フェースが開かないアドレスを作るルーティン
アドレス時に、左手首のヒンジ角度(手のひら側や甲側に動く角度)が、適切な範囲から大きく外れている人や、毎回一定していない人は実に多いものです。ほんのささいな狂いが球筋の乱れに直結する、最重要チェックポイントの一つです。今回は、左手首のヒンジ角をベストに保つルーティンをご紹介しましょう。
今回の受講者は…
「野球をやっていた影響なのか、これまでは大きなスライスに悩んでいたのですが、最近は左に真っすぐ突き抜けるような球も出るようになって、左右に大きく散ってしまうのが悩みです。方向性を安定させるために、改善すべきポイントを知りたいと思っています」(大場さん ゴルフ歴3年、ハンデ17)
インパクト直後のボールスピードは70m/sを超えていて、男子プロ並みの数値。しかし、飛ばすポテンシャルが高い分、スライスするときと左に突き抜けるときの左右の幅が100yd以上もあり、この不安定なティショットのストレスは大きいことでしょう。左への逆球が出ることがストレスの元凶ですが、実はショットとしては左に突き抜ける方がしっかりとインパクトできているんです。詳しく見てみましょう。
大場さんは、若干アウトサイドイン軌道のオープンフェースでインパクトしているので、スライス回転になります。一方、左に突き抜ける場合は、軌道に対してフェースがスクエアに当たったときで、実はナイスショットです。ただし、軌道がアウトサイドインなので、球の出だしから左方向に行ってしまう結果になります。また、フェースの中央よりも下に当たっているので、バックスピンが多くなり、こちらも飛距離の大きなロスになっていますね。
最も気になる点は、シャフト解析のフェース角の数値です。トップで67度くらいフェースが開いており、これは男子プロの平均より約20度も開いていることになります。フェースが開く原因はさまざまですが、モーションキャプチャーによる動作解析で明確になります。大場さんの場合、テークバックからトップにかけて、左手首のヒンジ角度が甲側へと増えていますね。これはプロとは真逆の動きです。