サイエンスフィット レッスン

スライスとフックの無限ループ脱出! ナチュラルグリップで自分を知ろう

2021/03/13 12:00
3Dモーションキャプチャーでスイング動作を解析

球のつかまえ方は、大きく2つのタイプに分けられます。ボディターンタイプとリストターンタイプです。サイエンスフィットでは、体の使い方の明らかな違いから、前者をフレクション(F)タイプ、後者をエクステンション(E)タイプと名付けています。それぞれのタイプについては、追って話しますが、Fタイプの人がEタイプのスイング(あるいはその逆)を追求すると、ほとんどの場合、永遠の試行錯誤から抜け出せなくなり、ゴルフの上達速度を大幅に遅らせてしまう原因となります。

今回の受講者は…「どスライスを抜けたらチーピン地獄へ」

「もともとスライサーだったのですが、テークバックでフェースを開かないようにしたり、積極的な体の回転で振ったりといった取り組みで、スライスは軽減されました。でも、今度はチーピンに悩まされています…。フォローが窮屈で、うまく振り抜けない感じも続いています」(石原さん=ゴルフ歴8年、スコア100前後、月2ラウンド)

スイングをデータ化して分析

ストレートボールを打つには2度のインサイドアウト軌道が理想だが、石原さんはややアウトサイドイン軌道

データ分析の結果、気になるところが2つあります。一つは、インパクトの瞬間のヘッド挙動が、ややアウトサイドインになっている点です。前回お伝えした、体を中心にヘッドが回る「公転」では、インパクトの瞬間がインサイドアウト軌道が理想的。アウトサイドイン軌道では、インパクト向かってヘッドが閉じる方向に動くべき「自転」が、そもそもできません。

リストターン比率が「9.6」のリストターンタイプ

もう一つの点が、今回のテーマです。シャフト挙動の分析で、シャフトの回転量を表す「リストターン比率」を見ると、石原さんはボディターンタイプではなく、リストターンタイプ。つまり、フェースの開閉を積極的に使うスイングが合っているのです。フェースをシャットに保ったまま、体の回転で振っていくボディターンスイングは、まったく適していません。そのため、スイングがなかなかしっくりせず、不安定な状態が続きます。

左手の甲がほぼ飛球線方向を向いているならEタイプ

自分がどちらのタイプかを見極める、簡単な方法があります。直立して、左腕を脱力したときに、左手の甲が正面方向に傾いているならFタイプ。腰の屈曲(フレクション)を使って、体を積極的に回転して球をつかまえるタイプです。一方、左手の甲が飛球線方向に向いているならEタイプ。腰を屈曲せず、伸長(エクステンション)したまま、腕の回旋を積極的に使って、球をつかまえるタイプです。石原さんは、左手の甲が飛球線方向を向き、明らかにEタイプでした。

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