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「シャフトクロスは悪なのか」ザンダー・シャウフェレが語る スイング改造セルフ解説(後編)

コーチのクリス・コモとの二人三脚でスイング改造に取り組んだザンダー・シャウフェレ。新スイングの肝は、レイドオフだったトップのクラブ位置をややクロスにすることだった。一般的にクロスは「良くないポジション」とされるが、それにはどんな狙いがあるのだろうか。

肩を縦に回すアクションが必要だった

――トップでのシャフトのポジションを変えて、極端に言えばややクロスになるように上げているとのことですが、それによってどういう効果が生まれるのでしょうか。

上げ方を変えると、それによって下ろし方も変わってきます。といっても、それぞれが“cause and effect”(原因と結果)になっているので、下ろす方は自分で何かするというより、勝手にそうなると言ったほうが正しいですね。昨シーズンまでのスイングだと、トップで肩がフラットに回っていたので、そこからクラブをオンプレーンにするには、肩を縦に回すようにしてクラブを戻すアクションが必要でした。

それをやらずに下ろしてしまうと、クラブがプレーンの下側を通ってしまうので、スナップフック(チーピン)が出やすくなるんです。今のスイングだと、トップで肩のラインがちょうどよく傾いているので、そこからは手を下ろすだけでいいし、体はただ開く方向に回すだけでいい。それでプレーン上にクラブが下りるので、すごくシンプルなんです。

――アマチュアのクロスとはどこが違うのでしょうか。

アマチュアでトップがクロスになる人の場合は、テークバックでクラブ(ヘッド)をインサイドに引きすぎていることが多いです。クラブが上がっていく間中、ずっとプレーンの下側を通ると、トップではシャフトがクロスしやすくなります。それでも、そこからプレーン上にクラブを下ろせば問題ないんですが、アマチュアの場合は、切り返しで体を開きながら手を前に出してしまう人が多いので、カット軌道のスライスになりやすいです。その場合は、まずスイングの始動でヘッドを引く方向を見直してみるのがいいでしょう。飛球線に沿って真っすぐ引くようなイメージで上げると、ヘッドがインサイドに入りすぎなくなると思います。

――単純にクロスが悪いというわけではなくて、そこからどう下ろすかによって良し悪しがわかれるということですね。

ええ。その通りです。

――切り返し以降の動きで注意している部分はありますか?

クリスから言われているのは、ダウンスイングで“tilt”(傾く)しないようにということ。プレッシャーかかった時などは、右サイドが落ちて右に傾くことが多い。スイング中、「右に倒れないように」とだけ意識するのも難しいので、どちらかというと左腰の辺りに意識を持って切り返すようにしています。結果、右への傾きが減りやすいんです。

――切り返しの動きがシンプルになったことで、リズムやテンポに影響がありましたか。

全体のリズムは、それこそ学生時代から何も変わっていないと思います。切り返しの動きが変わっても、スイングのリズムは同じです。ただし、プロになってからトレーニングを積んできたことで、速く振れるようになってボールも飛ぶようになりました。その分、全体のテンポは上がっています。切り返しの部分だけ速くなるのではなくて、スイング全体でスピードが少しずつ速くなっているということです。

――アマチュアには切り返しのところがどうしても早くなってしまう人が多いですが、そういう人に何かアドバイスはありますか。

プロでもプレッシャーがかかる場面では、普段通りのテンポでスイングできなくなるケースもあります。そうなることを避けるには、練習の時からそういう場面を想定してボールを打つことがすごく大事です。ただ連続でボールを打つのではなくて、1球1球、自分にとってプレッシャーのかかる場面を想像しながら、コースと同じルーティンで打つようにしてください。練習の時は、ひとつひとつのルーティンをしっかり意識しながらやります。それが習慣になってくると、コースでは頭で考えなくても自然に同じルーティンで打てるようになると思います。

――その他に、アマチュアに何かアドバイスはありますか。

セットアップをもう少し丁寧にするほうがいいと思います。自分の場合は学生時代から、練習の時にはアライメントスティックが必需品でした。それを地面に置いて、スタンスの向きや肩の向き、ボール位置などをきちんと確かめながら打つんですね。これは、今でもやっています。それに加えて、フェースの向きのチェックも大事です。昔は、グローブのパッケージ(長方形のもの)をアライメントスティックにぴったりくっつけて置いて、パッケージの端にフェースを合わせて構えるようにしていました。今は「Tスクエア」(アライメントチェック用の練習器具)があるので、もっと楽ですが。(取材・構成/服部謙二郎)

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