サイエンスフィット レッスン

引っかけ改善のポイントは右手グリップにあり

2022/08/25 13:00
引っかけに悩むテンフィンガーグリップの受講者のスイングを分析

スイングについてあれこれと試行錯誤する方は多いですが、アドレスやグリップにまで立ち返って検討することは少ないのではないでしょうか。特に、慣れ親しんだグリップを変えることには大きな違和感を伴うものですが、スイングを劇的に改善できるポイントでもあります。今回は、引っかけに悩む受講者に、右手のグリップの重要性をレクチャーしました。

今回の受講者は…

「最近、左に出て左に曲がる球が多くて悩んでいます。ドライバーもアイアンも、基本的には引っかけがちで、弾道も低くて飛距離が落ちています。以前、指のケガからテンフィンガーグリップに変えて、当初は良いショットが出ていたのですが、そもそも、テンフィンガーグリップ自体に問題がないのかも知りたいところです」(岩井さん、平均スコア90台)

インパクト時の起動に対してフェースが7度閉じています

最初に言っておくと、テンフィンガーグリップ自体を否定することはありません。テンフィンガーだと右手の影響が強くなるので、それを抑えるためにオーバーラッピンググリップが生まれたわけですが、自然なコックが入りやすく、タメも生まれてヘッドスピードの遅い人でも飛距離アップできる可能性があります。まずは、何が問題かデータを洗い出してみましょう。インパクトの瞬間のヘッド挙動は、理想的なインサイドアウト軌道でした。ただし、自覚されている通り、打ち出し角度がかなり低め。また、インパクトの瞬間のヘッド軌道に対してフェースが約7度左を向いていて、かなりクローズになっています。

シャフト挙動を見ると、テークバック時の動作に問題があるわけではなさそう

インパクトでフェースが閉じすぎる原因として多いのは、テークバックの過程でフェースが大きく閉じていくケース。しかし岩井さんの場合、シャフト挙動を分析するとアドレス時と比較してハーフバックで約10度、トップでは約30度オープン。これは女子プロの平均に収まっていて、まったく問題ありません。では、一体どこに問題があるのでしょうか?

右の手のひらが上を向くグリップになっています

テークバックのフェース向きの変化に問題がないとすると、アドレス時のグリップに原因がある可能性が高くなります。岩井さんはテンフィンガーで握り、左手はやや上から被せるストロンググリップになっています。リストワークを使わず、ボディターンで球をつかまえるための基本なので、ここに問題はありません。しかし、右手のグリップに問題がありますね。かなり下から握っていて、右手のひらが上を向くようなグリップになっています。まずは、右手のグリップとトップのフェース向きの関係を理解することが大切です。

ヘッドスピードに対するMAXの飛距離に到達≫
1 2