トーナメントコース、どれだけ難しいの!? 宍戸ヒルズカントリークラブ 西コース(前編)
出だしのショートホールで動揺MAX!
(前回までのあらすじ)
念願のスコア80台を目指すなら、難コースでの実現を――。GDO編集部員・N村(40代・独身)が、スコア90台で伸び悩むゴルファーを代表して、あえて厳しいハードルを設けるのには理由がある。そのスコアの価値を、ゴルファーへの評価が厳しめの上級者にも認めてもらうためだ。その願いがホウライカントリー倶楽部やゴルフ5カントリー オークビレッヂではかなわなかった。N村の次なるターゲットは……。
N村の挑戦も3コース目を迎え、ついに現在のトーナメントコースが舞台となる。しかも、メジャー大会『日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ Shishido Hills』 が開催される宍戸ヒルズカントリークラブ 西コースだ。トップクラスのツアープロでさえ攻略に頭を悩ませていることは、過去の大会を見れば分かるだろう。GDOが選定した難易度ランキング(※)でも4位に入る。実際にこの大会に足を運んだことがあるN村は、行きの車中でホールごとのマネジメントを思い描きながら悦に入るのだった。
(※)累計50万人以上のゴルファーが登録するGDOスコア管理の中から、最近1年間(※)で平均スコアが89以下の登録者を対象とし、平均スコア90以上を叩いているコースを抽出。さらにスコア登録枚数20枚以上、GDOが提携する関東近郊ゴルフ場という条件を加えてランキングを作成。
大会から半年が過ぎたコースは、周囲の連峰もすっかり色づいていた。そんな四季の移ろいを楽しむことなく、N村はすっかりツアープロ風情を漂わせていた。さあ、最初のティショットをどれだけ飛ばしてやろうか。ドライバーを握りしめながら1番ホールに向かう。ところがカートが到着したのは、パー3。視線をスコアカードとコースとで往復させるのだが……。
このように実際のホールレイアウトとトーナメント用が異なることもあるので、ご注意ください。当初の予定よりだいぶ短いクラブを持つことになったN村のティショットは、グリーン手前のクリークに吸い込まれる。N村の動揺は、いきなりMAXに!
全長6899ヤード。難易度ランキング1位のゴルフ5カントリー オークビレッヂでさえ6610ヤードだから、平均飛距離220ヤードのN村にとって、どれだけパーオンの道のりが険しいか。前半のOUTコース終了時点で、「刻み」を考慮するまでもなく、パーオンをあきらめることになるのは必然だろう。
それにしても、トーナメント用のティからだいぶ前から打っているのに、N村が知るツアープロの着弾点には遠く及ばない。つくづく、プロの飛距離はものすごい(飛距離だけではないが)。
トーナメントを見ると、14番ホール以降はプロでさえパーをセーブするのにプレッシャーがかかるほど難しくなる。難易度のギアが一段上がるのだ。地上波の中継ホールでもあるので、スリリングな展開を演出する上がりホールを覚えている人も多いだろう。
N村も例に漏れず、15番ホールのパー5でトラブル発生。OB、崖、林などトラブルのデパート状態となり、スコアは2ケタに到達。このホールに象徴されるように、パー5の4ホールで13オーバー。ロングホールの対応が課題として突きつけられた。
17番ホールは『ツアー史上最も難しいパー4』と言われることもあるほど。宍戸ヒルズカントリークラブ 西コースだけでなく、日本を代表する名物のパー4だ。距離が長いうえに、グリーン手前に大きな口を開ける池は存在感抜群。あまりの難しさに「トーナメントでも、グリーンは12フィート以上にしないように言われています」と、営業部課長の海老沢信也さんが教えてくれた。
実際、池の手前に刻んだはずのN村のサードショットが結局シャンクして大きな水しぶきを上げるなど、危うく2度目の2ケタスコアを献上するところだった。18ホールを終えて、スコアカード右端には「111」の数字。涙がこみ上げてきそうだ。
「N村さん、もっと楽しそうにプレーしましょうよ」
傷心のN村を爽やかな笑顔で出迎えてくれたのは、JPGAティーチングプロの北野正之さん。下川めぐみプロを指導した今年は、彼女の平均飛距離を30ヤード伸ばしたという。飛距離アップのレッスンを得意とし、また創意工夫を凝らした指導で様々なメディアでも活躍中。もはや独力で難コースを攻略するのは難しいと考えたN村は、用意周到に呼び寄せていたのだ。いつものように北野プロのアドバイスを受けながら、この難コースで再び80台を目指す。
【今回のポイント】
・長めのホール/王道のパーセーブを狙わず、次打の状況まで熟慮する
・打ち下ろしホール/風の情報に気を配りながら、低スピン弾道で攻める