「ワッツもいいがユニも好き!」札幌ゴルフ倶楽部由仁コース/ゴルフ場Gメンが行く#8

「ワッツもいいがユニも好き!」札幌ゴルフ倶楽部由仁コース/ゴルフ場Gメンが行く#8
13番のショートホールは谷越えが楽しめる

全国に散らばるゴルフ場営業のスペシャリスト、通称「ゴルフ場Gメン」(GGM)たちによる恒例企画。全国各地のゴルフ場に潜入し、コース攻略のポイントやグリーンの特徴、ラウンドに必要なマル秘情報を徹底調査する。その詳細なレポートを、ラウンド前の予習に、もしくは予約のきっかけに役立てて欲しい。第8回目は道民ゴルファー御用達「札幌ゴルフ倶楽部由仁コース」(調査Gメン/カナG)。

輪厚は有名ですが、由仁も負けず劣らず…

「ワッツもいいがユニも好き!」札幌ゴルフ倶楽部由仁コース/ゴルフ場Gメンが行く#8
北海道のトップシーズンが到来だ

こんにちは。北海道担当のカナGメンです。北海道には数多くの紹介したいゴルフ場がありますが、その中でも最初に調査したのは「札幌ゴルフ倶楽部由仁コース」です。同倶楽部はANAオープンを毎年開催する「輪厚コース」がよく知られていますが、敢えて私は「由仁」を選びました。それだけ、皆さんにも回ってもらいたい、おすすめポイントがいっぱいあるコースなんです。

設計は輪厚と同じ井上誠一氏。初心者にはやさしい一方で、上級者には難度の高いデザインとなっています。フェアウェイは広いですが、ショートカットをしようとすると木が邪魔になる。ひとたび曲げるとパーオンは難しく、コース攻略を考えさせるホールが多い印象です。もちろん井上氏の設計らしく「曲線を多用した造形美」があり、フェアウェイとラフの境目やバンカーの曲線など、まさにその美しさを演出しています。

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曲線を多用した「造形美」が楽しめる

輪厚に比べると、ティショットは幾分か楽かもしれません。輪厚のような木々に囲まれたレイアウトというよりは、解放感があり、北海道の広い空を感じられます。見た目もゆったりとしていて、ティショットのプレッシャーは少ないはず。ですが、グリーンに近づくにつれて難度が増していきます。特にグリーン周りの難しさは輪厚以上。2打目でグリーンをキャッチできないと、実に難しいアプローチが残ります。

また、井上氏の設計らしく、バンカーの数も多い。ある程度距離が出せる人は、ティショットを曲げるとちょうどクロスバンカーに入りやすい設計になっています。しかもいずれもアゴが高め。いずれにしても、自分の技術が試されるコースであり、回り甲斐があるのでワクワクしてきますよね。

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カートの乗り入れも可なのでプレーはスムーズ

カートの乗り入れも自由で、18ホール快適にラウンドすることができます(プレーの進行も早い)。練習場は250yd近くあり、しかも芝から打てます。アプローチ練習場も充実しているので、絶対に練習して帰ったほうがいい。札幌市内や千歳空港からのアクセスも良く、料金も手ごろ(輪厚の半額もしくはそれ以下で回れます)。

札幌ゴルフ倶楽部のメンバーさんは、「由仁のほうが好き」という方も多いようですよ。北海道を訪れたらまず“由仁”に来ればいいべさ(北海道弁)。

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1番ホールのグリーン周り。メンテナンスはバッチリ

8番ホールはプロが5パットしたことも

さて、コースを見ていきましょうか。

アウトホールの目玉は8番ホール。370ydのパー4と、その数字だけ見ると難しくは感じないと思いますが、ティイングエリアに立つとその“やっかいさ”が分かります。グリーンに向かってずーっと打ち上げていく。しかも2打目は砲台でグリーン面が見えないので、パーオンするのがなかなか難しい。手前からのアプローチですら、カップが見えませんからね。

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8番ホールのグリーン周り。アプローチでも面が見えない

番手を上げて攻めたいところですが、人によってはユーティリティやウッドを使わざるを得ません。そうなると打ち過ぎてオーバーもあり、もう絶対に寄らない下りのアプローチが待ちかまえています。

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8番グリーンは手前(画面右)から奥への傾斜がキツイ!

うまくグリーンに乗せられたとしても、奥から手前に向かってすごく速い。グリーンのスピードは平均で10.5ftと比較的速く、さらに傾斜が強い。しっかりと手前につけて、なんとか2パットで上がれれば御の字ですが、気を付けないと3パット、4パットはザラ。かつてANAオープンを由仁でやったことがあるのですが(1987、1988、1993年の3回)、プロがこのホールで5パットしたという逸話があるほど。ここのパーはバーディ並みの価値がありますよ。

ツイングリーンの特徴が出た16番

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16番ホールのティイングエリアからの景色

由仁は2グリーン制を採用しています。井上誠一氏はワングリーンを好んでいたのですが、コース側の要望でツイングリーンとなりました。ここには輪厚との関係もあります。輪厚は1グリーン、トーナメントでスピードを出すことを優先しているため、普段なかなかフィート数を出すことはできません。10ft以上のスピードを出すために、一時的にサブグリーンを使用しなければならない経験もありました。

そのような運用を避けるためにも、「由仁は2グリーンに」という声が多く上がったんです。ABグリーンを1~2週間ずつ交代で使用してメンテナンスに注力しているため、常に10ft以上を保つことができます。由仁のグリーンはメンバーさんからのウケもいいんですよ。

もちろんグリーンのスピードだけでなく、AとBでコース攻略もガラッと変わり、まさにまったく違うコースに変貌します。その特徴が出ているのが16番ホール。389ydのパー4ですが、AもBも両サイドにバンカーが散りばめられていて、左右のミスに対してかなりシビア。右グリーンの場合は右のOBが浅く、ただし逃げると左のバンカーにつかまる。一方で左グリーン場合は左の池が気になってくる上、グリーン左右のバンカーもきいている。ここでパーオンするのはなかなかどうして…、難しいです。安全に行くなら花道狙いで、アプローチ勝負という戦略も視野に入れたほうがいい。

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16番のグリーン。バンカー右がB、奥に見えるのがA

2打目がシビアなので、ティショットもグリーンの位置、そしてピン位置を確認して、そこから逆算してフェアウェイの左右いい位置に置きたい。ただし、こちらも池越えのティショットで、なおかつクロスバンカーもあり、ショット力が試される。AとBでティショットの攻め方も変わってくるので、ティイングエリアでグリーンのピン位置をチェックしてから打っている人を見ると、「あぁ、コースをよく分かっているな」となります。

ちなみに、過去に設置していたティイングエリアはもっと左側にありました。そこから右に打ち出すプレーヤーが続出して、ティの位置を右側に変えて左に打たせるようにしたんです。結果、強制的に池越えになり、プレッシャーはより増しました。ティショットからグリーン上まで気の抜けない、まさにインコースのハイライトホールになります。

距離の長い最終ホールはティショット勝負

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Aグリーン(左)だと、左の戦略木が邪魔になる

もうひとつ印象に残ったホールがあります。それは18番のパー4。ここはANAオープンのトーナメント時と同じティが採用されています。つまり距離が長い(レギュラーティで448yd)。さらにやや左ドッグレッグしていて、グリーンに応じて、フェアウェイの左右に打ち分けなければいけません。ですが、2打目地点はかなり狭く、ティショットを少しでも曲げたら、もう3オン狙いに切り替えたほうがいい。うまくフェアウェイに置けたとしても、230yd近く残りますから、パーオンはかなり難しい。さらに左グリーンの場合、フェアウェイ左サイドにある戦略木も利いてくるので、ティショットは右フェアウェイに置くのが鉄則です。

グリーン周りも多くのバンカーで囲まれていて、3オン狙いもプレッシャーがかかります。最終ホールでなんとかスコアをキープしたい。攻めるのか、守るのか。まさにそんな自分との戦いが各打求められる、痺れる18番です。さあ、最後までスコア、守れるっしょや?

カナGメンの「これは伝えたい!」ゴルフ場のプチ情報

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調査日はAグリーンだった

・夏は南風、秋は北風が吹き、シーズンによって戦略が変わってきます。
・バンカーの砂質は少し硬め。当日雨上がりだったため、晴天時は異なる可能性もあるが、あまり砂が拾えない気がしました。
・ラフの刈り込みをしているため、フェアウェイとラフの境目が分からないぐらいボールの浮き方がほぼ同じ→初心者の方も回りやすいと思います。

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長沼かねひろジンギスカン
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由仁ラーメンは輪厚ラーメンと共に会員に親しまれている

・練習場は250ydと長め。芝から打つこともでき、メンバーさんから好評。アプローチ練習場もあり
・レストランの名物は「由仁ラーメン」。オリジナル特製味噌に胡麻の風味を合わせた、コクと香ばしさが際立つスープです。
・「長沼かねひろジンギスカン」の食べ放題プランもあります。

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18番の3打目。気持ちよく振り切れた
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練習グリーンは大きい。ロングパットをやっておきたい
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12番のバンカーから。グリーンは小さい
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3番のグリーン周り。基本的に砲台が多い

さあ、プレーしてみたくなったかな?コース情報はこちらをCheck!

札幌ゴルフ倶楽部由仁コース

・18ホール パー72/7031yd(OUT・IN)/コースレート74.2(Aグリーン)
・設計者:井上誠一
・練習場20打席 250yd/乗用カート(乗り入れ可)
・グリーン:2グリーン/ベント/平均スピード10ft*9~11月の晴天時
・フェアウェイ芝:ベント(ペンクロス)
・バンカー数:99 池が絡むホール数:5
・アクセス:道東自動車道 追分町IC 13km
・住所:北海道夕張郡由仁町光栄588/TEL:0123-83-2777

GDO予約総合評価★★★★★4.8

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