Lesson.7 骨盤を回すための前傾姿勢
骨盤を旋回できていますか?
いよいよ、中井学の「フラれるゴルフ」の一つの極意ともいえる、骨盤の旋回について詳説していきます!骨盤を正しく旋回することが起点となって、腰椎、胸椎など上体の各骨格が回転し、さらに前傾姿勢に従って、腕が勝手に上がって下り、体にフラれるままに腕が動くのです。
前回は、体を貫くようなスイング軸を意識してしまうことで、スイングが乱れてしまうお話をいたしました。こうしたスイングでは膝だけで回転してしまう上に、もう一つ見逃せない欠点を生みます。それは骨盤がまったく旋回しないということです。骨盤が旋回しない原因は、前傾姿勢の作り方に問題があるからです。
骨盤が旋回しない前傾姿勢とは?
多くのアマチュアが、腕がフラれるスイングをできない原因は、スイングの起点となる骨盤が旋回していないからです。もっと原因を掘り下げると、骨盤が自然に旋回するための前傾姿勢が正しくできていないんですね。
前傾姿勢のもっとも典型的な悪例は、写真のように骨盤が起きたまま、背中を丸めて前傾姿勢を作ってしまうケースです。そうすると、骨盤が回転しないので、前回お話しした誤ったスイング軸のケースと同様に、膝で体を回そうとします。こうしたスイングでは、前傾姿勢の角度に従って、腕が自然に「上がって下りる」ことができず、どうしても腕を積極的に使って上げて下ろさなくてはなりません。
結局は逆体重のスイングに陥ります
骨盤が起きたまま、膝だけでスイングしていても、骨盤も回るじゃないかという反論があるかもしれません。しかし、回っているのは膝であって、その上にある骨盤や上体は、いっしょになって動いているに過ぎません。
膝だけが回っていると、骨盤は旋回せず上体の捻じれも生まれません。従って、トップの姿勢を保ってもキツく感じないはずです。膝だけで回転を作ると、トップでは左足に体重が残り、フォローで右足に乗る形になり、結局は逆体重のスイングに陥っていきます。一番に見直すべきは、前傾姿勢の作り方です。
骨盤を前傾させる姿勢の作り方
まず、真っ直ぐに立ってベルトの両サイドに手を添えましょう。そして、ベルトを真下に押し付ける感じで、膝を曲げていきます。さらに、膝を曲げながら、同時に骨盤が下を向くように前傾させていきます。ベルトを真下に押し付けながら「ごめんなさい」で、前傾姿勢の出来上がり。
ポイントは、ベルトを真下に押し付けることです。真下に力を加えながら腰を落とすことで、骨盤が自然に前傾していきます。真下に力をかけずに腰を落とすと、膝が前方に出たり、猫背によって前傾姿勢を作るような形になってしまいます。
足の付け根から先に曲げる方法もありますが・・・
もう一つ、よく言われる前傾姿勢の作り方として、足の付け根にシャフトをあてがい、まず膝を曲げずに骨盤を倒し、最後に膝を曲げるという方法もあります。最終的には同じ形になりますが、中井学流ではあまりオススメいたしません。
というのも、最終的な形は同じでも少し力感が違うからです。太ももの裏側に余計な緊張が生まれ、腰椎を圧迫する形になるので腰を痛める可能性もあります。ベルトを真下に押し付ける「ごめんなさい」方式では、太ももや腰に余計なテンションがかからず、誰でも無理なく前傾姿勢が作れるはずです。
前傾した骨盤をどう旋回させるのか?
「ごめんなさい」方式で、正しく骨盤が旋回する準備は完了。じゃあ、そこからどのように骨盤を旋回させたらいいの?という質問がでてきそうですね。結論から言うと、骨盤は旋回させようとしなくても、腰を左右に動かすだけで回るようになります。
私のスイングの感覚では、テークバックで右に、ダウンスイングで左にと、ただ単純に腰を左右に動かしているだけなんです。左右に腰がスウェーしそうなイメージですが、実際は違います。骨盤が正しく前傾していることによって、腰を右にスライドすれば、骨盤が自然に右に旋回し、左にスライドすれば左に旋回します。ですから、中井学流のフラれるゴルフを体得すれば、スイングはただ腰を左右に動かすだけと、ものすごくシンプルになるのです!
【動画】Lesson.7 体を回転させるための骨盤前傾
正しい前傾方法を身につけて、骨盤から旋回しましょう!