カン違いだらけのゴルフルール

ティショットがラフにくい込んだ 「救済」でいいんだっけ?/ルールQ&A

2024/09/30 11:00

夜からの雨は上がったが、あたり一面水浸し。そんな中、高く上がったティショットがラフに一直線。ぬかるんだ地面にズッポリ埋まって打てない。地面にくい込んだボールはラフでも救済されたっけ?

ラフの救済ってダメじゃなかったっけ…

■1
ラフで埋まったボールに救済はない。そのままプレー。

■2
ラフで埋まったボールに救済はない。1罰打で1クラブ以内にプレースできる。

■3
ラフで埋まったボールは罰なしで救済される。1クラブ以内にドロップできる。

旧ルールでは飛んできたボールが落下してぬかるんだ地面にくい込んだ場合の救済は、フェアウェイまたはフェアウェイ並みに短く刈り込んだ芝のみに限定されていました。いわゆる「ラフ」で埋まったボールに救済はありませんでした。

2019年のルール改正で、ジェネラルエリア内で地面にくい込んだボールはフェアウェイ、ラフの区別なくすべて救済されることに。ただし次の2条件を満たさなければなりません(規則16.3a、3b)。
1.救済されるボールは、ストロークの結果、空中を飛んで自らの作った穴=ピッチマークの中にあること。
2.ボールの一部が地表面より下にあること。転がって誰かのボールの穴に入ったとか、ボールを踏んづけたはNG。

◇◇◇◇

正解は「3」

救済方法は、ピッチマーク直後を基点として、その後方1クラブレングス以内にドロップしてプレーできます。(ルール解説&イラスト/小山混)

<ゴルフ規則>(抜粋)
*規則16.3a
救済が認められる場合
(1) 球はジェネラルエリアにくい込んでいなければならない。
プレーヤーの球は次の要件を満たした場合にだけ地面にくい込んでいることになる:
・そのプレーヤーの直前のストロークの結果作られた自らのピッチマークの中にある。
・球の一部が地表面以下にある。
球が自らのピッチマークの中にあるのか、別の球によって作られたピッチマークの中にあるのかどうかプレーヤーがはっきりと分からない場合、入手できる情報からその球は自らのピッチマークの中にあると結論づけることが合理的である場合には、その球は地面にくい込んでいるものとして扱うことができる。

*規則16.3b 地面にくい込んだ球の救済
基点: ジェネラルエリアで球が地面にくい込んでいる場所の直後の箇所。基点から計測する救済エリアのサイズ: 1クラブレングス。しかし、次の制限がある:
・ジェネラルエリアでなければならない。
・基点よりホールに近づいてはならない。
・規則16.3に違反して誤所から球をプレーしたことに対する場合: 規則14.7aに基づく一般の罰。

■ 小山混 プロフィール

イラストレーター、ゴルフルール研究家。東京生まれ。立教大学卒。新聞・雑誌・Webで複雑なゴルフルールをやさしく解説。ゴルフは鹿沼CCの月例競技会にエントリー。HDCPは17。著書に『はじめてのゴルフルール』『New! いちばんたのしいレクリエーションゲーム』(主婦の友社)、『英語とゴルフ一石二鳥』(ゴルフダイジェスト社)がある。

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