飛び出たスプリンクラーを押し下げてプレーした。えっ、ダメ?/ルールQ&A

飛び出たスプリンクラーを押し下げてプレー クレームを受けた/ルールQ&A

グリーン周りでの出来事。自動散水のスプリンクラーヘッドが収納されず飛び出たままになっていた。自分のプレーに関係なかったが、後続組のプレーに支障が出ないように、スプリンクラーヘッドをクラブで押し下げてプレー。「動かせない障害物を動かしてもいいの?」とクレームが。

動かせない障害物に関する問題

■1
スプリンクラーヘッドを押し下げても問題ない。罰はない。

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■2
スプリンクラーヘッドを押し下げると1罰打を受ける。

■3
スプリンクラーヘッドを押し下げると2罰打を受ける。

飛び出たスプリンクラーを押し下げてプレー クレームを受けた/ルールQ&A

後続組のために善意でやったのに、ダメなの?

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◇◇◇◇

正解は「1」

■1
スプリンクラーヘッドを押し下げても問題ない。罰はない。

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【解説】
動かせない障害物の動かせる部分を「所定の位置に戻す」ことの是非を問う問題。2023年規則に新規追加されました(規則8.1a/10)。スプリンクラーヘッドが飛び出たままになっている場合、それは正しい位置にないので、プレーヤーは自分がプレーする前にそのスプリンクラーヘッドを押し下げてもOK。罰はありません。

類似の例としては、排水口の蓋が外されていたりずれている場合、プレーヤーは蓋を所定の位置に戻すことができます。あるいは金網や柵が倒れていた場合は、元の位置に立て直すことができます。これらの事例において、プレー前にストロークに影響を及ぼす状態を改善した(規則8.1a (2))としても罰は科せられなくなりました。ルールの盲点が一つ明確になりました。(ルール解説&イラスト/小山混)

ーーーーー

<ゴルフ規則>(抜粋)
規則8.1a 認められていない行動
プレーヤーはストロークに影響を及ぼす状態が改善されてしまう場合には次の行動をとってはならない。
(1) 次の物を動かす、曲げる、壊す:・生長または付着している自然物。・動かせない障害物、不可分な物、境界物。
(2) ルースインペディメントや動かせる障害物を所定の位置に置く (例えば、スタンスの場所を作るため、またはプレーの線を改善するため)。

規則8.1a/10 プレーヤーは動かせない障害物の動かせる部分を所定の位置に戻すことが認められる。
規則8.1a (2)はストロークに影響を及ぼす状態を改善する位置に動かせる障害物を置くことを禁止している。しかしながら、この制限は動かせない障害物の動かせる部分を所定の位置に戻すことには適用されない。 例えば、○スプリンクラーヘッドが飛び出ている場合、そのスプリンクラーヘッドは所定の位置にないので、そのプレーヤーは球をプレーする前にそのスプリンクラーヘッドを押し下げることができる。 ○排水管の蓋が取り除かれていたり、外されている場合、そのプレーヤーは蓋を所定の位置に戻すことができる。 両方の事例において、そのことでストロークに影響を及ぼす状態を改善したとしても規則8に基づく罰はない。(2023年7月規則の詳説に追加)

出典/(公財)日本ゴルフ協会発行2023ゴルフ規則、追加の詳説より

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小山混 プロフィール

イラストレーター、ゴルフルール研究家。東京生まれ。立教大学卒。新聞・雑誌・Webで複雑なゴルフルールをやさしく解説。ゴルフは鹿沼CCの月例競技会にエントリー。HDCPは17。著書に『はじめてのゴルフルール』『New! いちばんたのしいレクリエーションゲーム』(主婦の友社)、『英語とゴルフ一石二鳥』(ゴルフダイジェスト社)がある。

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