サイエンスフィット レッスン

右に逃がそうとするほど強くつかまってしまう原因

2021/05/29 12:00
3Dモーションキャプチャーで体の動きをデータ化

サイエンスフィットでは、まずその人がリストターンタイプ(Eタイプ)かボディターンタイプ(Fタイプ)かを分析します。そのタイプによって、グリップの握り方から体の使い方に至るまで、レッスン内容が大きく違ってくるからです。今回は、ドライバーが引っかかりがちで、アイアンの当たりが薄いと悩む上級者が登場。3Dモーションキャプチャーでしか分からない、根本的な原因を突き止めました!

今回の受講者は…

「基本的にドロー系ですが、ときどき球がつかまりすぎてしまうのが悩みです。アイアンの当たりが薄いのも気がかりなところ。意識としては、手首を返そうとせず、体の回転を使って、右肩でボールをとらえる感じで振っているのですが、それにもかかわらず引っかかってしまうんです…」(菊池さん、ゴルフ歴20年、ハンディキャップ5)

ドライバーとアイアンのグラフが縦軸(左右進入角)で揃う理想的な軌道

分析の最初の段階となるヘッド挙動解析では、さすがに上級者だけあって、理想的な結果が出ています。ドライバーはインサイドアウト軌道でアッパーブロー。アイアンは同じくインサイドアウト軌道で、ダウンブロー。グラフにすると、ドライバーとアイアンの軌道が、プロのように縦軸(左右の進入角度)でほぼ揃っています。

リストターン比率を見ると明らかにリストターンタイプ

さて、次の段階の分析となるシャフト挙動を見てみましょう。ハーフバックやトップでの、フェースの開閉角度は理想的です。タメの最大角度や手元の減速していくタイミングも、理想的な数値になっています。ここで、注目すべきはリストターン比率です。数値が高いほど、リストターンタイプ(Eタイプ)だと言えますが、菊池さんは明らかに、腕のローテーションを積極的に使うべきリストターンタイプです。

左腕のローテーション不足が明らかに

手首を使わず、体の回転を意識していると言っていましたが、リストターンタイプの菊池さんは、実は取り組んではいけないことなのです。3Dモーションキャプチャーの分析で注目すべきは、左腕の回旋角度です。アドレス時の左腕の内旋角度が33度に対して、インパクト時の角度は46度。この数値が揃うのが理想ですが、13度も戻っていないのです。

積極的に左腕を戻すほど引っかからなくなる!≫
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