ミスしたときの飛距離の“落ち幅”が違う!「ZXi5」はやさしいアイアンの進化形/谷口拓也 #深夜試打
スリクソンの新「ZXi」アイアンシリーズの中で、飛距離性能、操作性、寛容性を高次元でバランスよくまとめた「ZXi5 アイアン」。新フェース肉厚設計「MAINFRAME iQ」により、優れたボールスピードと寛容性を追求するとともに、低重心化によって高弾道を実現した。そんな「飛ばせる、操れる、ミスにも強い」オールラウンドモデルを、ツアー通算2勝の谷口拓也プロが試打評価する。
「やさしいけれど構えやすい顔。ミスしても飛距離が落ちにくい」
―率直な印象は?
「構えやすいですね。グース加減もそこまで強く入っていないですし、ネックからフェースへのつながりもすごくきれいです。ヒール側が低めでトウ側が高い形状が好みなのですが、今作はまさにそういう形状で、少し逃げ感もあってかぶって見えないので、すごく構えやすい好みの顔です。ヘッドサイズは小ぶりではありませんが、それほど大きくは見えないので、やさしさは十分残しつつ、ボテッとした厚みが邪魔になる印象はありません」
―打感は?
「もう少しフェースに球が乗るような感触をイメージしていたのですが、実際にはちょっと弾く感じがあり、見た目から想像した打感とは少し違いました。悪いということではなく、飛距離性能につながる弾き感。ただ、このシャープな顔を見ると、僕自身はもう少し乗るようなしっとりした感触を期待してしまう。そういう意味で、見た目と打感が少し一致しなかったという印象です」
―前作(ZXi5 アイアン<2025年>)との違いは?
「顔やヘッド形状は、それほど大きく変わっていないと思います。同ブランドらしいソール形状も踏襲されていますし、構えたときのイメージも大きく変わりはありません。ただ、今のアイアンはフェースのどこを薄くして、どこに重量を持っていくかという設計がかなり細かく施されています。見た目を変えなくても重量配分によって、寛容性や球の上がりやすさは変えられる。今作もシャープな形状を残しながら、十分なやさしさを発揮しています。“やさしいアイアン”の1モデルであることは間違いないですが、その形を少しずつ進化させているように感じました」
―飛距離性能は?
「このタイプのツアーモデルで大切なことは、とにかく遠くへ飛ばすことではありません。ナイスショットに対し、少し芯を外したときに7yd落ちていたものが5yd、2yd…になる、その差を縮めることのほうが重要。アイアンは縦の距離を合わせるクラブなので、ミスしたときに飛距離が落ちにくく、前後の差を小さくできることが最も大切です。今作は弾き感があって飛距離性能は高いと思いますが、単にそれだけではなく、ミスしても飛距離が落ちにくいアイアンに仕上がっています」
―純正シャフト「NSプロ モーダス3 ツアー105」との相性は?
「日本シャフトのこのスチールシャフトは、他モデルと比べて後発にはなりますが、今ではかなりポピュラーなシャフトです。使っているゴルファーも多いですよね。特に『ZXi5』と組み合わせると、大きくヘッド性能が活きてくるとか、クセが急に強く出るような感じはなく、とにかく多くのゴルファーに合わせやすい。重量帯(単品硬さSで106.5g)を含め、『120』では重すぎる、『950GH』では軽すぎる、そんな感想を抱いている多くのゴルファー層にマッチする組み合わせといえます」
―どんなゴルファーに合う?
「競技志向のゴルファーに合うと思います。ヘッドが大きすぎるわけでもなく、グースもそれほど強くは入っていない。一方で、実際に打つとしっかりやさしさがある。目安としてはハンディキャップ15以下、スコアでいえば90前後からでしょうか。大きなヘッドが好きではないけれど、ミスへの強さは欲しいという人に合うと思います。さらに上のレベルの人なら、よりシャープな『ZXi7 アイアン』と組み合わせる“コンボ”の選択肢もあるでしょう。見た目はアスリート系ですが、性能的にはかなり助けてくれるアイアンです」
狙った距離にまとまる! シャープさと寛容性を両立したNEW『5』【総合評価4.1】
【試打結果(7I平均)】
総距離:168.2yd
キャリー:164.1yd
ヘッドスピード:37.7m/s
初速:51.9m/s
スピン量:5478rpm
打ち出し角:20.6度
【飛距離】4.5
【打感】3.5
【寛容性】4.0
【操作性】3.5
【構えやすさ】5.0
・ロフト角:31度(7I)
・使用シャフト:NSプロ モーダス3 ツアー105(硬さS)
・使用ボール:横須賀グリーンゴルフ専用レンジボール
取材協力/トラックマンジャパン、横須賀グリーンゴルフ
■ 谷口拓也(たにぐち・たくや) プロフィール
1979年9月17日生まれ、徳島県出身。2003年のプロデビュー年に賞金シードを獲得。04年『アイフルカップ』で初優勝し、賞金ランク20位で最優秀新人賞を受賞。08年『サン・クロレラクラシック』で2勝目。数多くのトッププレーヤーを指導したコーチ、ピート・コーウェン氏に師事しレッスン技術を学ぶ。妻は国内女子ツアー3勝の一ノ瀬優希。