スイング辞典by内藤雄士

バックスイングで大事な2つの動きとは【レッスン用語♯8/バックスイング】

2024/09/13 11:45

シャローイング、スティープ、サイドベンド…、レッスン界には実に多くの専門用語があふれている。今企画はそうした一見難しそうなレッスン用語を、プロコーチ界の第一人者・内藤雄士に解説してもらう。“辞書”をひも解き、上達に役立ててもらいたい。8回目は「バックスイング」について。

バックスイングは「回す」&「たたむ」の2段階

バックスイング中は「回す」と「たたむ」(写真右)の動きが行われている

バックスイングは実は単純ではありません。胸のターンと腰のターンという「回す動作」は当然ありますが、もう一つ必要な動きがあります。正しく体を回転させてクラブを腰の高さまで上げると右ひじが下を向きますが、そこから右ひじを「たたむ動作」が必要になるんです。バックスイングとはその「回す」と「たたむ」の2つの動作を、2段階で行っていることになります。

正しいひじのたたみが軌道の安定に

右ひじが下を向いた状態を保つことが大事

なぜ右ひじをたたむことが必要なのか。手首と違ってひじは一方向にしか動かないので(ひじが内側に折れる動き)、右ひじが下向きをキープできれば同じ動き(内側に折れるか伸びるか)しかしないということ。つまりハーフウェイバックで右ひじが下を向いた段階で、ひじをしっかりたたむことができれば、右ひじが下を向いた状態をキープしやすい。結果、クラブは正しい軌道に下りてきやすいんです。

「たたむ」を疎かにするとアウトイン軌道に

インパクトは右わきが締まって右ひじが曲がったままが理想(写真右)

「たたむ」の動作ができない人は、ハーフウェイバックから右ひじを引いてトップにもっていくケースが多い。そうなるとやはり胸が回りづらくなり、ダウンスイングでは右わきが空いて、右ひじが浮きやすい。結果、クラブが外から入りやすくなるんです。右わきが締まったまま右ひじが曲がってインパクトするのが理想ですが、そのためにバックスイングの「たたみ」がものすごく重要になってくるんです。

■ 内藤雄士(ないとうゆうじ) プロフィール

日本大学ゴルフ部在籍中にアメリカにゴルフ留学、最先端のゴルフ理論を学ぶ。ラーニングゴルフクラブを設立し、レッスン活動を始める。98年からツアープロコーチとして活動をはじめ、丸山茂樹の米ツアー3勝を含め、多くの契約プロをサポートしてきた。現在は大西魁斗清水大成木村太一ら若手選手を教える傍ら、日大ゴルフ部のコーチを務め、多忙な日々を送っている。日本プロゴルフ協会A級ティーチングプロ。

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