履いた瞬間に「なんかいい」ゴルフシューズの秘密
1963年にデンマークで誕生したシューズメーカーの「ECCO(エコー)」は、今や世界約90カ国で展開。創業当時から変わらず追求し続けている「最高の履き心地」が、多くの人々を魅了している。1960年代、社会への女性進出に伴い働く女性のためのパンプス「Venus」をヒットさせ、履き心地と歩きやすさを両立させたことで大人気を得て、その後は紳士靴、スニーカー、アウトドア、ランニングなどのカテゴリーに進出している。
ゴルフシューズへの参入は1996年。「一度履いたらやめられない」、「履いてみると、なんかいいよね」と評されるシューズを生み出し、ファンを増やしている。今回はエコーの魅力を掘り下げ、エコーの「なんかいい」理由を明らかにしていく。
「最高の履き心地」の基礎は皮を革にする技術
エコーのユーザーが口を揃えて言うのは、「ピタッとくる」、「しっくりくる」、「吸い付くような感触」といった感想。要はフィット感が気持ち良いということだろう。この表現し難い感覚的な気持ち良さこそ「最高の履き心地」であり、足が快適な状態にあることを意味している。
創業者のカール・ツースビーは靴職人で、これまで世の中になかった「最高の履き心地」の靴作りを夢に工場を立ち上げた。そこから歴史が始まったわけだが、当時から一貫して守り続けてきたのが天然皮革の使用だ。コストも高く、製作の手間もかかる天然皮革にこだわる理由をエコーのスポーツ部スポーツ用品課販売チームの平賀充隆(敬称略、以下同)が説明する。
「履き心地において、エコーが他社と比較して最も違う点は素材にあります。天然皮革、これを自社で生産しています。この『生の皮』を『加工した革』にする技術において、どこよりも長けていることが、シューズに足を入れた瞬間に、『なんかいい』という表現につながるのです」
最高の履き心地を追求する上で、天然皮革は絶対に欠かせないピースとなっている。
“呼吸”することでシューズが足に馴染む
「人工皮革と違い、天然皮革は伸縮性と柔軟性に優れています。そこに強みが詰まっているわけです。アッパーのレザーまで製造しているシューズブランドは稀有な存在。天然皮革は人間の皮膚と同じく呼吸をするため、汗を取り除いたり、余計な湿気を逃してくれたり、履くほどに自分の足に馴染んできます。人の足に寄り添ってくれるのがエコーのシューズの特徴です」
レザーが人の足に馴染むことやアッパーの質の違いが履き心地の違いとして如実にあらわれることに早くから気づき、それらを頑なに守ってきた。だからこそ、天然皮革にこだわり、皮の調達から販売まですべてを自社で行なっているのだ。