今さら聞けないスイングの基礎

体重配分によって弾道を自在にコントロール ~第6回~

2016/06/13 09:00

3.右足体重=左足上がりの傾斜では球が高くなる

右足体重ではすくい上げる軌道になります

今度は、左右への体重配分による弾道の変化についてお伝えします。左右均等ではなく、重心が右足寄りになると、ボールが高くなることを知っておきましょう。右足に体重が残り右足軸回転となって、すくい上げるようなスイングになるからです。

左足上がりの傾斜では、すくい上げる動きが強くなるので、トップするミスが出やすくなります。また、これを利用すると、ドライバーでは体重配分を右足寄りにすることで、ティアップしたボールをアッパーブロー(ヘッドが上昇するところで当てる)でとらえることができます。

4.左足体重=左足下がりの傾斜では球が低くなる

左足体重では打ち込む軌道になります

左足体重では、右足体重とは逆の弾道になります。重心が左足寄りになることで、左足軸回転となって、体が左に突っ込む形になり、ボールが低く飛びます。

これを知っておくと、左足下がりの傾斜では、球が低く出ることが想定でき、球を無理に上げようとするミスも避けられます。

体重配分を賢く利用しよう!

体重配分を利用して仮想の傾斜を作り出そう

前後左右の体重配分による弾道の変化を知っておくと、さまざまなシーンで、比較的簡単に弾道を調整することができます。小手先のスイングで動的に調整しようとすると再現性が不安定になります。アドレスの時点であらかじめセットしておくことで、弾道のコントロールがやさしくなるのです。

・ラウンド中、足が疲れてきた時は体重配分をチェック
特にラウンドの後半など、足が疲れてくると気づかないうちに体重配分が乱れてきます。十分な前傾姿勢がとれず、アドレスが立ち気味になり、無意識のうちにかかと体重になることが多いので、ニュートラルな体重配分が乱れていないか、チェックしてみましょう。

・OBやハザードを避けたい場合に調整
右にOBやハザードがあって、どうしても右に行かせたくない時には、やや体重をかかと寄りにするといった調整も可能です。左に行かせたくない時には、逆に体重をつま先よりにします。また、フェードが持ち球なら、つま先寄りの体重にすることで、スライス傾向を強めて、右ドッグレッグに対応するなど、コースなりの弾道を得ることもできます。

・弾道の微調整に体重配分を活用
球筋はその日、その日によって、微妙に変わってくるものです。球が掴まらない日は体重をかかと寄りに、掴まり過ぎるときには、つま先寄りにすることで、その日の弾道を微調整できます。

・傾斜の影響を軽減
つま先上がりの傾斜では、かかとに体重がかかるので、つま先寄りに調整することで、傾斜による弾道の影響を軽減できます。つま先下がりの傾斜、左足下がり、左足上がりも同様です。傾斜地では、体重配分をニュートラルにすることで、傾斜による影響を緩和できるのです。

・球の高低を微調整
木の枝が張り出していたり、上空に強い風が吹いていたりと、低く飛ばしたいときには、体重を左足寄りにすることで弾道を低く抑えることができます。また、第5回でお伝えしたように、番手を大きくして短く持つことで低く打つことも可能です。

今回のまとめ ~動画付き~

体重配分を利用して弾道をコントロールする方法を動画でまとめてみました。

・つま先体重ではスライス傾向、かかと体重ではフック傾向になる
・左足体重では弾道が低く、右足体重では高くなる
・右や左に行かせたくないホール、その日の弾道の調整などさまざまな応用が可能

次回は、いよいよスイング編に突入します。『背骨と右足の2軸を意識しよう ~第7回~』をお楽しみに!

トーナメントコースでもある東名カントリークラブ。晴れている日は富士山を見ることができるぞ

撮影協力/東名カントリークラブ
【住所】静岡県裾野市桃園300
【アクセス】東名高速道路/裾野ICより9km
【電話番号】055-992-3331

『富士山を望む、高速グリーンに挑戦しませんか』

丘陵コース。打ち上げ・打ち下ろし・谷越え・池越えと変化に富んだ戦略性豊かな27ホール。愛鷹コースは1番から富士山に向かって打ち進み、6番からは富士を背に打ち下ろすホールが続く。裾野コースは1番から3番まで富士山に向かって進み、6番谷超えの打ちおろし、8番は池を正面に見て打ちおろすロングホールとなっている。

文/前田群緑、撮影/吉井裕志、動画/株式会社ジーマ、構成/宮田卓磨(GDO編集)

岩垣貴栄(いわがき・たかまさ)ティーチングプロのプロフィール

奈良県出身、PGAティーチングプロA級。2013年PGAティーチングプロアワード最優秀賞を獲得。明治大学理工学部出身の理系ゴルファーならではの論理的思考を活かしたわかりやすいレッスンで、ジュニアからシニアまで、アマチュアゴルファーの支持を集めている。

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