MOIに頼らないまさに“タイトらしいやさしさ” プロアマ問わずイケる「2」タイトリスト「GTS2」ドライバー
タイトリストの新プロダクト「GTS」シリーズは6月11日に発売する。「GTS2」「GTS3」「GTS4」の3モデルのラインアップ中、今回紹介する「GTS2」は前作「GT2」の後継モデル。シリーズのなかでも比較的アマチュアでも扱いやすいやさしいモデルの位置付けだが、解禁初戦のPGAツアー「テキサスチルドレンズ ヒューストンオープン」では、プロの使用率が1位となり話題を呼んだ。ギア知識が豊富なミタさんがヘッドの特徴を解説。飛距離性能、打感、構えやすさを、アスリートゴルファーのコウタロウ(HS50m/s)とベテランゴルファーのシオさん(HS40m/s)が試打し、分析した。
「GT」はクラウン部分のみだったが、「GTS」は360度コンポジット構造
【ミタさん】
今回紹介するのはタイトリストの新作ドライバー「GTS2」です。
【シオさん】
今作もカッコイイですね。新しくついた“S”は、どういう意味ですか?
【ミタさん】
前作「GT2」もすごく評価が高かったのですが、さらにスピード(SPEED)と安定性(STABILITY)をプラスするコンセプトにより、「GTS2」になりました。
【コウタロウ】
第一印象としてはあまり大きく変わっていないですよね。いつもの“タイトらしい”ドライバーだと思ったのですが、構造的に何が変わりましたか?
【ミタさん】
実は見た目以上に大きく変わっています。前作の「GT2」はフルチタンではなく、クラウン部分にポリマー系の素材PMP(プロプライエタリー・マトリックス・ポリマー)を使ってコンポジットクラウンにしたことが話題になりました。「GTS2」はさらにその素材を活用して、後方部まで360度コンポジット構造のサーモ・フォーム・ボディになっています。
【シオさん】
なるほど。でも、前回もそうでしたが、今回もまったく境目が見えないは凄いですね。360度コンポジットにしたことで、どんなメリットがあるのですか?
【ミタさん】
「GT2」と比較すると余剰重量が増えたことによって、さらに重心位置を理想的なポジションにもってくることができました。ヘッドの重心はフェース面上の重心から垂直なライン上にあれば最も飛距離性能が高くなります。また重心を調整することで慣性モーメントも大きくなる。それが「SPEED」と「STABILITY」につながっています。
【コウタロウ】
その話を聞くと、打感とか音がどうなっているのか気になるけど、それは打って検証しましょう。
やさしくはなったけど、タイトリストはタイトリスト
【コウタロウ】
デザインの雰囲気は近いですが、アドレスすると「GT2」と「GTS2」は顔が違いますね。「GTS2」はフェースのトップラインがストレートに見える。「GT2」と比較すると、後方部の丸みが抑えられました。慣性モーメントが大きそうなヘッドになりましたね。
【シオさん】
私くらいのゴルファーだと安心感がある形状です。
【ミタさん】
打った印象はどうでしたか?
【シオさん】
ヘッドスピード40m/sの私が打ってもボール初速は60m/sを超えて、たしかにスピードは上がっています。キャリーも平均220ヤードと申し分ない。ただし、やさしいかと言えば……。他メーカーの「MAX」やコアモデルと比較するとそこまでの寛容性はなく、やっぱりタイトリストはタイトリストという印象です。
【コウタロウ】
私が打っても飛距離性能は高く、ボールスピードも速かったです。今作は飛距離が安定したことがいちばん印象に残りました。打点が上下左右にズレたときでもボールスピードとスピン量が安定していましたし、そういう意味ではとてもやさしさを感じられるモデルです。特にヘッドスピードが速いゴルファーは体感しやすいのではないでしょうか。
【ミタさん】
今回はフェースの構造も変えています。前作はフェースの裏面をリング状にして、センターヒットしたときのボールスピードを最大化していました。でも「GTS」はリングの上部を開放型にしたスピードシンクフェースによって、打点がズレたときでもボールスピード、スピン量の変化を小さくした。特に上側で打ったときにバックスピンが減りすぎてドロップすることがなくなると思います。
【コウタロウ】
そのあたりはツアープレーヤーからのリクエストかもしれないですね。
【ミタさん】
前作のGTシリーズからオリジナルシャフトの設定がなく、俗に言うアフターマーケット用の高弾性シャフトが標準シャフトとして採用されています。今回の新しいテンセイシャフトとの組み合わせはいかがでしたか?
【シオさん】
「テンセイ プロ ブルー 1K」はしっかりしているシャフトで、一般的な純正シャフトと比較するとしなりは少ない。どちらかと言えば方向性に優れたシャフトです。GTS2とのマッチングも良く、左右ブレがとても少ない。
【コウタロウ】
私は「テンセイ プロ ホワイト 1K」で打ちましたけど、クセのない振り心地。ホワイトですが元調子というより少し中調子に近いフィーリング。手元だけが柔らかい感じではなくシャフト全体がなめらかに動きます。インパクト付近のヘッド挙動も大人しいので、GTS2と組み合わせると安定感の良さが際立ちますね。
【シオさん】
不思議なのが打点がズレたときでも打感が悪くないこと。手に嫌な感触が残らないし、音も悪くない。
【ミタさん】
どんなゴルファーにオススメしたいですか?
【シオさん】
やっぱりある程度の技術レベルは必要で、真剣にゴルフをやっている人のためのドライバー。その上で、一定の寛容性が欲しいというゴルファーに向いていると思います。
【コウタロウ】
歴代の「2シリーズ」と比較すると慣性モーメントが大きくなっていて振り感も少し違う。だから長年タイトリストを使っていた人もちゃんと試打やフィッティングをしてから選んだ方がいいと思います。
【ミタさん】
PGAツアーですぐに使用率No.1を獲得できた要因はどのあたりですかね。
【コウタロウ】
やっぱり前作までの良さを継承しながら、さらに完成度を高めている。そして、プロに好まれる玄人感がしっかりありますよね。そこはさすがタイトリストだなと思います。
【ミタさん】
「GTS2」は「GT2」から正常進化したドライバーです。ボールスピードに関しては、前作よりもフェース上部での初速がしっかりと上がっています。特に、ティをやや高めにセットする方は実感しやすいでしょう。寛容性も高くなりましたが、一般的な高慣性モーメントドライバーのようなやさしさではなく、数値が整うやさしさ。これは安心感にも大きく影響すると思います。従来のタイトリストユーザーの期待にも応える進化になっていますし、総じて新しい設計、構造なのに完成度はとても高いと思います。
【シオさん】
ツアープロが「GTS3」ではなく「GTS2」を選ぶようになったところに時代の変化を感じますね。
まとめ
使用したクラブ
タイトリスト GTS2ドライバー
●ロフト角:9度(コウタロウ)、10度(シオさん)●シャフト:テンセイ プロ ホワイト 1K 65(コウタロウ)、テンセイ プロ ブルー 1K 55(シオさん)●硬さ:S
ミタさん プロフィール
1978年生まれ。かつてのサッカー少年が父の影響でゴルフを始めたのは高校生のとき。2014年にゴルフテックに入社し、レッスンコーチ兼クラブフィッターとして活躍した。現在はギア知識を活かして、コンテンツの企画を担当。洋服や車など好きな「モノ」への探求心が人一倍強く、作り手の素材や製法へのこだわりが大好物。デニムやスニーカーへの知識も豊富。
コウタロウ プロフィール
1985年生まれ。「日本一の漫才師」を夢見た幼少期を経て、学生時代はゴルフに没頭。日本アマなどに出場した。日本プロゴルフ協会(PGA)ティーチングライセンスを取得した2012年にゴルフテックに入社。長年、レッスンコーチを務めていたが、現在はコンテンツに出たり、作ったりしている。ヘッドスピードは50m/s前後。持ち球はフェード。最近は四十肩との付き合い方を模索中。
シオさん プロフィール
1967年生まれ。GDOでは古参の編集部員。若い頃は小ぶりヘッドのドライバーとマッスルバックのアイアンを愛用していたが、近年ではミスに強く、飛ばせるギアを好んで使用している。ヘッドスピードは40m/s前後。ミドルアイアンでグリーンに止まる球が打てないことが最近の悩み。持ち球は低めのドロー。平均スコアは80くらい。