第5話 距離感を高める"足し算"の発想
2010/05/20 00:00
フルショットでバランスを保つのは難しい
練習場でアベレージゴルファーを見ていると、少し憂いを感じてしまいます。どんなクラブでもマン振り。最初から最後までMAXという、フルショットの練習ばかりしている人が多いからです。
渾身のハードヒットで、日頃のストレス発散にはなるかも知れませんが、ターゲットに対して自分の距離感を合わせ、そこにボールを運んでいくという、ゴルフでもっとも肝心な意識が薄れているようです・・・。
3次元ゴルフ第3話「バランスで考えるショットメーキング」を振り返ってみてください。コースでは、前後左右のさまざまな傾斜があり、フルショットではバランスを崩す場面が非常に多いものです。MAXで振らなければならない場面など、実はそう多くないんです。
そう考えると、フルショットの練習よりもまず、距離感を意識しながら、振り幅を抑えたショットを安定させる練習をする方が、実際のコースで、即戦力になると言い切っても、過言ではありません。
引き算の発想から距離感は生まれない
フルショットの練習ばかりしている人は、コースでは引き算の発想で距離を合わせてしまいます。たとえば、9番アイアンのフルショットで100ヤードくらいという物差しから、それよりも短い距離になったときに、振り幅を引いて考えるわけです。
でも、普段フルショットの練習ばかりしているわけですから、実際のコースで、そううまく加減できるわけがありませんよね。フルショットの物差ししかなくて、大雑把な引き算しかできないので、いつまでたっても、自分の距離感が磨かれていかないのです。
■ 中井 学 プロフィール
1972(昭和47)年 大阪府豊中市生まれ。中学生でゴルフを始め、高校3年生時に日本ジュニア出場など活躍。92年に渡米し大学に通いながらゴルフの腕を磨く。現在はプロゴルフコーチとしてツアープロからアマチュアまで指導。
中井学のゴルフマネジメント 記事一覧
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