2大会連続で五輪へ TOKYO・金の思い出/ザンダー・シャウフェレ特別手記
■デサントのウェアで今季も好成績を続けてパリ五輪へ
日本の皆さんこんにちは。ザンダー・シャウフェレ(Xander Schauffele)です。
8月の「パリ五輪」出場が決まりました。
僕たち米国も代表争いが最後まで熾烈でした。国を代表して五輪の舞台でプレーできることは何よりの名誉。パリで戦える機会を得られたこと、そして金メダルを防衛するチャンスを手にできたことに心を躍らせています。
毎年のように、欧州選抜との「ライダーカップ」、世界選抜との「プレジデンツカップ」といった各国の最高峰の選手たちとの対抗戦にも参加していますが、それぞれの試合がユニークで、毎回違った挑戦があります。
ただ、僕にとっては東京で金メダルを手にした五輪はやっぱり特別。
2021年の「東京五輪」はなにせ、新型コロナウイルスによる様々な決まりと制限に都度対応しながら、日本で過ごすことが一番のチャレンジでした。人々の健康と安全を一番に考えれば当然理解すべきもの。あらゆる方々の協力がなければ、試合は成立すらしませんでした。
小さい頃から日本を何度も訪れてきたとはいえ、会場の霞ヶ関カンツリー倶楽部をプレーするのは当時が初めて。コース攻略の作戦を慎重に練り、丁寧に実行する必要がありました。とにかく自分の強みを生かしたゴルフにフォーカスを当て、キャディのオースティンといくつもの攻め方を相談しました。
表彰台で国歌を聞いたとき、特別な感情が湧いたのを覚えています。東京での金メダル獲得は、日本にルーツのある僕たち家族にとっての夢がかなった出来事といえるでしょう。今も東京に住む祖父母とも喜びを分かち合えました。
中でも父のステファンにとっては別の意味でも特別です。父はかつて十種競技のドイツ代表選手として五輪を目指し、不運の事故から競技人生をあきらめなくてはならなかった。思い出の金メダルは、今も両親のもとにあります。
パリに渡るのは何度目でしょうか。歴史や文化、活気に満ち溢れた素敵な街でのプレーが待ち遠しい。五輪の舞台で、今度こそ大観衆の前でトップレベルの争いができることを楽しみにしています。
ザンダー・シャウフェレ(Xander Schauffele)
1993年10月25日、米カリフォルニア州サンディエゴ生まれ。サンディエゴ州立大を経て2015年にプロ転向。17年「ザ・グリーンブライアークラシック」でPGAツアー初勝利を飾ると、プレーオフ最終戦「ツアー選手権」で2勝目を挙げ、ルーキー・オブ・ザ・イヤーに輝いた。21年「東京五輪」の男子ゴルフ競技で金メダルを獲得。24年5月「全米プロゴルフ選手権」でメジャー初優勝。PGAツアー通算8勝。