パットの距離感は振り幅ではなく「スピード感」で作る【青木瀬令奈のThe Putting World#4】
女子ツアーでも1,2位を争うパット名手・青木瀬令奈による連載、「The Putting World」がスタート。パッティングの考え方、ストロークのコツ、ラインの読み方、距離感の出し方など、彼女の頭の中、その世界観をじっくりとひも解いていきます。第4回は距離感のハナシ。
全体のスピード感から逆算して初速を決める
「振り幅=何ヤード」と考える方も多いと思いますが、私の場合は違います。ラインを読んだときに最後に曲がるブレイクポイントを見て、そのポイントをどれぐらいのスピードで通過すれば最後にカップに入っていくかで距離感を考えます。そして、そのスピード感から逆算して、初速をどれぐらいのスピードで出すかを考えます。
2段グリーンで考えると分かりやすい
なぜ振り幅で距離感を作るのが難しいのか? 2段グリーンで想像してもらうと分かるかもしれません。例えばピンまで10歩の距離だったとします。平らなグリーンであれば、「10歩=このぐらいの振り幅」と決めやすい。ですが、2段グリーンで上段のピンだとしたら、どの程度振り幅を広げたらいいかが分かりづらいですよね。さらに段の傾斜の度合いによっても変わります。ですからボールの転がるスピードをイメージして、そのあと初速を考えてバチンと打つほうが、どんな傾斜にも対応できてシンプルに考えられるんです。
イメージを残したまま下を見て打つ
カップを見て打つわけではないので、下を向いた状態で、「あの辺(ボールのちょっと先のあたり)にこのぐらいのスピードで転がっていく」と想像して打ちます。すぐには難しいと思うので、距離感を養うドリルとして、下を向いたまま3球ストロークして距離を揃える練習をおススメします。目標を見ず、初速だけを意識して、同じ振り幅と同じスピード感でボールを揃えられるようにやってみてください。
距離感を養うための「ティ横を等速で通すドリル」
もう一つ、距離感を養うドリルをご紹介します。2mほどの短い距離の曲がるラインで、ボールとカップの間(ブレークポイント)にティを挿して、その横を等速で通す練習です。ティ横を毎回同じスピードで通すことで、距離感が養えます。
青木瀬令奈 プロフィール
7歳で競技を始め、2008年「全国高校選手権」で優勝。11年のプロテストに合格。15年から女子プロの大西葵の兄・大西翔太氏がコーチ兼キャディとなり、飛距離アップに成功。17年「ヨネックスレディス」でツアー初優勝。20年に選手の取りまとめ役となるプレーヤーズ委員長に就任。23年「大王製紙エリエールレディス」で5勝目。24年の11月には両足の種子骨を骨折し、25年は痛みと戦いながらのプレーを送っている。グリーン上のパフォーマンスに定評があり、その技術は女子ツアーでも一級品。教えを乞う選手も多い。