ウェッジかパターか グリーン外からのアプローチの境界線
なぜライン上に影があると難しいの?
気にするなと言われても… 難しいシチュエーション
気にするなと言われても気になるのが、ライン上に影がかった時のパッティングだ。特にこの季節は太陽の位置が低く、木や自分自身の影が長く伸びてラインにかかってしまうケースが増える。そんな時どうしたら良いのか? ティーチングプロの関浩太郎氏にその対処法をうかがった。
難しい原因は“情報量”の差
―なぜライン上に影があると難しいの?
「それは日が当たっている場所と当たっていない場所で、人の眼が得る情報量が変わってくるからです。明るい場所では芝の一本一本まではっきり見えていても、暗い所ではぼんやりとしか見えない。その情報量の差が混在していることで、状況を難しくしているのだと思われます」
ライン上だけでは× 視野を広くもつ
―対処法は?
「影がかかってラインが読みにくい場合は、狭い視野ではなく、なるべく広い視野で確認することをおすすめします。多くのアベレージゴルファーは、ボールとカップを結ぶ線のみで判断してしまいがちですが、ライン上の情報が影で遮られている分、ほかの観点から多くの情報を得ることで補うことが求められるのです」
最低でも3~5m範囲で判断する
―どうすれば良い?
「ラインを読む時には、最低でも3~5m離れた範囲で読むクセをつけましょう。上の写真では、ライン上だけで見ると傾斜が小さすぎてストレートに見えてしまいますが、広い範囲で見ると傾斜が大きく、明確にフックラインであることが分かります。特に影で情報が錯乱している場合は、正しい判断が難しいので、広い範囲から傾斜を判断するように心がけましょう」
ライン読み手順/真横→ボール後方→カップ後方
―広く見るだけでOK?
「うーん。それだけではなかなか難しいので、次は読み方の正しい手順をお教えします。まずはラインを真横から見て、上りか下りかを判断します。そのあとボール後方から、フックかスライスかを大まかに判断。最後にボールの勢いが落ちて一番傾斜の影響を受けるカップ周りを見るために、カップの後方から確認します」
自分の順番前に作業を減らしておく
―3カ所も見る余裕がないのですが…
「そうですね。自分の順番がまわってきてから、この手順を踏もうとすると時間がないと思います。なるべくグリーンに乗った直後や、他の人がラインを読む際など、自分の順番がまわってくる前に、ライン横からとボール後方からのチェックを済ませておくことをおすすめします」
影がかかった分を情報量でカバー
―最後にアドバイスを…
「今回は影によって遮られた分を補うために多くの情報を得るようにお伝えしましたが、実は影のあるなしに関わらず、読みにくいラインはすべて多くの情報量を得ることが求められます。ラインの上下左右を広い範囲で確認し、多くの情報量を把握してから距離感や傾斜を総合的に判断してみてください」
撮影協力/ロイヤルスターゴルフクラブ、SEKI GOLF CLUB 目黒
関 浩太郎 プロフィール
高校卒業後に渡米し、カリフォルニアプロツアーを転戦。帰国後は有名クラブ職人に弟子入りし、クラフト技術を習得。現在は「SEKI GOLF CLUB目黒」を主宰。分かりやすく明確なティーチング&フィッティングで多くのアマチュアから支持を受ける。
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