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エコー特集
2025/02/28

「最高の履き心地」を追求するシューズメーカーの挑戦

連載:こだわりのシューズ作りに受け継がれる伝統
2025年 エコー特集 「最高の履き心地」の秘密とは(撮影:岡崎健志)
「最高の履き心地」の秘密とは(撮影:岡崎健志)

1963年にデンマークで創業したシューズメーカー「ECCO(エコー)」は1996年にゴルフ分野に参入した。こだわり続けてきた“最高の履き心地”をゴルファーにも提供し、ユーザーに快適性をもたらしている。

特徴としてもっとも強調されるのが「フィット感」だ。日本国内でエコーを輸入・販売する株式会社大沢商会のスポーツ部スポーツ用品課販売チームの若月建吾氏に深掘りして聞いた。

木型(ラスト)から生まれる“履き心地の良い靴”

2025年 エコー特集 靴づくりを支えるラスト(木型)には徹底的にこだわっている(提供:エコー)
靴づくりを支えるラスト(木型)には徹底的にこだわっている(提供:エコー)

エコーのシューズが自社工場で製造される「上質な天然皮革」を使用していることは、つとに知られている。これに加え、独自の製法などが履き心地を支えている。快適な履き心地を決定づけるのは、創業当初から徹底的にこだわってきた「ラスト」と呼ばれる木型の開発と設計だ。

創設者のカール・ツースビーが生み出した「アナトミカル(解剖学的)ラスト」は、足の土踏まずのカーブに沿うよう立体的に設計されている。若月氏によれば、これこそが履き心地の良いシューズが生まれる原点だという。

「エコーには、『靴は足の機能に従うべきで、その逆はない』という哲学があります。靴が足の形に沿ってしっかりと馴染むことで、フィット感が生まれるのです」

2025年 エコー特集 「人間工学に基づいた“ラスト”こそが、エコーの履き心地の良さの原点」と若月氏は語る(撮影:岡崎健志)
「人間工学に基づいた“ラスト”こそが、エコーの履き心地の良さの原点」と若月氏は語る(撮影:岡崎健志)

設計にはエコーが長年蓄積してきた「2,500人近くのスポーツ選手の足のデータ」が活用されている。

「スポーツ選手の足は、一般の人よりも運動機能が発達しています。その動きや形状を分析することで、ゴルフを含むスポーツシーンで理想的な足の動きをサポートする形状を導き出しました」

単に土踏まずのアーチに合わせるだけでなく、「甲の高さから、かかとの形、つま先の幅まで、あらゆるデータをもとに設計しています」といい、人間工学に基づいたラスト、というわけだ。

一体成型製法が生み出すかつてないフィット感

2025年 エコー特集 エコーの独自技術「フルイドフォルム・テクノロジー」(提供:エコー)
エコーの独自技術「フルイドフォルム・テクノロジー」(提供:エコー)

ラストへのこだわりに加え、ブランド独自のテクノロジーがエコーならではのフィット感を生み出す。「FLUIDFORM TECHNOLOGY(フルイドフォルム・テクノロジー)TM」と呼ばれる製法がそれだ。

「フルイドフォルム・テクノロジーは、靴の表面部分(アッパー)と靴底のクッション部分(ミッドソール)を一体成型する技術です。一般的な靴は、ソールを接着剤や縫製で固定しますが、この技術では液状のポリウレタンを金型に直接流し込み、靴の土台を成型します。その上から、ラスト(木型)に取りつけたままのアッパーを重ねて一体化させます。ポリウレタンが固まる前にラストを押し付けることで、形状がそのまま反映されて立体的なソールが完成します。そうすることで、足裏に驚くほどフィットするミッドソールが生まれるのです」

一般的な靴作りとは大きく違い、技術力と手間がかかる製法だが、その分、抜群のフィット感と履き心地が得られるのだ。

2025年 エコー特集 靴作りは日々の研究によって進化している(提供:エコー)
靴作りは日々の研究によって進化している(提供:エコー)

一体成型のメリットはそれだけにとどまらない。

「ミッドソールに使用するポリウレタン素材は、クッション性が高く、形状記憶しやすい性質を持っています。足裏のカーブに沿って立体成型された本底が足とぴったりフィットし、靴の中で足がズレにくくなり、スイング時の安定性が向上します。特にゴルフシューズでは、スムーズな体重移動や踏ん張りが求められますが、この技術がそれをサポートできるのです」

フィット感の向上は「疲労軽減」にもつながっているという。

「通常、体重はかかと・母指球・小指球の3点にかかりますが、フルイドフォルム製法によって足裏全体で体を支えられるようになります。その結果、歩行時の衝撃が分散され、長時間のラウンドでも疲れにくくなります」

まるで体の一部のような履き心地を実現――最新モデル『BIOM H5』

2025年 エコー特集 エコー2025年最新作 BIOM H5(撮影:岡崎健志)
エコー2025年最新作 BIOM H5(撮影:岡崎健志)

「ゴルフシューズに求める機能」をさらに追求し続けて生まれたのが、2025年の新作『BIOM H5』だ。「PHORENE(フォーレーン)TM」という新素材をミッドソールに採用している。

「これはエコーが独自に開発したポリウレタン素材で、反発性・柔軟性・クッション性に優れているのが特徴です」

2025年 エコー特集 グローバルアンバサダーのリディア・コ選手(提供:エコー)
グローバルアンバサダーのリディア・コ選手(提供:エコー)

履き口にはニット素材を採用し、足に余計なストレスをかけない設計になっている。「歩行時の動きを邪魔しないよう、アッパーと一体化したニット素材の履き口となっています。これにより、靴がまるで体の一部のようにフィットし、快適な履き心地を実現しています」

山脈や岩肌など、自然をモチーフにしたデザインも印象的で、ゴルフシューズとしての機能性だけでなく、デザイン性も兼ね備えたモデルに仕上がっている。

“最高の履き心地”を追求するエコーの挑戦

2025年 エコー特集 “最高の履き心地”を目指して(撮影:岡崎健志)
“最高の履き心地”を目指して(撮影:岡崎健志)

「エコーは常に“最高の履き心地”を追求するシューズメーカーです。お客様が履いた時に感動し、新しい発見があるような靴づくりを目指しています。ぜひ、その履き心地を体感していただきたいです」

こだわり抜いた木型の設計、独自の一体成型技術、そして最新の素材開発。履き心地の良い靴は、決して偶然生まれるものではなく、徹底した研究と開発の結晶なのだ。

撮影協力:カレドニアン・ゴルフクラブ

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