PGAツアーシード選手・久常涼が2年目で感じた「トップ50の壁」とは/開幕直前インタビュー

欧州ツアーを経て初参戦した2024年のPGAツアーで、フェデックスカップランキング93位に入りシード権を獲得した久常涼。翌25年も、同ランク95位でシードを保持した。この3年間で欧米のトップツアーを駆け抜けてきた久常は、自らの戦いをどう分析しているのか。26年シーズンを迎える前に、その胸の内を語ってもらった。(聞き手・構成/服部謙二郎)

「やれていること」と「やれていないこと」

2年連続でシード権を確保したものの、1年目よりランキングを下げた2025年シーズン。本人に自己評価を聞いてみると、その口ぶりは重かった。

「自分としてはもう少しできたと思うんですが、なかなか調子が上がらなくて…。体を痛めたりもして、本来のパフォーマンスを発揮できませんでした。もっと自分はできたんじゃないのかなと思う節が多いので、その点ではちょっと物足りないシーズンでした」

PGAツアーのシード選手久常涼 2年目で感じた「トップ50の壁」とは/PGAツアー開幕直前インタビュー
2年連続でシードを保持したことは称賛に値するが…

世界最高峰の舞台であるPGAツアーで、1年目からの連続シードは上出来と言える。だが本人にしてみれば、世界のステージで着実にステップアップを続けていただけに、昨年の成績は“足踏み”と捉えているのかもしれない。

久常はどのような点に「もっとできた」と感じたのか。

「2024年は予選落ちがけっこう多かったんですけど、(予選を)通ると30位くらいまで入ることが多かった。それに比べて2025年は、コンスタントに予選は通っていたものの、そこから伸び悩んだり、流れをつかみきれない試合が多かった。トップ10に4回入れた以外はあまり良い成績を残していない。そこのムラがちょっと大きかったですね」

PGAツアーのシード選手久常涼 2年目で感じた「トップ50の壁」とは/PGAツアー開幕直前インタビュー
2025年「全米プロ」も予選は通ったものの週末にスコアを伸ばせなかった

久常も手をこまねいていたわけではなく、自身のスタッツを丹念に分析していた。

「パッティング以外のスタッツは全部、良くなっているんですよ。ティショットもアイアンショットもグリーン周りも良くなりました。ただ、グリーン上だけが良くなかった」。ストローク・ゲインド・パッティング(パットのスコア貢献度)を見ると、2024年の84位(0.065)に対し、2025年は141位(-0.205)と確かに低下している。チャンスにつけたとしても、パッティングで取り切れない場面が多かったわけだ。

一方で、現時点で他の選手より優れていると感じる部分はどこだろうか。

「そこは正直、どこが優れているかは分からないですけど…」と謙遜しつつ、「セカンドショットが自分の得意分野ではあると思っています。ティショットがフェアウェイの良いところに置けた週は(アイアンでチャンスにつけられるので)けっこう調子が良い。ですから最初と最後のティショットとパッティングが良ければ、けっこういい位置で戦えるんじゃないかなと思っています」

PGAツアーのシード選手久常涼 2年目で感じた「トップ50の壁」とは/PGAツアー開幕直前インタビュー
テーラーメイドのイベントに登場した久常涼

得意のセカンドショットにつなげるために、ティショットでフェアウェイをキープすることが次のステージへ進むカギと考えているわけだ。

「自分より30yd以上飛ばす選手なら、2打目をウェッジで打てるのでラフでも問題ないと思います。ですが、今の自分の距離だとやっぱりそこ(フェアウェイキープ)が大事になってくるのかなとは思います」

久常はティイングエリアに立つと、まずピン位置を確認して戦略を組み立てている。「PGAツアーのセッティングは、ピン位置が端に切られるケースが多い。意図が明確なホールが多いので、ティショット次第でバーディが獲れるかどうかが決まりやすい。もちろん、ピン位置も難しいだけじゃなくて、ご褒美がある場所はしっかりあるし、メリハリがすごく効いています」

目の前にそびえる「トップ50の壁」

PGAツアーのシード選手久常涼 2年目で感じた「トップ50の壁」とは/PGAツアー開幕直前インタビュー
自分のデータを客観的にとらえ分析している

2年連続でランキング90位台にとどまった久常は、目の前にそびえ立つ「トップ50」の壁をひしひしと感じていた。

「トップにいる50人って、ほぼ45人が固定で、そこから落ちる選手は多分5、6人なんですよ。その45人が高いレベルを長く維持しているのがすごい。実際、松山(英樹)さんもそういう世界線(フィールド)で13年も戦われているわけで、トップ100の僕が抗っている世界線とはやっぱり違いますよね。もちろん自分の調子が良ければそこで戦えるとは思っていますけど、向こうも調子が良ければ…ってなります。その差の大きさがこのランキングに出ていると思うので、違いはすごく感じます」

トップ100とトップ50では大きな違いがある。それでも昨シーズンを終えて、身近で戦っていた選手が新たにその狭き門をくぐり抜けたという事実は、久常に「自分もやれなくはない」という気にさせていた。

J.J.スポーン(ランク25位)なんかは、昨年ハワイで一緒に回って『調子良さそうだな』と思っていたら、その後トントン拍子に上にいきましたからね。(ドライバーの)飛距離は僕と変わらないですが、安定性がすごくある。メジャー(全米オープン)に勝ちましたし、差がすごく開いたなって感じがします。でもそこは本当に近い世界線だと思うので、自分も頑張りたいと思います」

PGAツアーのシード選手久常涼 2年目で感じた「トップ50の壁」とは/PGAツアー開幕直前インタビュー
6位で終えた5月「チャールズ・シュワブチャレンジ」で昨季4度目のトップ10フィニッシュ

久常がそう感じることへの根拠もある。この2年間で培った経験があり、相性の良いコースも分かってきているのだ。

「自分が戦えそうなコースはだいぶ見つかってきました。バルスパー(イニスブルックリゾート)だったり、チャールズ・シュワブのコロニアルだったり、成績が良かったところは自分の強みが出せたなっていうのがある。バルスパーなんかはコースがタイトですし、日本に近いような林間系で、やっぱり耐える系のコースが自分は好きってことなんだと思います。開放的でワイドな“飛ばし合い”のコースは、自分のゴルフタイプにはちょっと苦しいかなと考えています」

PGAツアーのシード選手久常涼 2年目で感じた「トップ50の壁」とは/PGAツアー開幕直前インタビュー
3年目のシーズンはハワイで15日に開幕する「ソニーオープン」から始まる

最後に今シーズンの目標を聞くと、「しっかりシードを確保することが第一です。その中で、やっぱり早く優勝したい。そしてトップ50の世界線に入っていきたいです」と、自分に言い聞かせるように話した。

トップ50の壁、そしてPGAツアー初優勝に挑む久常涼の2026年シーズンが開幕する。

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