このコースで真の80台!

トーナメントコース、どれだけ難しいの!? 宍戸ヒルズカントリークラブ 西コース(前編)

2015/12/11 09:15

情報収集力が試される打ち下ろしホール

ティラウンドからグリーンまでダイナミックに打ち下ろす。フェアウェイ中央にそびえる高い木が攻略ルート狭める

苦手の打ち下ろし、しかも難易度2位のホールをボギーで切り抜けたN村。ショットも安定して態勢を立て直したが、今度は肌を突き刺すような寒風が新たな悩みの種に。体のキレや体温を奪うデメリットより、グリーンを高速化させたという点で影響が大きかった。

ショットのリカバリーをパットが吐き出すという構図が鮮明になり、14番ホールへ。このホールはランキング4位という難易度の高さ。さらに、7番ホール以上の傾斜のきつい打ち下ろし。N村にとって厳しいレッスンが突き付けられた。

打ち下ろしのショットは風の影響を受けやすい。木の葉や前の組など敏感に情報網を張り巡らすことが大切だ

いつもより空が大きく開け、先ほどティショットのナイスショットを帳消しにされたフェアウェイ中央の木も気になる。やはり打ち下ろしのティグラウンドの景色は好きになれないN村。おもむろにティショットに臨もうとしたとき、北野プロが制止した。

(北野プロ)ずっと気になっていたことがあります。N村さん、打つ前に風を読んでいませんね。
(N村)あまり気にならないほうでして……。
(北野プロ)7番ホールは無風でしたが、今はずいぶん出てきています。特に打ち下ろしホールはボールが風の影響を受けやすいので注意したほうがいいですよ。
(N村)地面の芝をむしって風に流す、よく見る光景ですね。
(北野プロ)いや、ティグラウンドではなく、注視すべきは弾道の最高到達地点あたりの風です。ボールは最高到達地点から落下するときに最も風の影響を受けますから。
(N村)なるほど。でも、そんなに遠い位置の風の向きなんて、分かるものなんですか。
(北野プロ)前方にある木の葉の動きを見るのが、一番分かりやすいですね。特に広葉樹は葉の裏が白っぽくて目立つので、風の向きが分かりやすいんです。本当はオナーが打った弾道をきちんと見てほしいんですけれど、みなさん、自分の素振りで精いっぱいで案外見ていない(笑)。オナーの場合は、前の組のセカンド地点の動きを見ましょう。ゴルファーが右サイドに偏っていれば、左サイドからの強い風が予測できます。そのほかにも、池があれば水面に立つ波、たなびく煙や雲の動きなど、様々なところにアンテナを張るようにしてください。

クラブは短く持つことがポイント

打ち下ろしが厳しいほど、オーバースイングの度合いが強くなる傾向があるN村。これまでオーバースイングに寛容だった北野プロも手を差し伸べてくれた。風の影響を受けにくい低スピン弾道を打つための4つポイントを指南。
●クラブを短く持つ
●バックスイングを大きく、フォローは小さくする(もしくはバックスイングを高く、フォローは低くする)
●遅く振るイメージを持つ
●入射角を緩やかにする

フォローは低く抑えるイメージで。スピン量を減らすことで低く直進性ある弾道が出やすい。傾斜を利用して、ランで飛距離が稼げる

「打ち下ろしホールでしかもこのように距離があるホールだと、距離を出したいあまりにクラブを長く持って振り回す人が多いですが、本来必要なことと逆行しているんです」と北野プロ。

4つのポイントを確認しながら放ったN村のティショットはフェアウェイ右サイドに着弾し、ランも稼ぐ。今度こそ何にも遮られることなく、2打目でグリーンをとらえる。3パットのボギーとしたのはいただけないが……。

それでも、先ほどのラウンドでは難易度が高い2つの打ち下ろしホールで「7」だったスコアがそれぞれ「5」に改善。そして、14番ホールを終えた時点で、先ほどのラウンドより4打下回った。奇しくも7番、14番でのスコアアップがそのまま反映された格好だ。

だが、喜ぶのはまだ早い。N村には克服しなければならないタスクがまだ残されているのだ。
(取材協力/宍戸ヒルズカントリークラブ

※次回の公開は12月25日(金)を予定。N村は「超」がつく難関ホールに挑みます。

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