人のクラブを借りてプレーしたら…どうなる?/ルールQ&A
ピンまで残り100ヤードの場面で、キャディバッグからピッチングウェッジを探したが見つからない。しまった! 前のホールのアプローチで使い、グリーン横に置き忘れてしまったようだ。たまたま近くにいた同組プレーヤーがピッチングウェッジを持っていたので借りてプレーした。問題ありますか?
クラブを借りてプレーすることについて
■1
クラブを借りて使っても問題はない。無罰。
■2
クラブを借りて使うと1罰打。
■3
クラブを借りて使うと2罰打。
置いてきちゃったから仕方ないじゃん。ダメ~!?
◇◇◇◇
正解は「3」
■3
クラブを借りて使うと2罰打。
【解説】
プレーヤーは自分で選んだ14本以内のクラブをキャディバッグに入れてスタートし、そのクラブだけを使ってラウンドします。誰かのクラブを借りてプレーするのは一切禁止で、違反は2罰打を受けます。キャディバッグにキャディや同組プレーヤーがクラブを入れ間違えた場合は、そのクラブを使えば2罰打を受けますが、使わなければ罰はありません。
また、14本に満たないクラブでスタートした場合でも、他のプレーヤーのクラブを借りることはできません。他人のクラブを使用すると1回につき2罰打ですが、1ラウンドすべてで使用しても4罰打が最大となります(規則4.1b(1)、(2))。
規則にはクラブ以外の用具の貸し借りを禁止する項目はないので、ボールの予備がなくなったときは仲間から借りてもOK。ティやマーカー、手袋や帽子、パラソルや距離計など、クラブ以外は何でも借りることができるのです。(ルール解説&イラスト/小山混)
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<ゴルフ規則>(抜粋)
(4)クラブを追加する、または取り替える場合の制限。
規則4.1a(2) または 規則4.1b(1) に基づいてクラブを追加または取り替える場合、プレーヤーは次のことをしてはならない:
・不当にプレーを遅らせる(規則5.6a参照)。
・そのコースでプレー中の他のプレーヤー(その他のプレーヤーが違う組や競技でプレーしていたとしても)によって、またはその他のプレーヤーのために持ち運ばれているクラブを追加する、あるいは借りる。
プレーヤーが認められていないのにクラブを追加したり取り替えたことによってこの規則に違反したことに気づいた場合、プレーヤーは、規則4.1c(1)の手続きによって、他のストロークを行う前にそのクラブをプレーから除外しなければならない。
プレーヤーがラウンド前(規則4.1c(2))に、またはラウンド中(規則4.1c(1))にプレーから除外をした後にまだ持ち運んでいたクラブでストロークを行った場合、そのプレーヤーは規則4.1c(1)に基づいて失格となる。
規則4.1b違反の罰: 罰はプレーヤーが違反に気づいた時点に基づいて適用する:
ストロークプレーの罰―2罰打(最大4罰打) 。プレーヤーは違反が起きた各ホールに対し一般の罰(2罰打)を受けるが、1ラウンドでは最大4罰打となる(違反が起きた最初の2ホールにそれぞれ2罰打を追加する)。
出典/(公財)日本ゴルフ協会発行2023ゴルフ規則より

小山混 プロフィール
イラストレーター、ゴルフルール研究家。東京生まれ。立教大学卒。新聞・雑誌・Webで複雑なゴルフルールをやさしく解説。ゴルフは鹿沼CCの月例競技会にエントリー。HDCPは17。著書に『はじめてのゴルフルール』『New! いちばんたのしいレクリエーションゲーム』(主婦の友社)、『英語とゴルフ一石二鳥』(ゴルフダイジェスト社)がある。