今さら聞けないスイングの基礎

弾道の仕組みを知れば自分のスイングが分析できる ~第10回~

2016/07/11 08:00

体の運動量によるスイング軌道の変化について

体重移動(右脚の蹴る力)と体の回転のバランス関係によってスイング軌道は変化する

弾道をコントロールすることは、インパクト周辺のスイング軌道とフェース向きを、コントロールすることに他なりません。さて、このスイング軌道はどのようにして決まってくるのでしょうか。

1つには第8回「スイングトップを改善して方向性をアップ」でお伝えしたとおり、スイングトップでの肩の回転角度になります。肩を90度まで回せば、ストレート軌道になり、それよりも浅ければアウトサイドイン軌道、深ければインサイドアウト軌道になります。

そしてトップから切り返した後のダウンスイングの動きでも、スイング軌道が変わってきます。体重移動(右脚の蹴る力)と体の回転のバランス関係によってもスイング軌道が変わるのです。少し、難しい話になりますが、知っておいて損はありませんし、これを意識することによって弾道を調整することも可能です。

体重移動<体の回転=アウトサイドイン軌道

体重移動よりも回転が勝っているスイングはアウトサイドイン軌道になりやすくスライスとなる

アマチュアに多いのがこのケースです。体の回転が勝って、体重移動(右脚の蹴り)が少ない場合には、アウトサイドイン軌道になります。特にアマチュアの場合、“リバースピボット”(体重移動が逆転)によるアウトサイドイン軌道が多く、クラブが外から下り、なおかつすくい上げるインパクトになって、高いスライスが出ます。

体重移動>体の回転=インサイドアウト軌道

体の回転よりも体重移動が勝っているスイングはインサイドアウト軌道になりやすくフックになる

体重移動が体の回転よりも勝ると、インサイドアウト軌道になります。右脚の蹴りが強く、右から左へスライドする動きが大きくなるため、体の回転が損なわれます。クラブヘッド振り戻る前にインパクトを迎え、右に強く打ち出してしまうことになります。それを嫌って手先でフェースを返そうとすると、左に大きく曲がる“引っ掛け”“チーピン”も出ます。

体の回転=体重移動

体の回転と体重移動のバランスが取れた理想的なスイング

体の回転と体重移動(右脚の蹴る力)のバランスが良い場合には、スイング軌道がストレートになります。スイングトップで90度に回した肩(胸)が、インパクトで正面を向く、理想的なスイングになります。

今回のまとめ ~動画付き~

PGA理論に基づいた、“スイング軌道”と“フェース向き”がもたらす弾道について動画でまとめてみました。

・スイング軌道はインサイドイン、アウトサイドイン、インサイドアウトの3種類あり、球の打ち出し方向が決まる。
・フェース向きはスクエア、オープン、クローズの3種類あり、球の曲がり方が決まる。
・スイング軌道とフェース向きの組み合わせによって、9つの弾道が生まれる。
・スイング軌道は、体重移動と体の回転のバランスによって変化するため、上手く活用すること。

次回は、「フィニッシュ時の重心を意識して弾道を変える ~第11回~」です。フィニッシュで左足に体重が乗った時のポジションでも弾道が変えられるというお話です。お楽しみに!

トーナメントコースでもある東名カントリークラブ。晴れている日は富士山を見ることができるぞ

撮影協力/東名カントリークラブ
【住所】静岡県裾野市桃園300
【アクセス】東名高速道路/裾野ICより9km
【電話番号】055-992-3331

『富士山を望む、高速グリーンに挑戦しませんか』

丘陵コース。打ち上げ・打ち下ろし・谷越え・池越えと変化に富んだ戦略性豊かな27ホール。愛鷹コースは1番から富士山に向かって打ち進み、6番からは富士を背に打ち下ろすホールが続く。裾野コースは1番から3番まで富士山に向かって進み、6番谷超えの打ちおろし、8番は池を正面に見て打ちおろすロングホールとなっている。

文/前田群緑、撮影/吉井裕志、動画/株式会社ジーマ、構成/宮田卓磨(GDO編集)

岩垣貴栄(いわがき・たかまさ)ティーチングプロのプロフィール

奈良県出身、PGAティーチングプロA級。2013年PGAティーチングプロアワード最優秀賞を獲得。明治大学理工学部出身の理系ゴルファーならではの論理的思考を活かしたわかりやすいレッスンで、ジュニアからシニアまで、アマチュアゴルファーの支持を集めている。

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