安全だけど意外な落とし穴! ヒールを上げてパターみたいに打つあのアプローチの注意点 山下美樹
「薄芝対策のアプローチが思うように成功しない人」をレスキュー♪
【アマチュアゴルファーYさんの悩み】
「冬ゴルフで気を付けているのが、芝の薄いグリーン周りでのアプローチです。対策としてヒールを浮かせて構えて打っていますが、それでもピンに寄る確率が上がらない…。何か見落としている点があるのでしょうか?」
【山下美樹のレスキュー回答】
ヒールを浮かせて構える打ち方は、薄芝対策としてザックリやダフリといったミスを抑えるのに非常に効果的です。ただ、通常のアプローチの打ち方とは異なるため、いくつか注意点も発生します。今回はヒールを浮かせて構えて打つアプローチショットの成功率を、さらに上げるためのポイントをお教えします。
1. 立ち位置&手元の位置に注意!
ヒールを浮かせて構えることばかりに集中してしまうと、アドレスでの足元や手元の位置への意識が散漫になってしまいがちです。ヒールを浮かせると、軌道はアップライトになるため、その分ボールの近くに立つことを忘れないでください。クラブはパッティング時と同じくらい短く握り、通常時よりハンドアップになるのが正解です。
2. 飛距離はいつもより落ちる
アップライトにヘッドが動くと、インパクトではフェースのトウ側に当たりやすくなります。芯を外して当たりやすい分、飛距離は出にくくなります。いつものアプローチの距離感よりややオーバー気味に設定してください。高さも抑えめに飛び出るため、キャリーよりランを長くした配分で想定しましょう。ピッチエンドラン5:5で臨む状況でも、3:7、もしくは2:8の転がしに近い感覚でOKです。
3. 手首は必ず固定したまま
ハンドアップに構えているため、そもそも手首はいつも以上に使いにくくなっています。通常のアプローチ感覚で振ると微小でも手首の動きが邪魔をして、クラブが自然に下りてくるスペースを確保できません。スイングではパッティングの要領で手首をしっかり固定し、両肩の動きを意識してください。手首の意識はほぼゼロ。上体の回転のみでボールを転がしていきましょう。
【今回のまとめ】安全をより安全に♪
・立ち位置&手元の位置に注意!
・飛距離はいつもより落ちる。
・手首は必ず固定したまま。
取材協力/日本ラインゴルフ倶楽部
山下美樹(やました・みき) プロフィール
1993年生まれ、愛知県出身。坂田塾でゴルフの腕を磨き、「日本女子学生ゴルフ選手権競技」「関西女子学生ゴルフ選手権」を制す。2018年からステップ・アップ・ツアーに参戦。23年には台湾のTLPGAツアーを主戦場としてシード権を獲得。得意クラブはウッド全般。YouTubeチャンネル「ミキティゴルフチャンネル」で注目度アップ。趣味は海釣り。