイアンセットから外れた番手が集められている。ほとんどがセットの“両端”の番手なのだが、まれに6番や7番が紛れ込んでいる。タイトリスト「T400」(2022年)はヘッドが大きく、アイアン型UTのような中空構造。

フォーティーン「TC560 FORGED アイアン」(2018年)の6番のロフト角は26度。7番が30度前後のアイアンセットと組み合わせるとちょうど良い。3番、4番は見つけやすいが5番、6番などはレアだ。見つかったらラッキーという意気込みで探してみて欲しい。自分のアイアンと見比べて装着シャフトも選びたい。

コースや季節によって6番アイアンにするかユーティリティにするかを選ぶのも楽しい

筆者もコースや季節によって、キャディバッグの中のアイアンの本数を変えている。冬場は飛距離が出ず、ボールも上がりにくいので7番アイアンまでにして、31度もしくは28度のウッド型UTを入れる。体が動く季節になると、6番アイアンを復活させる。一度、7番アイアンを抜いて34度のUTを入れてみたが、打った瞬間にボールが上がりすぎて視界から消える感じが馴染めず、元に戻した経験がある(さらに風の影響も大きかった)。

クラブセッティングは流れが大切。ウエートフローやシャフトの特性を考慮しつつ、試行錯誤してほしい。(文・田島基晴)

■ 田島基晴 プロフィール

1963年生まれ。ゴルフギア好きが高じて、地元広島に中古ショップ「レプトン」のゴルフ部門を設立。現在は店舗で得たギア知識を活かし、ゴルフライターとして活躍。YouTube動画の企画編集やブログ執筆など活動は多岐にわたる。

ピン
理想の高弾道で、ブレずに狙える。
発売日:2022/11/11 参考価格: 50,600円
タイトリスト
ヘッドが大きく高弾道で狙える
発売日:2015/10/23 参考価格: 45,360円
フォーティーン
ミドルからロングレンジをあくまでアイアン型でやさしく飛ばしたいゴルファーへ
発売日:2022/09/17 参考価格: 38,500円
フォーティーン
発売日:2016/09/27 参考価格: 34,560円
タイトリスト
もっと高く、もっと遠くへ、もっとやさしく。スーパー ゲーム インプルーブメント アイアン
発売日:2022/11/04 参考価格: 143,000円
フォーティーン
発売日:2018/10/12 参考価格: 129,600円