冬の薄芝では「ランを出す」or「キャリーで攻める」?/甲斐慎太郎
なぜ年末のゴルフでは良いスコアが出にくいのか?
実は難度が高かった“12月の罠”
そろそろ忘年コンペなど、同僚や仲間うちで年末の予定が話題となる頃だろう。だが思い返してみてほしい! 年末のゴルフで良いスコアで上がったことが少ないことを…。寒さのせい? 師走の忙しさで練習できないから?? 疑問を抱いた編集部は、ラウンドレッスンの経験が豊富な松岡輝樹コーチ(ゴルフテック)に話を伺った。
「12月のゴルフを難しくさせている一番の要因は、ゴルフ場に“霜”が降り始めることにあります。朝方にかけて凍った芝が、8時ごろになると霜が溶けてやわらかくなる。この濡れた状態の微妙な芝の対応が、良いスコアを出しにくくしているのです」(松岡)
※初霜の全国平均時期/北海道10月下旬、東北11月中旬、東京12月中旬、名古屋11月下旬、大阪12月上旬、福岡12月中旬)
地面が濡れていると難しい…。なぜ?
「芝が濡れると、上に向かって立っていたものが横に倒れます。そうなるとボールは通常の高さより1mm程度沈みます。春から秋にかけてプレーしていた感覚でスイングするとフェースの下部に当たり、そのままですとトップ、強引に当てにいくとダフリになってしまうのです」(同)
なるほど。確かに冬場のミスはトップが多い気がする。
「12月は春から秋のラウンドで体験していた感覚とあまりにもギャップがあり、そこをうまく把握できないまま午前中を消化してしまう。お昼ごろになると芝が乾くので、これまで通りのスイングにマッチしてきて意外と良いスコアに戻ったり…」(松岡)
季節のギャップによる、午前と午後のギャップにも注意が必要のようだ。
「一方で1~2月の真冬はすでに冬ゴルフに慣れてくるので、割りきってプレーができるため、大振りせず意外とスコアがまとまったりするものです(笑)」と松岡コーチ。
年末ゴルフを難しくしている犯人、それはギャップだらけの難しさを演出する“霜”であることが分かった。年末、何気なくプレーを始める前に一度対処法を考えておくと良いだろう。
解説/松岡輝樹(TERUKI MATSUOKA)
ゴルフテック神田認定コーチ。大学卒業後、茨城県のゴルフ場に練習生として就職。約5年間ゴルフ漬けの生活を経て、PGAプロテストに合格。コース対応やマネジメントなど、実戦的なレッスンを得意としている。
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