「モンスターコースがプチ改造でさらに難度UP」富士桜カントリー倶楽部/ゴルフ場Gメンが行く#9

「モンスターコースがさらに難度UPしたぞ」富士桜カントリー倶楽部/ゴルフ場Gメンが行く#9
6番のティショット。奥には雲にかかった霊峰・富士の姿

全国に散らばるゴルフ場営業のスペシャリスト、通称「ゴルフ場Gメン」(GGM)たちによる恒例企画。全国各地のゴルフ場に潜入し、コース攻略のポイントやグリーンの特徴、ラウンドに必要なマル秘情報を徹底調査する。その詳細なレポートを、ラウンド前の予習に、もしくは予約のきっかけに役立てて欲しい。第9回目はフジサンケイクラシック開催コースで有名な「富士桜カントリー倶楽部」(調査Gメン/大G)。

グリーン手前に池。どんだけ難しくするの…

「モンスターコースがさらに難度UPしたぞ」富士桜カントリー倶楽部/ゴルフ場Gメンが行く#9
8月でも比較的快適にプレーができる

こんちゃー。山梨担当の大Gです。いやぁ、暑い日が続きますね。この時期は涼しいところでプレーしたいもの。そうは言っても今や北海道でも暑いですからね。となると少し標高の高いところがおススメじゃないですか?ということで、今回紹介したいのは、河口湖のほとりにある富士桜カントリー倶楽部です。標高は約1000m、夏の平均気温は23度と快適にプレーすることができます。この時期は、河口湖周辺のゴルフ場はにぎわっていますよ。

ご存じの通り、トーナメントコースということで人気もあります。毎年8月終わりから9月頭にかけて開催される「フジサンケイクラシック」の会場であり、プロもうなるモンスターコースとして知られていますよね。ことしは開催が危ぶまれていましたが、ロピアさんがスポンサーについて、無事に9月4日から4日間の開催が決まりました。今からワクワクしてきますよね。

富士桜はコースをよく知っている方も多いと思うので、今回の調査報告は最近の改造ポイントを中心にお届けできればと思います。年々マイナーチェンジを繰り返し、近年でいえば、3番パー5、5番パー5、7番パー3、11番パー4、15番パー5、18番パー4などが変わりました。頻繁にコース改造を行うので、回るたびに違った楽しみを味わうことができます。

「モンスターコースがさらに難度UPしたぞ」富士桜カントリー倶楽部/ゴルフ場Gメンが行く#9
8番ティわきにある標高1060mの看板

富士桜の特徴の一つは、距離の長さ。レギュラーティで6500yd近く、バックで7000yd弱。トーナメントティは7645ydにも及びます。プレーをしていると、プロのティは遥か後ろ。彼らの凄さを肌で感じるはずです。

さらにもう一つの特徴は、グリーンの難しさ。はっきり言います。キャディさんがいないと、ラインが分かりません。フックがスライスに見えたり、上り下りも分からない時がある。それだけ読みづらいので3パット、4パット必至。2打目でいかにいいラインにつけるかが、勝負の分かれ目になると思います。

洋芝のフェアウェイは慣れていないと難しいですが、ナイスショットが打てた時にはターフががっつりととれて、とっても気持ちいいですよ。まさに今がハイシーズンの富士桜を、楽しんでいってください。

11番ホールがまるで別モノに

「モンスターコースがさらに難度UPしたぞ」富士桜カントリー倶楽部/ゴルフ場Gメンが行く#9
11番の2打目地点右サイドからの景色。グリーン右手前に池が…

まずピックアップしたいホールは、11番パー4です。11番と聞いて「あぁ、あの2打目から打ち下ろしのところね」となる方は、富士桜通。ティショットはその傾斜手前にレイアップする方が多く、2打目はだいたい200ヤード近くの打ち下ろしになります。グリーン周りのバンカーが効いている上に、せり出した木がブラインドになりとても難しい。ティショットが左にいった日には、木が邪魔で打てないケースも多いですし、飛びすぎると極端な左足下がりから打たされることになります。

その11番ホールのグリーン周りに変化があり、2打目の難度がさらに増しました。グリーン右手前に池と、池の縁にビーチバンカーができたんです。池は、やや右に曲がった縦長グリーンに沿うように広がっており、右奥ピンなどは非常に狙いづらくなりました。

「モンスターコースがさらに難度UPしたぞ」富士桜カントリー倶楽部/ゴルフ場Gメンが行く#9
11番のグリーン左サイドからの景色

これまではティショットをフェアウェイ右サイドに置いて、右から攻める右ルートが推奨されていましたが、池越えになりました。かといって、左からだと相変わらずグリーンは広く使えないので、難しさは変わりません。「いったいティショットをどこに置けばいいんだ」ってなりそうですよね。

現状、11番はハンディキャップ2。ただでさえ難しいホールだったのが、果たしてこのマイナーチェンジ後にどうなるのか…。一つ言えるのは、ティショットを曲げたら、迷わず3打目勝負に切り替えたほうがいいということ。パーを取れたらバーディ並みの価値があります。だってグリーンに乗ってからも難しいんですもの。トーナメントでプロがどのように攻めるのか、非常に見ものですね。

富士桜は上がり3ホールがムズい

「モンスターコースがさらに難度UPしたぞ」富士桜カントリー倶楽部/ゴルフ場Gメンが行く#9
7番ホールは池に向かって傾斜している

富士桜は全ホール特徴があるので、一度回ったら印象に残りやすいはず。それだけ戦略性が高いコースとも言えます。中でも難しいのは上がり3ホール。特に今回感じたのは、アウトコースの上がり3ホールが難しいということ。もちろんインコースの上がり3ホールも難しいですが、7、8、9番のほうが“イヤらしい”と思います。実際、トーナメントでは2023年からアウトとインを入れ替えて試合を行っているほど。アウトの上がりはドラマが生まれやすいんですね。

7番パー3は距離は短いですが、グリーンが左サイドの池に向かって傾斜していて、そちらに吸い込まれやすい。グリーン右サイドのバンカーからは、もうビビッてまともに打てません。グリーンに乗るだけでオッケー、右手前の花道に刻む選択肢すらアリだと思いますよ。ここはショートアイアンで引っかけて池ポチャ、なんてケースが多いようです。

さらに難度を上げているのが標高です。7番と8番の間が、コースで一番標高が高く、8番ティ横には1060mの道標があるほど(写真撮影おすすめ)。普段より飛びますから、番手のジャッジが非常に難しい。7番に限っては、オナーじゃないほうがいいですね。

「モンスターコースがプチ改造でさらに難度UP」富士桜カントリー倶楽部/ゴルフ場Gメンが行く#9
8番の白ティからの景色。フェアウェイに収めるのは難しい

私がいちばん難しいと思ったのが8番ホールパー4。ティイングエリアが左側にあり、豪快な打ち下ろし、かつフェアウェイに向かって対角に打っていくようなイメージです(トーナメントティはフェアウェイと正対)。真っすぐ打つと、右の林へ突き抜け、フェアウェイ方向に打つには、非常にターゲットが狭い(左サイドも浅い)。つまりティショットがかなり難しいんです。

ナイスショットを打っても、右に構えている3つのバンカーのどれかに入りやすい。そして2打目はだいぶ打ち上げになり、グリーン面が見えず、距離感が難しい。ガードバンカーもアゴが高く、グリーンを狙いにくい。ここもティショットがフェアウェイに行かなかったら、無理せず3打目勝負が賢明でしょう。

「モンスターコースがさらに難度UPしたぞ」富士桜カントリー倶楽部/ゴルフ場Gメンが行く#9
8番の2打目地点のバンカー。アゴが高い

9番パー4は、距離は長くありませんが、非常に戦略性の高いホール。フェアウェイが狭く、やや右ドッグレッグしていて、ティショットを刻む人は多い。2打目は広いグリーンに向かって池越え。ピン位置によって、ホールの雰囲気がガラッと変わるので、ティイングエリアでピンの位置を見て、逆算してティショットから戦略を立てていきたいところです。2打目をいかにいいアングルで打てるかが、勝負の分かれ目になると思います。

アウト上がり3ホールをトータル2オーバーほどで乗り切れたら、後半に向けて弾みがつくと思いますよ。ちなみに8番はハンディキャップ1です。やはりというか何というか。みなさん手こずるホールなんですね。

富士桜はグリーンがマジムズです

「モンスターコースがさらに難度UPしたぞ」富士桜カントリー倶楽部/ゴルフ場Gメンが行く#9
パッと見の傾斜と転がりが逆のケースも

富士桜の名物の一つ、グリーンについても触れないといけません。まあ、とにかく傾斜が読めません。富士山周辺のゴルフ場は、「富士山からの目」がいつも話題になりますが、富士桜に関しては別で、キャディさんも「目はありません」と言い切ります。富士山の場所は気にせず、キャディさんのアドバイスを気にしましょう。毎ホール、グリーン上では必ずキャディさんにラインを聞いたほうが賢明です。

私はスタートホールから、難グリーンの洗礼を受けました。読んでいたラインと逆の方向にボールが転がっていったんです。「えっ!?そっちいく?」ってもう初っ端からパニックになりました。グリーンに乗せるまでも大変なのに、さらに乗ってからこの難しさ。ほんとイヤになっちゃいます。アプローチも思っていた傾斜と逆のケースがあるので、グリーン周りもキャディさんを頼ってください。

「モンスターコースがさらに難度UPしたぞ」富士桜カントリー倶楽部/ゴルフ場Gメンが行く#9
4番パー3の景色。グリーンは左サイドが高い

ひとつ驚いたのが、4番パー3。右奥に向かって斜めに広がるグリーン。ティイングエリアからはグリーン右サイドが高く見えるのに、実際は左サイドのほうが高く、左から右奥に向かって下り傾斜になります。つまり左側につけると下りのパットが残ってしまう。キャディさんに「左の方が高いですよ」とアドバイスされても、見た目とのギャップがあるので、なかなか初回では信じて打てないです。左ピンであれば、グリーンセンターに乗せて、上りのパットを打ったほうがいい。目の錯覚に惑わされずにしっかり打てるかが大事になってきます。

何ホールか回ってくると、「このコースはキャディさんの忠告に従って打つのが無難だな」と気づくはずです。言われた通り打てるかどうかの技術は、また別物だっけどよ(山梨弁で、「ですけどね」)。

大Gメンの「これは伝えたい!」ゴルフ場のプチ情報

「モンスターコースがさらに難度UPしたぞ」富士桜カントリー倶楽部/ゴルフ場Gメンが行く#9
“わらじターフ”がとれる

・練習場、打っていく方向に雄大な富士の姿
・6番ティイングエリア前の池から逆さ富士が撮れる。16番グリーンそばにある池でも逆さ富士が撮影できる、隠れ名物ホール。
・モーニングの利用率が8割超。朝食を楽しみに来るお客さんは多い。

「モンスターコースがさらに難度UPしたぞ」富士桜カントリー倶楽部/ゴルフ場Gメンが行く#9
グランドメニューのスパイシーチキンカレー

・レストランの名物は富士桜ポークを使った「カツカレー」や、バラエティに富む「富士桜膳」
・お土産に自社製の「富士桜高原ビール」がおススメ。「ふじさん万福しゅうまい」も◎
・親会社である富士桜観光開発が運営する「FCふじざくら山梨」(プレナスなでしこリーグ2部)のサッカー選手が、従業員として働いている。フロントで出遭える!?

さあ、プレーしてみたくなったかな?コース情報はこちらをCheck!

富士桜カントリー倶楽部
・18ホール パー72/7645yd(OUT・IN)/コースレート77.0
・設計者:志村和也
・練習場20打席 260yd/乗用カート
・グリーン:1グリーン/ニューベント/平均スピード10ft*9~11月の晴天時
・フェアウェイ芝:ベント
・バンカー数:100 池が絡むホール数:4
・アクセス:中央自動車道 河口湖IC 6km
・住所:山梨県南都留郡富士河口湖町小立7187-4/TEL:0555-73-2211
GDO予約総合評価★★★★4.3

「モンスターコースがプチ改造でさらに難度UP」富士桜カントリー倶楽部/ゴルフ場Gメンが行く#9
この記事の画像をすべて見る
広告の後にも続きます

アクセスランキング

  • 総合
  • ツアー
  • レッスン
  • ギア情報

SPECIALコンテンツPR

特集記事PR

こちらもおすすめ

GDOサービス

GDOのサービス