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このコースで真の80台!

パーが先か、トリが先か、それが問題だ! カレドニアン・ゴルフクラブ(後編)

グリーンを賢く攻める(1) バンカーを徹底的に回避

(前回までのあらすじ)
スコア80台を目指すゴルファーに向けた応援企画も、ついに最終回。GDO編集部員・N村(40代・独身)は高速グリーンで鳴らすカレドニアン・ゴルフクラブ(千葉県)でスコア80台を目指しているが、グリーン以外にも108個を数えるバンカーが立ちはだかる予想外の展開。特に軟らかい砂質のバンカーに苦しめられ、スコア98で終えた。

N村は、いつものようにコース攻略の切り札として大本研太郎プロを迎え、最後の挑戦に準備を整える。カレドニアン・ゴルフクラブでラウンドレッスンを開催し、またパットを指導の専門分野とする彼こそ、最後のパートナーとして打ってつけの存在と言える。その大本プロから1つのお題が。スコア80台を達成するうえで、パット数36以下を目指すことだった。

1番ホールでトリプルボギーを叩く、最悪の幕開けとなったが、N村のプレーは徐々に落ち着きを取り戻す。大本プロからバンカーの脱出法や高速グリーンにおける距離感の作り方を学びながら、7番ホールを終了したところ。そしてここからが、N村にとって正念場となるのだ。

8番ホールは、全長が長く、コース全体が左に大きく傾斜しているのが特徴。また打ち下ろしなので、2打目地点が左足下がりのライに止まりやすい。トラップが何重にも仕掛けられているのだ。N村はティグラウンドに上がると、「嫌な記憶が……」と頭を抱える。右サイドに鎮座する大きな欅は、先ほど2打目で豪快に当てて推定飛距離-10ヤードという不名誉な記録を残したからである。

カレドニアン・ゴルフクラブの8番ホールは、続く9番ホールと並んで、GDOスコア管理アプリで抽出したホール・バイ・ホールの難易度ランキング(※1)においてトップタイ。

N村も例に漏れず、先ほどのラウンドでは8番ホールが「6」、9番ホールは「7」でスコアをロス。この2つのホールをどのように切り抜けられるかが、コース攻略のポイントと言っても大袈裟ではないだろう。そして、N村のティショットは、また右サイドの、欅のほうへ。

(※1)GDOスコア管理アプリは、累計60万人以上のゴルファーに愛用され、プレー中でも片手で簡単にスコア登録が操作できる。その膨大なデータの中から、最近1年間(※2)で、カレドニアン・ゴルフクラブを回った平均スコア89以下の登録者のスコアをもとに集計

欅の手前あたりでボールを探すが、ボールは見つからない。すると、下のほうから大本プロの声が。なんと、二手に分かれたフェアウェイの左サイドまで転がっていた。グリーンまで残り180ヤードなので十分に狙えるはずなのだが……。

(大本プロ)随分と悩んでいますね。
(N村)ライを見てくださいよ。つま先上がりで、左足下がりの傾斜もきつい。ターゲットとして、どこを向けばいいのやら……。弾道イメージも湧きません(涙)。
(大本プロ)アマチュアにとって、最高難度のライ。このホールの2打目地点では、よく見られることです。私なら、グリーン手前に刻んで3打目勝負をおすすめします。
(N村)でも、うまく打てたら、グリーンに届く可能性はあるんですよ。
(大本プロ)このライから出やすい球筋を考えてください。つま先上がりによる引っ掛け、もしくは左足下がりによる左への打ち出しからのスライス、といったところでしょうか。そうすると、どのあたりに着弾しますか。
(N村)あっ!
(大本プロ)すぐ分かりましたね。グリーン手前から左サイドへと広がるバンカーのあたりです。また、バンカーショット、やりますか?
(N村)(頭をブルブル振りながら)絶対、イヤです。もう分かりましたから、打ちますよ!
(大本プロ)このコースはフェアウェイの起伏が激しいことでも知られています。また、その傾斜に合わせてバンカーも絶妙な位置に配置されているので、さらに難易度が高くなるんですよ。

番手を5番アイアンから7番アイアンに持ち替え、潔く刻みのショットを選択。グリーン手前に刻んで、3オン2パット。やればできる子(!?)、N村はボギーで最初の難関をクリアする。

グリーンを賢く攻める(2) グリーンをエリア分けし、狙いを明確化

そして、OUTコース最大のヤマ場、9番ホールへ到着するN村。パー4としては最長のうえに、アンジュレーションが大きいグリーンは上級者でも悩まされるほどの難易度の高さ。グリーン面に落としても傾斜で外にこぼれ落ちてしまう。そんな光景をクラブハウスのガラス越しからもよく見かけられる。N村も先ほど3パットしているから、その難しさがよく分かるのだ。

ただし、ティショットでも気を付けなければいけないサイドが……という前にN村が打ってしまった。さらに悪いことに、その右方向へ大きくボールは曲がっていく。

落下地点に着くと、想像していた以上に崖は深くなっていた。「一度では出せない人が多いんです。みんな、『ダボ谷』なんて呼んでいるんですよ」。こう教えてくれたのは、前回も登場した美人キャディのF川さん。写真よりも実際はかなりの高さがあるが、木が密集しているエリアを避けられたのは幸い。PWを使用し、N村、自画自賛の脱出。『ダボ谷』なんて呼ばせない!

3打目地点からグリーンまで約155ヤード。ピンポジはグリーン左サイドだが、なにせ、ものすごいアンジュレーションだから、真正直に狙っていいものか。そして、大本プロが導き出した解答は「右奥」。その説明を聞いてみようではないか。

(大本プロ)9番ホールのように、グリーンに段差が多い場合、グリーン面ごとにエリアを分け、狙いを明確化することが大切です。この場合、前後左右のエリアA(左奥)、B(右奥)、C(左手前)、D(右手前)という4つのエリアに分けられます。ピンポジはAとCの境目あたりですかね。
(N村)ピンのあるエリア(A、C)を狙わないわけですか。
(大本プロ)N村さんはおそらく、ショートアイアンで狙いますよね。そうすると、つかまって狙いより左に行く可能性が高く、そうすると……。

(N村)左サイドのバンカーにはまるわけですね。
(大本プロ)C、Dのように前方を狙えば、グリーンが砲台状なので同じく手前のバンカーに戻されてしまう可能性があります。
(N村)そうすると、Bしか残りませんね。
(大本プロ)Bを狙えば、球がつかまってもAで止まる可能性が高いし、狙いより右に行ってグリーンを外しても、ハザードがないので難しいアプローチにもなりません。
(N村)なるほど、納得しました。もう迷いはありません。

N村が、7番アイアンでグリーン右奥を目がけたショット。だが、球はつかまるどころか、フェースが開き気味にインパクトしたため、グリーンの右へ外れてしまう。それでも、ハザードがなく、ラフの深さも気にならない安全地帯。ストレスのないアプローチショットが、ピンそば2メートルまで寄っていく。だが、このボギーパットは入らなかったのが痛い。

とりあえず、INスタートまで時間はある。足早にパット練習場へ向かうN村からひと言。

「キャディさん、やっぱり『ダボ』でした」

最後の難関ホールではギャンブル厳禁!

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