ドライバーとアイアン 頭の動きの正解は?【レッスン用語♯9/ヘッドビハインドザボール】
シャローイング、スティープ、サイドベンド…、レッスン界には実に多くの専門用語があふれている。今企画はそうした一見難しそうなレッスン用語を、プロコーチ界の第一人者・内藤雄士に解説してもらう。“辞書”をひも解き、上達に役立ててもらいたい。9回目は「ヘッドビハインドザボール」について。
ドライバーとアイアンで頭の位置は変わる
構えた時点でボール位置はだいたい左足かかとの延長上にあります。そうなるとヘッドビハインドザボール(ボール位置より頭の位置が飛球線後方側)の状態からスイングは始まります。この頭の状態をインパクトまで保つ、「キープヘッドビハインドザボール」が大切です。注意してほしいのは、ドライバーとアイアンで動き方が全然違うということ。それはクラブの入射角の差によるもの。ドライバーは3度ぐらいのアッパーブロー、アイアンは7番アイアンで5~6度ぐらいのダウンブロー。両者に8~10度の差があるので、頭の位置や頭の動き方は大きく変わります。
アイアンはバックスイングで頭の位置を超キープ
アイアンは、構えからトップまで頭の頂点が微動だにしないように心がけてください。バックスイングで頭が右側に動いてもいいと勘違いされる方も多いですが、それだと軸回転がうまくできない。頭の位置が固定されると胸椎がスッと回転しやすくなり、軸回転がスムーズに行われます。そうするとスイングに必要ないわゆる「ねじれ」も生まれます。
トッププロの多くは、切り返しで左足に踏み込む際に頭がちょっと左にずれます。そこから腰のターンに応じて、頭は再び右に戻ってきます。アドレスの頭の位置に戻る場合もあれば、それよりちょっと右に行く人もいる。一つだけ言えるのは、頭がボールを追い越すことはないということ。これは鏡を見ながらシャドースイングをして、チェックしてみるといいです。
ドライバーは頭が右にあることでアッパーに
ドライバーはアイアンよりスタンス幅が広くなるので(右足が広がる)、そうするとビハインドザボール具合がそもそも大きくなります。バックスイングでは、右股関節にグッと乗るときに、足が右にある分だけ頭の位置がほんのちょっと右に動く場合があります。注意してほしいのは、右に動くといっても“右に動かす”ではないということ。右に早い段階で動いてしまうとうまく軸回転できないケースが多いです。
アドレスでは頭の位置は右、ダウンスイングでも頭の位置を右側でキープして、決して左側に行かないようにします。キープビハインドザボールを意識したままインパクトできれば、軌道は自然とアッパーになります。ドライバーとアイアンで頭の位置とその動かし方の違いがあるというのは、覚えておくだけでも不調時の改善に役立つ可能性がありますよ。
■ 内藤雄士(ないとうゆうじ) プロフィール
日本大学ゴルフ部在籍中にアメリカにゴルフ留学、最先端のゴルフ理論を学ぶ。ラーニングゴルフクラブを設立し、レッスン活動を始める。98年からツアープロコーチとして活動をはじめ、丸山茂樹の米ツアー3勝を含め、多くの契約プロをサポートしてきた。現在は大西魁斗、清水大成、木村太一ら若手選手を教える傍ら、日大ゴルフ部のコーチを務め、多忙な日々を送っている。日本プロゴルフ協会A級ティーチングプロ。
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