モンスターコースこそ、刻む勇気を! ゴルフ5カントリー オークビレッヂ(前編)
スタートの“ツンデレ”に騙されるな!
(前回までのあらすじ)
スコア90台で伸び悩むゴルファーを応援するため、同じ悩みを持つGDO編集部員・N村(40代・独身)が80台を目指す。ただしミッションとして、上級者からも認めてもらえるような難コースでの実現を求められている。ホウライカントリー倶楽部でその願いはかなわず、次に向かった先はゴルフ5カントリー オークビレッヂ(旧・オークビレッヂゴルフクラブ)。そこがまた、とても厄介なコースでして……。
都心から車を走らせること1時間あまり。アクセス至便のはずが、この格別な隔絶感はどうだろう。それもそのはず、上級者が最も大叩きするゴルフ場と聞けば、その敷居に高さは並大抵ではない。
累計50万人以上のゴルファーが登録するGDOスコア管理の中から、最近1年間(※)で平均スコアが89以下の登録者を対象とし、平均スコア90以上を叩いているコースを抽出。さらにスコア登録枚数20枚以上、GDOが提携する関東近郊ゴルフ場という条件を加えると、そのトップに君臨するのがゴルフ5カントリー オークビレッヂである。左上の表の通り、2位との平均スコア差を考えると、ダントツの難しさと言ってもいいだろう。
1番ホールが思いのほか回りやすく、拍子抜けしたが、これも演出の1つだったのだろうか。このコースの真骨頂は2番ホールから。深い崖が目に飛び込むティグラウンドで、N村は呆然と立ち尽くすことになる。
コース全体の傾向として、250ヤード先あたりのフェアウェイが狭く、200~230ヤードがやや広めに設定されている。上級者にドライバーを持たせない設計家の腹積もりだろうが、飛距離が平均220ヤードのN村にとってはありがたい話。だが、この安全地帯から距離がたっぷり残るのだ。いつもはキャディバッグに静かに佇むフェアウェイウッド、ユーティリティが、この日のN村の「相棒」。ただでさえ難しいクラブなのに、普段あまり練習していない。しかも、コース特有の起伏の激しいフェアウェイ、ラフから打ち続けるわけだ。N村の三半規管を狂わされ、ミスショットを連発する。
波のようなアンジュレーションは、グリーンまでつながる。しかも、とにかくデカイ。象徴的なのが3番のロングホールで、縦長40メートル! この日はご丁寧にいちばん奥にピンが切られていた。6番ホールに来ると、右手に1番ホールを臨む形でホールは進むのだが、N村は思わず「1番は誠実なホールだったなあ。懐かしい……。どれだけツンデレなんだよ」と、ぼやく。
INコースに入ると、2つのダブルパーを叩くなど、完全にお手上げ。17番のショートホールではティショットが自称、日本一のアゴの高さを誇るバンカーに吸い込まれる。1度目の脱出に失敗し、2度目はトップしたボールが勢いよく高さ6メートルのアゴを駆け上がって、グリーンオン。ゴルフというより、もはや曲芸の域……。
スコア110、パット数は50に達しようかという無残なラウンドを終えたN村は、その足でフロントに直行。まさか……。難し過ぎるからって、クレームはまずいだろう。