「アプローチには四季がある」冬には冬のウェッジ選びを中古で考えよう
冬になると、アプローチが急に難しくなったと感じるゴルファーは多い。芝が薄くなり、地面は硬くなって、ライは不安定。夏に“なんとなく”打てていたウェッジショットがたちまち通用しなくなる。今回は技術不足をカバーする冬芝対策の中古ギアを紹介しよう。
冬芝の難しさはどこにあるのか
冬のグリーン周りは芝が薄く、ボールが浮きにくい。また、体も動きにくい。暖かい時期の感覚で打つと、どうしてもトップやダフリが出やすくなる。日本の多くのゴルフ場のフェアウェイをつくる高麗芝や野芝は、葉が強く、洋芝に比べて球が浮きやすい。それが冬は枯れてしまうから、ごまかしが効かなくなるのだ。
そこで提案したいのが、寄せに使うクラブの変更。ウェッジはシャフトが短く、ヘッドもロフト角も大きいので、ボールを上げやすい。それゆえ、「自分はうまく打てている」と錯覚しがちだが、筆者は「ウェッジ選びが一番難しいのでは?」とすら感じる。グリーン周りからの出来はスコアに直結する。ミスが頻繁に出ると、メンタルも落ち込む。ゴルファーの“重症度”によって解決策を考えてみた。
解決策1:やさしいけど「カッコいい」ウェッジ
アプローチにおける急患でないゴルファーには、シャープな顔つきにして、中身はやさしいウェッジはいかがだろうか。例えば、タイトリスト「ボーケイ」シリーズはソール形状のバリエーションが豊富で、幅が最も広いKソールはオススメ度が高い。
人気のSMシリーズはヘッド重量が少々重いため、筆者は「ボーケイ フォージド」を推す。これなら遠心力に負けてヘッドが球の手前から入るのを防げるだろう。2023年モデルなら1万円台後半で見つかる。
2025年の国内男子ツアー最終戦「日本シリーズJTカップ」で優勝した小木曽喬が使うクリーブランド「RTX DEEP FORGED 2」(2023年)もオススメだ。ヘッドはサイズが少し大きく、グースも適度に入っていて安心感がある。ソール幅も広めで、やさしさを感じられるだろう。1万円前後の価格も魅力的。どちらも日本市場を強く意識して開発している。シャフトのフレックスを落として選んでもいい。
解決策2:とにかくやさしい「お助け系」ウェッジ
重症化する前に、苦手意識を緩和しておく必要がある場合は、お助けモデルに手を出そう。フォーティーン「DJ-6」(2023年)はダフりのミスに強い「グランドキャニオンソール」を採用し、ソールが地面で跳ねすぎず、刺さらずにうまくボールをとらえてくれる。一見、上級者っぽくみえるデザインも光る。1万円台後半が相場だ。
お助け要素満載の人気シリーズ、キャスコの「ドルフィン」シリーズは2013年の登場以来、大ヒットを続けてきた。「ドルフィン DW-123」(2023年)はソール形状がさらに進化して、地面に刺さらず“チャックリ”のミスに強い。1万円台前半から見つかるだろう。手放せない上級者も多い。
解決策3:なりふり構わず「チッパー」を使う
チッパーには初心者のイメージも付きまとうが、リストターンを使い過ぎるゴルファーがシンプルなアプローチを覚えるのには有効なクラブだと思う。冬芝に恐怖を感じるようになったベテランゴルファーは、気持ちをリセットしてシンプルなランニングアプローチをもう一度習得したい。チッパーは手首を固定し体の回転だけでボールを運ぶように打つ。シンプルにして、アプローチの基本を養うクラブだ。室内のパターマットの上でも練習できる。
昨年、発売から20年を迎えたプロギア「R35+」や、2022年に発売のピン「ChipR」には高級感が漂う。それぞれ1万円台前半、1万円台中盤から見つかるだろう。筆者の友人の上級者は冬場だけチッパー(R35)を登場させ、寄せワンを決めまくっている。
冬芝は「技術」はもとより、「選択」でも解決できる。シビアな環境でも、成功率が高いシンプルなアプローチを心がけることで、ミスを減らせるはず。難しいことを無理にうまくやる必要はない。ミスしても深く悩まないことも大切だ。冬だけちょっとやさしい中古ウェッジを購入することで、「寒いけど練習しようかな…」とモチベーションが上がるだけでも、意味があると思うがいかがだろう。(文・田島基晴)
田島基晴 プロフィール
1963年生まれ。ゴルフギア好きが高じて、地元広島に中古ショップ「レプトン」のゴルフ部門を設立。現在は店舗で得たギア知識を活かし、ゴルフライターとして活躍。YouTube動画の企画編集やブログ執筆など活動は多岐にわたる。