「プラン通りいかない」石川遼“薄氷”勝利の収穫
スタート前の1カゴ練習 石川遼は25球で何をしたか?
◇ツアー外競技◇千葉オープン 最終日(6日)◇太平洋クラブ成田コース(千葉)◇6533yd(パー72)
楽しみにしていたゴルフプレーの朝。一般ゴルファーの方は普段、スタート前にどんな練習をしているだろうか。レギュラーツアーで戦うプロなら、ドライビングレンジで何十球でも打ち込むことも可能だが、アマチュアはそうはいかない。マスター室でコインを買い、制限された球数で準備する必要がある。ツアー外競技「千葉オープン」はまさに同じような状況で試合が行われた。スタート前のレンジで各選手に許された球数は1カゴ25球。普段とは違う状況でティオフした石川遼の練習を観察した。
石川の最終日のスタートは午前9時半。ウォーミングアップをしてから1時間5分前の午前8時25分にパッティンググリーンに姿を見せ、まずは2m以内のショートパットの練習を始めた。
隣のドライビングレンジに移ったのは午前8時42分。さっそくボールを打つかと思いきや、素振り用の練習器具で29回スイングした。いったんペットボトルの水を口に含むと、また打席に戻って素振りを17回。肩まわりのストレッチを挟み、さらに12回。パット練習を終えてから、ここまでに7分が経過していた。
午前8時49分、ようやくボールを打った。まずはSWで50ydの距離を2球、そして90ydを2球。AWで約100ydを2球打った。その間、佐藤賢和キャディと練習場の風向きを確認。「正面からになった」とアゲンストの微風を感じると、「1番ホールは右からだね」と早くもスタートホールの状況を頭に思い描いていた。
その後は2球ずつPW、8I、6I、4I、3I、2I、3Wと番手を上げてスイング。ロングアイアンは高い球では185yd先にある防球ネットを越えかねないため、いずれも弾道を低く抑えて打った。3球打った1Wショットも低い球。最後はカゴに残っていた2球をいずれもSWで50ydあまりの距離を確認して、ドライビングレンジを離れた。
この時点で午前9時7分。その後はアプローチ練習場に移動してバンカーショットなどを確認してスタートした。石川が1カゴ25球を打つために、ドライビングレンジで過ごした時間は25分間。実際にボールを打つ数の倍以上、58スイングの素振りをしていた事実は、多くのアマチュアにとって示唆深いかもしれない。(千葉県成田市/桂川洋一)
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