唯一無二の“ツアー仕様”スパイクレスの地位を確立するまで
近年、スパイクレスシューズが目覚ましい進化を遂げている。かつては気軽にゴルフを楽しむカジュアル派のアイテムだったが、世界の主要ツアーでNo.1のシューズ使用率を誇る「フットジョイ」がその概念を変えた。
ツアー仕様のスパイクレスという新ジャンルを開拓し、プロから高い信頼を獲得することで、ツアーでの使用者が急増しているのだ。
新ソール形状によりスパイクを超えるグリップ力へ
スパイクレスのゴルフシューズが一般に認知されたのは約30年前のことだが、長らくプロや競技志向のゴルファーからは敬遠されてきた。コースや練習場の行き帰りに履き替える必要がない気軽さが一般ゴルファーに受け入れられる一方で、ゴルフシューズとしての性能はスパイクよりも下と見られてきたためだ。
そんなイメージを一新したのが、フットジョイから登場した「PROSL」シリーズ。プロ(PRO)が着用するスパイクレス(SL)を意味しており、2016年の初代モデルの発売以来、世界トップレベルのPGAツアーでダントツの使用率を誇るスパイクレスシューズとして、唯一無二の地位を獲得している。
大きなポイントは、世界トップツアーレベルの戦いでも威力を発揮するグリップ力だ。アクシネット ジャパン インク社フットジョイ事業本部の星裕介本部長は「アウトソールにある一つひとつのラグ(突起)がどのように働いているかを検証し、配置や数、場所によって最適な形状に変えることで、スパイク以上のグリップ力を作り上げました。それが8の字が特徴的なインフィニティアウトソールです」と説明する。ソール形状を研究し尽くすことで、スパイクに負けないレベルのグリップ力を得ることに成功した。
「軽量=疲れにくい」シューズの誕生を喜んだ賞金王
グリップ力が向上したことで、スパイクレスの長所が合わせて際立ってくる。そのひとつが軽量であるということ。長時間歩くスポーツであることを考えれば、これはメリット以外の何物でもない。
以前から軽量モデルを好んでいたものの、軽量かつ機能性の高いシューズがないことに悩んでいた今平周吾は2016年発売の初代から「PROSL」シリーズを愛用。それまでの本格ツアーモデルと軽量モデルのいいとこ取りをしたシューズの誕生を喜んでいたという。