シャットフェースはやりすぎに注意
テークバックでは、フェースを開かないようにコントロールすることが基本です。特に初心者の場合、フェースを開き過ぎてしまい、スライスからなんとか抜け出そうとアウトサイドイン軌道に陥る人が大多数だからです。かといって、過剰なシャットフェースは禁物です。今回は、過度のシャットフェースになっている人の傾向と、その改善方法についてレッスンしましょう。
「基本的にはドロー系の弾道なんですが、コースではラウンド後半になると、低い弾道のチーピンを連発してしまいます。テークバックで左腕を伸ばす意識で臨んでいますが、ショットは全体的に、しっかりとミートできていないという不満があり、正直ゴルフがつまらなくなっている状況です…」(前田さん、ゴルフ歴3年、平均スコア90台)
インパクト時のヘッド軌道は、4度のインサイドアウトで問題ありません。しかし、気になるのは軌道に対して、フェースの向きが大きくクローズになっていることです。しっかり振り抜けば、左に引っかかるので、どうしても右へ逃がすようなスイングになっていきます。合わせるようなスイングでかろうじてミートしているので、だんだんとゴルフがつまらなくなってしまったのでしょう。
シャフト解析によって、前田さんの問題の根本的な原因が一目瞭然になりました。テークバックでのフェースの開きを見ると、ハーフバックでは3.8度、トップにおいてはなんと-1.5度。一方、女子プロの平均では、ハーフで10度、トップで30度くらいフェースが開きます。対して前田さんは、全然フェースが開かないばかりか、トップに向かってさらにクローズになっていたのです。
テークバックで過剰なシャットフェースになる人の傾向としては、トップで右わきが開く、いわゆるフライングエルボーになること。そして、ターゲット方向よりもクラブシャフトが右を指す、シャフトクロスになることです。さらに、トップで左手首が甲側に折れてしまいがちです。過剰なシャットフェースは、テークバックで左肩が入りにくくなるので、フルスイングするには、それしか方法がありません。イメージとしては、パッティングと同じようにスイングをしているのです。