サイエンスフィット レッスン

上級者の悩みから理想的なリリースを知る

2022/01/31 13:00
ハンディキャップ「3」の上級者のスイングを徹底分析

多くのアマチュアには共通する特徴があり、7割の方がアウトサイドイン軌道でクラブが下りてきます。そして、リリースが早く、手元が体から離れがちです。今回は、上級者にときどき見られる真逆のパターン。初級・中級者のお悩みには、あまり当てはまらないケースですが、リリースのメカニズムを深く理解する上では参考になると思います。

今回の受講者は…

「ドロー系が持ち球ですが、このところフックが強かったり、プッシュアウトしたりと、ショットが不安定になっています。インパクトで体が開くと、その傾向が強まるので、右肩を出さないことや、体が早く開かないように意識していますが、なかなか思い通りにいきません」(吉次さん、平均スコア75)

シャフト解析では、アンコック角が153度と、十分にタメを作れているのがわかります

ヘッド挙動、シャフト挙動、モーションキャプチャーによる動作解析ともに、極端に悪い部分はありません。さすがハンディキャップ3の腕前ですね。ただし、プロレベルのスイングと比較すると、2つだけ気になるところがあります。この2つがすなわち、今のお悩みの問題にほぼ直結しています。

弾道はキレイに揃うものの、出球がやや左向き

1つ目は、インパクトに向かうヘッドの進入角度が、ややアウトサイドインになっていること。インパクトの瞬間のフェース角がクローズなので、出球はやや左に出て、ドローしていくという弾道になります。弾道がきれいに揃っているのは上級者らしいのですが、もう少しインサイドアウト軌道にして、出球を少し右へ調整したいところです。

腰の動きをグラフ化(赤線がプロ、黒が受講者)。プロと比べると、ハーフダウンで腰が開きすぎている

体の各部分の動きの変化をモーションキャプチャーで追う動作解析でも、ある一点を除いて、各部の動きがプロの理想的なグラフと同じように推移しています。ある一点とは、腰が早く開いてしまうところ。簡単に言うと、腰がプロ以上にキレ過ぎているんですね。これが2つ目の問題点です。ハーフダウンの時点で、腰が58度開いていますが、プロの平均値では、その半分程度です。しかし、意識すべきポイントは腰の回転ではないのです。

右ひじを体に引きつけたままのスイングはNG≫
1 2