前傾の正しい角度は? どこまでキープすべき? 【レッスン用語♯1/前傾姿勢】
シャローイング、スティープ、サイドベンド…レッスン界にはさまざまな専門用語があふれているが、果たしてこれらの言葉をちゃんと理解しているゴルファーはどれだけいるのだろうか。今企画はそうした一見難しそうな(もしくは普遍的なワードでも知ったつもりになっている)レッスン用語を、プロコーチ界の第一人者・内藤雄士が掘り下げて解説。レッスン用語の“辞書”をひも解いて、上達のヒントに役立ててもらいたい。1回目は「前傾姿勢」について。
クラブの長さに合わせた前傾の角度がある
「前傾姿勢」について話をする上で、まず覚えておいてもらいたいことがあります。そもそも前傾を決める角度に決まりはなく、ゴルファーの身長や持つクラブの長さに合わせて変わってくるもの。長いクラブほど前傾角度は浅く、短いクラブほど深くなります。
クラブにはライ角(ソールを地面に平行に置いたときの地面とシャフトが作る角度)というものがあって、長いクラブほどフラット(角度が少ない)でヨコ振りになりやすく、短いクラブほどアップライト(角度が多い)でタテ振りになりやすい。前傾角はその振る軌道に対して90度近くが目安で、つまり長いクラブだと前傾は浅く、短いクラブだと前傾は深くとなるわけです(90度はあくまで目安なので構えた手の位置によっても変わってくる)。
前傾姿勢をどうやって作るのか? 股関節から上体を倒す
では、どうやって前傾を作るのか。まずは背骨が真っすぐになるように立ってください。そして背中にスティックなどをあてて、スティックと背中の間に隙間ができていないか鏡を見て自身でチェックしてください。この際に、背中上部がスティックから離れて猫背になっていたらNG。腰の辺りが離れて反り腰になっているのもNGです(意外と男性に多い)。
続けてひざをピンと伸ばした状態で、股関節から上体を前に倒していきます。足のモモ裏が張ってきたら、そこで初めてひざを緩めていきます。ひざの角度は各クラブに合わせて微調整を加えて正解を見つけてください。
前傾はどこまで保つのか? 切り返しで前傾は深くなる
プロのスイングを見てもらうと分かると思いますが、アドレスしてからトップまでは、その前傾角度は全く変わりません。さらに切り返し以降では、前傾が深くなる選手はいます。足を踏み込むことで股関節の角度が深くなって、そのときに頭が下がるからです。
アマチュアの方は、切り返しで頭が浮いて前傾が起きやすい。そうなると手元も浮いてくるので、インパクトでボールにパワーは伝わらなくなります。インパクト時はアドレスと同じ前傾角度に戻っている状態が良くて、体が柔らかい選手などはフォロースルーまで前傾角度をキープした状態を続けています。
■ 内藤雄士(ないとうゆうじ) プロフィール
日本大学ゴルフ部在籍中にアメリカにゴルフ留学、最先端のゴルフ理論を学ぶ。ラーニングゴルフクラブを設立し、レッスン活動を始める。98年からツアープロコーチとして活動をはじめ、丸山茂樹の米ツアー3勝を含め、多くの契約プロをサポートしてきた。現在は大西魁斗、清水大成、木村太一ら若手選手を教える傍ら、日大ゴルフ部のコーチを務め、多忙な日々を送っている。日本プロゴルフ協会A級ティーチングプロ。
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