「ジャングル秘境からの絶景シーサイド そのギャップたるや」カヌチャゴルフコース/ゴルフ場Gメンが行く#5
全国に散らばるゴルフ場営業のスペシャリスト、通称「ゴルフ場Gメン」(GGM)たちによる新企画がスタート。全国各地のゴルフ場に潜入し、コース攻略のポイントやグリーンの特徴、ラウンドに必要なマル秘情報を徹底調査する。その詳細なレポートを、ラウンド前の予習に、もしくは予約のきっかけに役立てて欲しい。第5回目は沖縄本島北部のリゾートコース「カヌチャゴルフコース」(調査Gメン/マコG)。
初心者から競技ゴルファーまで客層は幅広く
めんそ~れ。沖縄地区担当のマコGメンです。この時期の本島はまだまだ寒い日が続きますが、沖縄のゴルフ場はまさに今がハイシーズン。平均気温が20度近くありますからね。3月いっぱいは本土や韓国などの海外からのお客さんが多く訪れます。半袖で快適にプレーできる沖縄に、みなさん足を運びたくなるのでしょう。
わたくし沖縄地区の担当営業ですが、沖縄はいいコースが多いので、正直どこのゴルフ場を初めに調査するか迷いました。その中で第一回目に選んだのは、県北にある「カヌチャゴルフコース」です。いわゆるリゾートゴルフ場として知られていますが、知る人ぞ知る戦略性の高いコースなんです。リピート率は高く、那覇市内から車で1時間30分近くかかりますが、それでも訪れるお客さんも多いんですよ。宿泊施設もついているので、1泊2ラウンドのプランも人気です。
もちろんリゾートコースの側面もあって、ゴルフ初心者の方も気軽に回れます。レンタルクラブは充実。各ホールには初心者用のティも用意されています。他にも一つのボールを2人で打って回る「ハッピーゴルフ」や、3ホールだけとか6ホールだけの「ちょこっとゴルフ3・6」といったプランもあります(もちろんハーフラウンドプランも)。ゴリゴリなアスリートもアベレージゴルファーも初心者も楽しめるコース。ナイチャーからわざわざ来る価値あるさー。
OUTはジャングル、INはシーサイド
コースの特徴からお話しします。まず18ホール全体を通して言えるのは、「フェアウェイが狭い」こと。ティショットの狙い所がシビアなホールが多く、球筋まで考えてピンポイントで攻める必要があります。さらにフェアウェイもフラットな場所はほぼありません(アウトの3番ぐらい)。基本的に2打目は傾斜から打つことが多く、決して簡単なホールはありません。しかも沖縄特有の強風がつきもの。総距離は白ティで6009ydと長くはありませんがスコアを出すのは難しい。なかなか“楽しめる”コースですよ。
グリーンはコーライで、目が強いのが特徴。1グリーンで大きく傾斜もキツイので、乗せる位置が非常に重要になってきます。カートナビに傾斜と目が表示されているので、参考にしながらプレーしたほうがスコアは出しやすいと思います。
カヌチャの面白いところは、アウトとインで全く別の雰囲気が楽しめる点。アウトはやんばるの森の中に向かってスタートしていきます。言うならば木々に囲まれたジャングルコース(正式名称はビレッジコース)。ガジュマルの木やイタジイの木、リュウキュウマツなど、うっそうとした木々の中を分け入っていきます。一方、インコースは打って変わって海に向かって出ていくシーサイドコース。森に代わって青空の面積が増え、12番以降は目の前に広大な海が広がる中でのプレーになります。ヤシの木も所々にあり、実にリゾート感に溢れています。
個人的には、アウトからスタートし、後半に解放感たっぷりのインコースを回るのがおすすめ。実際、ハーフだけ回る人も、インコースを選択することが多いみたいです。ただ、アウトの“ジャングルクルーズ”も十分ワクワクするので、ぜひ18ホール回ってアウト、インのギャップも楽しんでもらいたい。やんばるの森でなんとか耐えて、後半、海に向かって思いっきりドライバーを振り回す。そんな流れで楽しんでよー。
なんとかパーで乗り越えたい谷越え8番ホール
木々に囲まれた狭いホールの多いジャングルコース(OUT)の中で、注目はパー5の8番ホール(514yd)です。ティイングエリアに立つと、まず「どこに打っていくんだ?」と狙い所に迷います。
グリーンもどこにあるのか分かりづらく、途中には深い谷が見えます。まさにジャングルの中で道に迷ったような感覚に。ただ、この正解が分からない“秘境感”はどこかワクワクしてくるもの。実際に「このホールを楽しみにされている方は多い」(比嘉支配人)と言うほどで、アウトコースのハイライトとなるホールです。
何より難しいのはティショット。ホールレイアウトをチェックすると分かりますが、白ティからだと250yd地点のあたりにちょうど谷があります。刻みたいところですが、手前に刻みすぎると次打の谷越えの距離が残ってしまうので、谷のギリギリまで攻めたい。上手く谷の手前まで運んだとしても、「よっぽどの飛距離自慢じゃない限り2オンは難しいと思います」(同支配人)。
たいていは谷越えのレイアップを選択するそうですが、そちらも一筋縄ではいきません。「越えるのに100ydちょっとしかないんですが、2打目地点のフェアウェイがうねっていてライが難しい。力んじゃう方も多いんです」
1打目、2打目が上手く成功してほっと一息つけたとしても、3打目も難しい。グリーンが横長でタテ幅が狭いので、狙いドコロがとてもシビアなんです。ここはバーディを狙いに行かず、パーで乗り切る気持ちで。それでもバーディぐらいの価値があると思いますよ。
17番のパー3は乗らなくてもOK
インコースの目玉は何といっても17番のパー3。白ティでだいたい155yd。下の段と上の段のティイングランドを使い分けていて、下の段だと谷越え、上の段だと打ち下ろしになります。
どちらも簡単ではありません。大浦湾に面したホールは風の影響を受けやすく、風向きも変わりやすいので番手のジャッジも難しい。
「グリーンが縦長で傾斜があるので、上下ピンポジによってもだいぶ狙いが変わってきます。特に上のピンになると難度が上がり、なかなか寄せるのもままなりません。花道狙いで乗らなくてもOKという気持ちでいいと思います。グリーン周りはグルっと一周バンカーに囲われていて、特に奥のバンカーに入れるとやっかい。上のピンだった場合、上級者でも寄せるのは難しいです」
比嘉支配人のそんな話を聞きながら、プレーしているお客さんのティショットを観察。取材した日は上段のティを使っていて、3組10人のショットを見ましたが、うまく乗せた人は2人のみ。縦距離の計算も難しいし、横幅も狭いから、ここは本当にパーならオッケー。なかなかどうして、まったく気を緩められないさー。
名物ホールの13番 狙いドコロは“名護”
インコースでもう一つ印象に残るホールが、13番のパー3です。橋を越えた先のフェアウェイからグリーンまでが本島の形をしているんです。グリーンの位置はちょうどカヌチャのある県北。ティイングエリアから写真を撮ると、とっても“映え”ます。
このホール、見た目の楽しさだけじゃないんです。グリーンが難しい。「多少受けているんですけど、球が止まらず抜けていくことが多いんです。奥にはバンカーもあり、入れるとやっかい。距離は130ydと長くないですが、グリーン手前側にピンポイントで落とさないとこぼれてしまいます」と比嘉支配人。狙いドコロは「手前にキレイに落としたい。ピン位置にもよりますが、名護とか恩納村のあたり(グリーン手前左側)に落としておけば間違いない」とのこと。打つ前に、まずは名護の位置をグーグルMAPで確認したらいいさー。
マコGメンの「これは伝えたい!」ゴルフ場のプチ情報
・カヌチャの名物は本格的中華を味わえるレストラン広東名菜「龍宮」。そのためだけにコースに来るお客さんもいるとか。専任の料理長が振る舞う周富徳のレストランは、野菜やおかずがボリューミー。セットメニュー注文の方はデザートがバイキング方式。デザートの黒蜜杏仁は特に人気で過去にTV番組の「食わず嫌い王決定戦」で紹介されたことも。
・ホテルは様々なタイプの客室が約300。アクティビティプランやリラクゼーションプランなどもあり、「カヌチャリアンリゾートオフィス」では、リゾートを満喫しながら仕事ができるワーケーションも。
・リゾートアミューズメントラウンジ「LUPiNUS」には、シミュレーションゴルフがありカヌチャゴルフコースのデータも装備。ラウンド前の練習やラウンド後の振り返りなどに。
・スタート時間は 午前(7:00~8:45)、午後(11:32~13:24)の二部制(シーズンによって多少の前後あり)。すべてスループレー。
・レンタルクラブも多数。<メンズ>PING G430/callaway PARADYM/テーラーメイド STEALTH/BRIGESTONE tour B<レディース>callaway/PINGレンタルクラブ&シューズ:宿泊者¥3,500(税込)/ビジター¥6,600(税込)
さあ、プレーしてみたくなったかな?コース情報はこちらをCheck!
・18ホール パー72/6946yd(OUT・IN)/コースレート71.2
・設計者:アガサリゾートデザイン
・練習場無し/リモコン乗用カート
・グリーン:1グリーン/コーライ/平均スピード8ft
・フェアウェイ芝:コーライ ラフ芝:野芝
・バンカー数:48
・アクセス:沖縄自動車道 宜野座IC 20km
・住所:沖縄県名護市字安部156-2/TEL:0570-01-8880
GDO予約総合評価★★★★4.0