今さら聞けないスイングの基礎

飛距離アップ&コントロールショットはアドレスで作る ~第5回~

2016/06/06 10:40

アイアンでは3つのポイントに注意して飛距離をコントロールしよう

アイアンのフルショットではクラブを一番長く持って、スタンス幅は大きく2足分空けます

ドライバーでは、飛距離を少しでも稼ぐことができれば、セカンドショットの残りの距離が減って、グリーンを狙いやすくなるので、大きなアドバンテージになります。一方、アイアンショットは、飛距離を稼ぐものではなく、飛距離を正確に打ち分ける、コントロールショットを重視すべきです。ここは、しっかりと頭を切り替えてくださいね。

さてここで、アイアンの飛距離をコントロールする、下記の3つのポイントを覚えておきましょう。

ポイント1:グリップを握る位置
ポイント2:ボールと体との距離
ポイント3:スタンスの幅

アイアンのフルショットでは、クラブを一番長く握り、それに従って、ボールと体との距離が決まります。そして、スタンス幅は大きく2足分空けることを、アイアンのフルショットの基準にしましょう。

グリップを握る位置に合わせてスタンス位置と幅を調整

アイアンの番手間の飛距離を出したい時は、グリップの中間を握ることで調整します

3つのポイントを調整することで、同じ番手でも距離を打ち分けることができます。まずは、ポイント1のグリップを握る位置から調整します。下記のポジションを目安にしましょう。

一番長く握る(フルショット)
グリップの中間を握る(番手の中間)
一番短く握る(下の番手と同距離)

グリップの中間を握って短く持つと、番手の中間の飛距離になります。たとえば、7番アイアンでは飛びすぎて、8番アイアンでは距離が足りないという時に、7番アイアンのグリップの中間を握ることで、飛距離も番手の中間にすることができます。また、一番短く握る場合は、番手を一つ下げたクラブと飛距離は同じですが、低い球を打つことができます。

握る長さ、ボールと体の距離、スタンス幅に注意

飛ばないアドレスを整えたらフルショットのイメージで振ってもOKです。ゆるみのないスイングができミスが激減します

グリップ中間を握るときには、ボールと体との距離も縮まり、スタンスの幅はフルショットの基準となる大きく2足分よりも、若干狭めます。つまり、グリップを短く握るほど、ポイント2と3も同時に調整して狭めていくことになります。

このようにして、距離を制限するためのアドレスを、あらかじめ作ったら、あとはフルスイングすればOKです。ポイント1と2と3が小さくなることで、自動的に体の回転が制限され、スイングアークも小さくなり、飛ばなくなるからです。最初から、飛ばないアドレスを作っておくことで、小手先による手加減が不要になるのです。

グリーン周りのアプローチは“三角形”を狭める

クラブヘッドと両足のスタンスが作る“三角形”を狭めることで、スイングに制限をかけるイメージを持とう

アプローチでは、距離が短くなればなるほど、ポイント1と2と3をより意識したアドレスで臨みます。分かりやすいイメージとしては、短く握るほどボールとスタンス両足の作る“三角形”を、どんどん小さくしていく形になります。

クラブを短く持ち、ボールと体の間隔を狭め、さらにスタンスを狭めて、この三角形をあらかじめ小さくしておけば、緩みなくしっかりインパクトしても飛ばないようにできます。従って、グリーン周りの近距離のアプローチでは、スタンス幅ゼロ。両足をピッタリとくっつける形でアドレスするのです。

ちなみに、サンドウェッジのフルショットでの基準となるスタンス幅は、第3章でお伝えした通り、小さく2足分です。これを最大幅として、短く持つに従って、ボールとスタンスの三角形を狭めていくことで、飛距離を制限するのです。

今回のまとめ ~動画付き~

今回紹介した『飛距離アップ&コントロールショットはアドレスで作る』をまとめてみました。

・飛ばしたい時はスタンス幅とグリップが力まないことに気をつける
・コントロールショットは握る長さ、ボールと体の距離、スタンス幅で調整する
・グリーン周りのアプローチはボールとスタンス両足が作る“三角形”を狭める意識で

次回は「アドレスの重心で弾道をコントロール ~第6回~」です。構えた時の重心を意識するによって弾道が変わることを覚えましょう。

トーナメントコースでもある東名カントリークラブ。晴れている日は富士山を見ることができるぞ

撮影協力/東名カントリークラブ
【住所】静岡県裾野市桃園300
【アクセス】東名高速道路/裾野ICより9km
【電話番号】055-992-3331

『富士山を望む、高速グリーンに挑戦しませんか』

丘陵コース。打ち上げ・打ち下ろし・谷越え・池越えと変化に富んだ戦略性豊かな27ホール。愛鷹コースは1番から富士山に向かって打ち進み、6番からは富士を背に打ち下ろすホールが続く。裾野コースは1番から3番まで富士山に向かって進み、6番谷超えの打ちおろし、8番は池を正面に見て打ちおろすロングホールとなっている。

文/前田群緑、撮影/吉井裕志、動画/株式会社ジーマ、構成/宮田卓磨(GDO編集)

岩垣貴栄(いわがき・たかまさ)ティーチングプロのプロフィール

奈良県出身、PGAティーチングプロA級。2013年PGAティーチングプロアワード最優秀賞を獲得。明治大学理工学部出身の理系ゴルファーならではの論理的思考を活かしたわかりやすいレッスンで、ジュニアからシニアまで、アマチュアゴルファーの支持を集めている。

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