サイエンスフィット レッスン

持ち球がドローからスライスに…悩みの原因を探る

2022/05/28 13:00
もともとドローだった持ち球がいつのまにかスライスになったという受講者のスイングを分析

中上級者がショットの不調に陥った場合、焦っていろいろと試行錯誤しがちですが、まずは自分のスイングの現状を冷静に把握することが大切です。セットアップやテークバックの初動といった基本的なところがズレている可能性が高く、アレコレやりはじめると、かえって不調の極みにハマる危険性が高いからです。今回は、持ち球がいつの間にかドローからスライスになってしまったという受講者が、不調脱出の糸口をつかみます。

今回の受講者は…

「高校時代はゴルフ部に所属していて、ドローボールが持ち球でした。以前は80台で回れていたのですが、最近はスコアが大きく低迷しています。ドライバーからアイアンまで球がつかまらなくて、右に流れてしまうことばかり。胸の開きが早いと指摘されたことはありましたが、具体的な改善に取り組むことに躊躇(ちゅうちょ)しています。まずは現状のスイングがどうなっているのか知りたいです」(神代さん スコア80台→現在100前後)

フェースはターゲット方向に向いているが、軌道に対して開いているためスライスになる

自分のスイングの現状を把握しないまま闇雲にスイング改善を取り組まなかったことは、とても冷静で良い判断です。80台でラウンドできていた人が、突然の絶不調に陥ることは珍しくありません。今はネットでさまざまなレッスン動画が見られるので、ついつい翻弄されてアレコレ試したくなってしまうものですが、まずは現状を正確に知ることが肝心です。ヘッド挙動の解析結果は、アウトサイドイン軌道のダウンブロー。軌道に対してフェースが開いているので、左に出てスライスする状況です。

モーションキャプチャーのデータを取ると、プロに近い体の動かし方をしている

しかし、シャフト挙動とモーションキャプチャーによる体の動きを解析すると、抜群に良い結果が出ています。腕の使い方、腰と上体の捻転差など、ほぼすべてプロと同じようなグラフの変化が見られます。体の使い方はプロ並みなのに、なぜ軌道が悪くなってしまうのでしょうか。

トップで体重配分が左右50対50と、右足にあまり体重が乗っていない

問題があるのは、アドレスからトップにかけての体重配分です。神代さんは、アドレスの時点から左足体重になっていて、右に体重が乗るべきトップで、左右約50対50という配分になっています。簡単にいうと、いつも左足下がりでスイングしている状態。つまり、テークバックで体の回転が浅くなり、ダウンスイングで早く胸が開くので、どうしてもアウトサイドイン軌道になってしまうのです。

飛距離を30yd伸ばせる可能性あり≫
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