ゴルファーの夢を実現 フジクラが生み出す垣根を越えた「刺激」
■マーク金井さんは常連 川上憲伸さんは初の決勝
大会を楽しみにしているのはジュニアだけではない。第1回大会(予選)から挑戦し、2022年に決勝ダブルス部門で優勝しているクラブアナリストのマーク金井さんは、今年も予選を突破して決勝へ。「アスリートライクなシングルからフレンドリーなダブルスまで、同じ舞台でできる。これからの若手選手とか、試合のチャンスが少ない選手らにとって非常に意義のある大会。ゴルフを盛り上げようという素晴らしい大会」と話す。
同じくダブルス部門で初めて決勝に進出した選手の中には、元プロ野球・中日のエース、川上憲伸さんの姿も。「ゴルフは想像通りにいかないという緊張感がある。予選は参加した感じだったが、決勝は恥をかけない。知らないコースで、知らない一般の方とプレーができて、全国のレベルもわかる」と大会の魅力を語る。ちなみに、使用シャフトは『ベンタス ブラック』の7X。夏場は8Xを挿すという“剛腕”だった。
■プロとアマ&ジュニアがお互い「刺激に」
第1回大会で優勝した塩見好輝は7回連続出場で、いまや“ミスター・スピーダーチャレンジ”だ。「いつも女子なんですよ」と、今大会も中高生、一般アマチュアの女子3人と同組に。「でも女子のジュニアと回る機会はこの大会しかない。男子のジュニアに比べると成長が早く、出来上がっている印象。公式の試合ができるようなゴルフ場でできるのはジュニアにとってもいいこと。楽しみにしているアマチュアの方も多いのでぜひ続けてほしい大会」と話し、自身は「皆勤賞を目指す」と宣言した。
女子プロでは、ツアー2勝の永峰咲希が今大会5回目の出場。同組の中高生について「自分がその年齢のときと比べると飛距離も出ているし、上手な選手が多い。普段と違った雰囲気の試合で緊張感もある」。昨年総合優勝の山内は「ラフでどう打つのか、練習ラウンドで大事なこととか、細かい質問でレベルが高いなと思った」と相談を受けながらのラウンド。「教えつつも自分にも言い聞かせて、刺激になった」と話した。
また、日本ツアー2勝の幡地は「最近の中学生はメンタルもコントロールできている。いい印象を受けた」と感心。ルーキーで初シードを獲得した岡田晃平は今大会初参加。「僕は学生のときに、こういう経験がなかった。ツアープロと回れるのはすばらしい企画。見て学ぶことが大事なので、こういう機会はうらやましい」といい、女子ツアー1勝の神谷そらは「この大会から注目選手が出てくれたら」と期待を寄せた。
■次世代プロゴルファーへの道
競技(パー72)は「68」で回った山内が2年連続でプロ・研修部門優勝。「67」をマークしたアマチュアシングル部門1位の岡田圭太とジュニアシングル部門1位の野口笑里(関市立小金田中3年)が総合優勝をかけてプレーオフ(9番/パー3)となり、岡田がパーで決着をつけてアマチュアとして初めて総合Vに輝いた。
野口はツアープロとのラウンドはこれが初めてだったという。「ベストスコアで優勝できてうれしい。プロの方と回って優勝できたのは自信になります」と表彰式でようやく緊張がほぐれて笑顔に。「プロは高3の現役中に合格したい」と早くも将来を見据える。
総合優勝を果たした岡田は今年、ネバダ州立大学リノ校を卒業した22歳。帰国した際に初めて出場した今大会の予選を突破して臨んだ決勝だった。12月にはアジアンツアーのファイナルQTに臨んだ。「今年が終わったらプロになります」と力強く言い切った。
藤倉コンポジットの飯田さんは「ここに出て、プロになってまた帰ってきてくれれば」とアマチュア選手に期待。ゴルファーの夢を実現する全く新しいゴルフイベントから生まれた次世代の選手がプロとして活躍する日はそう遠くない。