バンカー内でレーキを引きずって歩いたら…罰がつく?/ルールQ&A
大きなバンカーにボールが入った。レーキを引きずって自分の足跡を消しながらボールに近づき、レーキは後ろに置いてプレーした。問題ありますか?
バンカー内でのレーキの扱いについての問題
■1
バンカー内にボールがあるとき、レーキで足跡をならしながら歩くと砂のテスト違反で1罰打。
■2
バンカー内にボールがあるときでも、プレーに関係ないところならレーキで足跡をならしながら歩いても問題ない。無罰。
■3
バンカー内にボールがあるとき、プレーに関係ないところでもレーキで足跡をならしながら歩くとライの改善で2罰打。
プレーファストになるんだからいんじゃない?ダメ?
◇◇◇◇
正解は「2」
■2
バンカー内にボールがあるときでも、プレーに関係ないところならレーキで足跡をならしながら歩いても問題ない。無罰。
バンカーショット後、レーキを取りに戻る時間を節約するため(プレーファスト)、自分の足跡をレーキでならしながらボールに近づくことは、2012年の改訂で認められています。砂のテストを目的とせず、単にコース保護の目的ならストローク前でも無罰で砂がならせるという規則は、2019年のルール改正後も有効です(規則12.2)。
ストロークに影響を及ぼすスタンスやスイング区域の改善にならないこと、砂のテストとみなされないことが肝心。これらの違反は2罰打になります。そのためにはボールに近づき過ぎないのがポイントです。
プレー前に引きずってきたレーキや持ってきた余分なクラブは、体の反対側(背中側)に置くなどの配慮も必要です。
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<ゴルフ規則>(抜粋)
規則12.2bーバンカーの砂に触れることに関する制限
(1) 砂に触れた結果、罰を受ける場合。
バンカー内の球に対してストロークを行う前に、プレーヤーは次のことをしてはならない:
・砂の状態をテストしたり、次のストロークについての情報を得るために手、クラブ、レーキ、その他の物でそのバンカーの砂に故意に触れること。
・次のときにクラブでそのバンカーの砂に触れること:
・球の直前、直後の区域(ただし、球をフェアに捜すときに規則7.1aに基づいて認められる場合、または規則12.2aに基づいてルースインペディメントや動かせる障害物を取り除く場合を除く)に触れるとき。
・練習スイングを行うとき。
・ストロークのためにバックスイングを行うとき。
(2) 砂に触れた結果、罰を受けない場合。
ただし、(1)で扱われている場合を除き、この規則はプレーヤーがどのような方法でもそのバンカーの砂に触れることを禁止していない。例えば:
・練習スイングや、そのストロークのためのスタンスをとるために足を潜り込ませること。
・コースの保護のためにバンカーをならすこと。
・クラブ、用具、その他の物をバンカーに置くこと(投げる、または置くことによってのいずれの場合でも)。
しかし、その砂に触れるプレーヤーの行動が規則8.1aに違反してストロークに影響を及ぼす状態を改善した場合、そのプレーヤーは一般の罰を受ける (プレーに影響を及ぼす他の物理的な状態を改善する、悪化させることに関する制限については規則8.2と規則8.3を参照のこと)。
規則12.2の違反の罰:一般の罰。
出典/(公財)日本ゴルフ協会発行2023ゴルフ規則より
小山混 プロフィール
イラストレーター、ゴルフルール研究家。東京生まれ。立教大学卒。新聞・雑誌・Webで複雑なゴルフルールをやさしく解説。ゴルフは鹿沼CCの月例競技会にエントリー。HDCPは17。著書に『はじめてのゴルフルール』『New! いちばんたのしいレクリエーションゲーム』(主婦の友社)、『英語とゴルフ一石二鳥』(ゴルフダイジェスト社)がある。