今さら聞けないスイングの基礎

スイングでは背骨と右脚、2つの軸を意識しよう!

2016/06/20 09:00

右脚を意識した“第2の軸”とは?

正面から見て、アドレス時の右脚のラインが右脚の軸となります

頭を固定せず、視界が変わるのが自然なのだという意識で、体の自然な回転に従えば、背骨の軸に対する肩の回転は、比較的容易に体得できます。その上で、背骨の軸を正しくキープするのに不可欠となるのが右脚の“第2の軸”です。右脚の軸とは、正面から見た場合、アドレス時の右脚のラインで、特にテークバックで意識的にキープすべき軸となります。

右膝が伸びると背骨の軸が左足側に傾き、体重移動が逆転してしまいます

この右脚の軸がブレてしまうと、どうなるでしょうか?アマチュアにありがちな2つのケースを見てみましょう。テークバックで、右脚の軸が左足方向に倒れるケース。その多くは右膝が伸びきってしまうことが原因です。これに伴って、背骨の軸自体が、左足方向に大きく倒れ込むような形でブレてしまいます。

テークバックで左足に体重が乗り、ダウンスイングでは右足にと、体重移動の逆転現象(リバースピボット)を招きます。その結果、すくい上げるようなスイングになり、ダフリやトップといったミスが頻発するのです。

右脚の軸が右にズレれば、背骨の軸もいっしょに右へズレてしまいます

もう一つのケースは、右脚の軸が右足方向に動くケース。これをゴルフ用語で言えば、右へのスウェー(体の左右への望ましくない動き)です。このように右脚の軸が右にブレると、背骨の軸もいっしょに右へスライドします。スイングの最下点も右にズレるので、それを調整しようとして左に戻す動きが必要となり、スイングの再現性が不安定になります。

右膝の位置と角度をキープして右脚の軸をキープしよう

背骨の軸をキープすれば、頭はこのように右に動くように見えます

つまり、背骨の軸をキープするには、右脚の“第2の軸”をキープすることが肝心なのです。では、どのようにキープするのかというと、アドレス時の前方から見た右膝の位置と、後方から見た右膝の角度を、テークバックの初めからクラブを上げるトップまで、ずっと変えないようにします。

前方から見た右膝の位置がズレなければ、背骨の軸が左右にスライドすることは避けられます。後方から見た右膝の角度をキープして、テークバックで右膝が伸びたりしなければ、背骨の軸が斜めに倒れることを防止できます。

背骨のスイング軸をキープするためには、右膝を意識した“第2の軸”をキープすることが、絶対に欠かせないのです。

今回のまとめ ~動画付き~

スイングには背骨と右脚の2つ軸があること、そして“第2の軸”となる右脚をキープする方法を動画でまとめてみました。

・背骨の軸に対して肩が水平に回転するので、前傾角度がスイング軌道に大きく影響する。

・頭を動かさない意識は不要。“第1の軸”である背中の軸をキープしながら肩を回せば、ボールを見る視界は変わるのが自然。

・テークバックでは、“第2の軸”である右脚、右膝の位置と角度をキープすることで、背骨の軸の倒れこみやスライドを防止できる。

次回は、クラブをあげるところまでのトップオブスイングにおける基本を紹介します。「肩の回転角度と左手首の角度に要注目 ~第8回~」をお楽しみに!

トーナメントコースでもある東名カントリークラブ。晴れている日は富士山を見ることができるぞ

撮影協力/東名カントリークラブ
【住所】静岡県裾野市桃園300
【アクセス】東名高速道路/裾野ICより9km
【電話番号】055-992-3331

『富士山を望む、高速グリーンに挑戦しませんか』

丘陵コース。打ち上げ・打ち下ろし・谷越え・池越えと変化に富んだ戦略性豊かな27ホール。愛鷹コースは1番から富士山に向かって打ち進み、6番からは富士を背に打ち下ろすホールが続く。裾野コースは1番から3番まで富士山に向かって進み、6番谷超えの打ちおろし、8番は池を正面に見て打ちおろすロングホールとなっている。

文/前田群緑、撮影/吉井裕志、動画/株式会社ジーマ、構成/宮田卓磨(GDO編集)

岩垣貴栄(いわがき・たかまさ)ティーチングプロのプロフィール

奈良県出身、PGAティーチングプロA級。2013年PGAティーチングプロアワード最優秀賞を獲得。明治大学理工学部出身の理系ゴルファーならではの論理的思考を活かしたわかりやすいレッスンで、ジュニアからシニアまで、アマチュアゴルファーの支持を集めている。

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