「180~200yd」を中古クラブで考える UT?ショートウッド?単品アイアン?
平均的なアマチュアゴルファーにとって、180~200ydは「グリーンに乗れば奇跡、乗らなくても仕方ない」という残り距離である。しかし、このあたりの精度の高さこそが、80台、70台への扉を開くカギとなる。現代の中古市場は、この距離を攻略するための武器であふれている。それぞれの特性を理解し、自分のスイングに最適な答えを見つけよう。
180~200ydを打つクラブとして候補に挙がるのが、ショートウッド、アイアン型UT、ウッド型UT、そして“やさしい”ロングアイアンだ。まずは、それぞれの長所と短所を説明する。
圧倒的な高さとキャリー:ショートウッド
7W、9W、11Wといった短いフェアウェイウッドは深重心でボールが上がりやすく、グリーン上で止めるための「高さ」を最も簡単に手に入れられる。構造上、慣性モーメントも最大で寛容性も高く、多少のダフリもソールが滑って助けてくれる。当然ながら、高さが出る分、風の影響を受けやすく距離感を合わせるのが難しい。また、クラブ自体が長いため苦手意識を持つゴルファーが多い。
ターゲットを射抜く操作性:アイアン型UT
アイアン型UTは、まさにアイアンと同じ感覚でラインを出せる。風に強く、低く抑えた球を打てるモデルもある。何より「顔」がシャープでターゲットを狙い撃つイメージが湧きやすい。同じロフトのアイアンより打ちやすく、アイアン好きにオススメ。ただし、ショートウッドやウッド型UTに比べると、ボールが上がりにくく、一定以上のヘッドスピード(HS)が求められる。ミスへの許容範囲も狭く、芯を外すと極端に飛距離が落ちる。
「いいとこ取り」だが「どっちつかず」とも:ウッド型UT
ハイブリッドと言われるウッド型UTはショートウッドの上がりやすさと、アイアンの良さがミックスされバランスに優れる。ウッドよりも短く、アイアンより長いのも絶妙。現代のセッティングの主流である。重心設計により「左への引っかけ」が出やすいモデルが多いのが難点。モデルによってオフセット(フェースプログレッション=FP値)に差があり、ミスの傾向もガラリとかわる。「構えにくい」というゴルファーもいる。
究極の“つながり”:やさしい単品アイアン
最近のアイアンは中空構造が多く、実はアイアン型UTに近い性能を持っている。お目当てのモデルが単品で見つかれば割安で手に入り、違和感が少ない。ボールの高さではウッド系に劣る。グリーンで止めるには相応のヘッドスピードが必要となるだろう。また、中古では求めているロフトを見つけにくい。
ギアマニアが提案する意外な番手選び
クラブセッティングは自分のミス傾向と、ゴルフ場の状況に合わせて組むのが定石だ。一般的に、「5W→ウッド型UT(21度)→ウッド型UT(25度)」や、「5W→7W→ウッド型UT(25度)」という流れが多い。筆者が提案したいのは、もっとコースの攻略を主眼に置いたセッティングだ。リンクスや河川敷などのプレーでは、「ウッド型UT(21度)→アイアン型UT(23度)→アイアン型UT(26度)」といった構成で、風の影響を受けにくい弾道で攻めたい。
山岳、丘陵コースだと打ち上げが増え、9Wやロフトが大きいウッド型UTなどを入れたいと思うだろう。だが、アイアン型UTも選択肢に入れてほしい。というのも、打ち上げの場合は左足上がりのライになることが多くなる。それだけでボールが上がりやすくなり、飛距離が足りずショートしやすい。
中古で購入の際は“セット化”できるか?がポイント
ショートウッド、ウッド型UT、アイアン型UT…どれも入れたいと考えるなら、同じモデルを選びたい。アドレスから違和感が少なく、同じシャフトでそろえやすくなる。
そうなるとオススメは、ロフトバリエーションが多いシリーズ。ピンやダンロップの「ゼクシオ」が打ってつけだ。特にピンはモデルが変わっても純正シャフトがほぼ同じで、過去モデルと組み合わせやすい。
「顔とシャフト、どちらを優先するか?」と聞かれたら、迷わずシャフトだと答える。筆者のように購入後、リシャフトして統一感を出すならヘッドは混ざっても問題ない。その際はオフセットの具合が同じぐらいで顔が近いモデルを選びたい。
今回は180~200ydを問題に取り上げたが、170yd、160ydで同じ悩みを抱えるゴルファーも多いはずだ。誰だって年齢を重ねれば、そうなる。アイアンセットの本数は減っていくだろう。筆者はかつて飛距離が落ちてウッド型UTをセット化していたが、昨年の始めはショートウッドにハマり、それからアイアン型UTにハマり、様々な組み合わせにトライした。それぞれの長所と短所を見極め、コースの攻略法を頭に描き、セッティングを磨くのが大切だ。
今まで見向きもしなかった、中古ショップに眠るアイアン型UTやショートウッドを手にして、あなたの180~200ydが「チャンスの距離」へと変貌したらうれしい。(文・田島基晴)
田島基晴 プロフィール
1963年生まれ。ゴルフギア好きが高じて、地元広島に中古ショップ「レプトン」のゴルフ部門を設立。現在は店舗で得たギア知識を活かし、ゴルフライターとして活躍。YouTube動画の企画編集やブログ執筆など活動は多岐にわたる。