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正しく座って腰痛予防 飛距離アップにも役立つイスの活用術
みなさんは、普段どんなことを意識してイスに座っていますか? 何気なく座っているかもしれないそのイスが、実は腰痛の予防やゴルフの上達につながるツールにもなるのです。
腰痛を防ぐ上でもっとも大事なのは、座骨を真っすぐにして座ることです。電車などで骨盤を後傾させて座っている方をよく目にします。座席の柔らかさや座面の角度によって無意識に後傾している場合があるので注意が必要です。逆に座骨を真っすぐに立てようとして、骨盤を前傾させすぎてしまうこともあるので気をつけてください。
座り方の基本として意識するのは頭の位置です。前に傾きすぎると猫背、のけぞるように後ろに傾くと反り腰になりやすいことが理由です。両方とも首、肩、背中、腰に余計な負担をかけるため、頭の位置はなるべく腰、背骨、首を一直線にした真上にくるようにします。
姿勢を映せる鏡や窓があればチェックしやすいのですが、周囲にないときは、頭頂部を天井から1~2センチ引っ張られているようなイメージで頭を少し上げてみましょう。首の真上に頭をセットしやすくなります。
頭頂部が真上に引っ張られる感覚がわかりにくい場合は、髪の毛をつまみ、真上に少し引き上げてみると、骨盤の向きも整えやすくなります。頭の位置だけでそんなに変わるの?と思う方はいるかもしれませんが、頭の重さは体重の約10%。ボーリングの一番重いボールが細い首の上に乗っていると思うと、真実味が湧いてきませんか?
次に、イスに座りながら飛距離アップにも役立つ、下半身に体重を乗せるコツをつかむための方法をご紹介します。イスはひじ置きがなく、座面は硬めで水平、強度がしっかりしたものを選んでください。背もたれに触れないように浅めに腰を掛け、両足はしっかり地面に着けます。両手は太ももの上に置いた状態で、頭を左右へ水平に動かしてみてください。
首は少し曲がっても構いません。右に動かすと右腰、左に動かすと左腰に体重が乗ります。これは、アプローチショットの際に腰や下半身に体重を乗せる感覚と重なります。次に、頭を両肩の外側に出るくらいまで大きく水平に動かします。頭を動かした逆側の腰が少し浮いても構いません。ゆっくり動かすとクォータースイング、早く動かすとフルスイングに。これらもスイング幅にあわせた腰や下半身への体重の乗せ方と同じなのです。
ほとんどのアマチュアゴルファーは指や腕に力が入り、上半身主体の動きになりがちです。イスに座った状態で頭を動かすことで、下半身に体重を乗せる感覚をつかみやすくなり、下半身主体のスイングを身に付けることができます。手打ちや力みに悩んでいる方は休憩時間にでも実践し、イスを活用してスイングのアップデートに役立ててください。(平井孝幸・健康経営アドバイザー)
平井孝幸(ひらい・たかゆき) プロフィール
株式会社イブキ代表。東京大学医学部附属病院22世紀医療センター 研究員。15歳でゴルフを始め、3カ月で「75」で回る。慶應義塾大学卒業後、ゴルフ事業で起業。2011年にIT企業に入社。15年から働く人の健康×パフォーマンスアップサポートを開始。19年に所属する企業が経済産業省と東京証券取引所から評価され、健康経営銘柄を獲得。近著に「仕事で成果を出し続ける人が最高のコンディションを毎日維持するためにしていること」
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