打点ズレに強くて打感がソフトに コブラ キング LTDx ドライバー
【ホッシー】
コブラの「キング LTDx」シリーズには3タイプのドライバーが用意されています。今回試打する「キング LTDx ドライバー」は、その中間に位置するスタンダードなモデルになりますね。慣性モーメント値が5000g・cm2を超えつつ、低重心化も実現しているそうです!
【ツルさん】
コブラというメーカーは昔から、ドライバーは高慣性モーメント設計で曲がりにくく、パワーヒッターがぶん回しても直線的に飛ばせる性能のモデルを作り続けています。前シリーズの「RADSPEED(ラッドスピード)」からは、ソールのフェース寄りにウェイトを配置することでボールの初速アップにも取り組んでいます。独創的でありつつ、かなり先進的な試みを取り入れているんですよね。
【ホッシー】
従来のシリーズと同じく、フェース全面がミルドされているのも特徴的です。ヘッドの投影面積が大きくて、曲げずに打てそうな安心感があります。
【ツルさん】
前シリーズまではフェースのミルド痕(切削加工による細い溝)がトップラインまで回り込むような作りになっていましたが、ロフトがつきすぎているように見えるという意見を受けて、そこは改善されたそうです。確かに見た目の特殊さがなくなっているし、ソールのすわりが良くてフェースアングルもスクエア。とても構えやすいドライバーですよ。
【ホッシー】
打ってみると、打感がイメージしていた以上にやわらかい! 前作の「RADSPEED」はもっとカチっとした硬めの打感でしたが、「キング LTDx」はフェースにボールがくっつくようなフィーリングが得られます。それに曲がりにくい。ミスヒットしたときにもサイドスピンが入りにくく、なんとかコース内にはボールがとどまってくれそうです(笑)。
【ツルさん】
オフセンターヒットに強いですよね。とくにフェース下目のミスヒットにも強いのが印象的です。打点がバラける多くのゴルファーが恩恵を受けられるモデルですよ。打点が変わっても、打感がほとんど変わらないのも特徴的です。
【ホッシー】
打ち出し角とスピン量は、飛ばせる適正値に収まりました。僕のスイングだとロフト角10.5度の標準設定のままで、キャリーとランのバランスが良い弾道が打てました。頑張って球をつかまえにいくと左にまっすぐに飛ばすミスも出ましたが、これはスイングやシャフトの影響もあるかと。
【ツルさん】
標準シャフトの「TOUR AD for Cobra」は、ヘッドスピード47m/sのホッシーにはアンダースペックですね。重さはあるけれど、中間から先の剛性が足りずに戻ってこないし、押し込んでもいけなくて中途半端な感じがしました。
【ホッシー】
もし僕がこのドライバーを使うなら、ロフト角10.5度でカスタムシャフトを装着したいですね。曲がりを抑えて飛ばせそうです! ツルさんは、全体的にどんな印象を持ちました?
【ツルさん】
ソールのフェース寄りにウェイトが配置されていることで、スイング中に重さや振りにくさをあまり感じないし、意外とヘッドを動かしやすい。高慣性モーメント設計で打点ズレにはめっぽう強いけれど、完全にオートマチックなドライバーではないところが特筆すべきポイント。これが新時代のヘッド設計なんだなぁと感じました。ただし、オートマチックさを求める人のなかには、昔のコブラのほうが良かったという人も出てくるでしょうね。
■ 試打したクラブのスペック
コブラ キング LTDx ドライバー
●ロフト角:10.5度 ●シャフト:TOUR AD for Cobra ●硬さ:S
■ マイクラブ情報
ホッシー:テーラーメイド SIM MAX ドライバー
●ロフト角:10.5度 ●シャフト:Diamana TB 50 ●硬さ:S
ツルさん:キャロウェイ ローグ ST MAX LS ドライバー
●ロフト角:9度 ●シャフト:VENTUS TR BLUE 6 ●硬さ:S
■ ホッシー プロフィール
1978年生まれのGDO編集部員。以前に「ゴルフガレージ」で店舗スタッフをしていた経験があり、過去のゴルフクラブ情報にも詳しい。ドライバーのヘッドスピードは47m/sとアマチュアゴルファーにしては飛ばし屋。けれど、球が左右に散らばるのが悩み。持ち球は低めのフェードでアイアンも低弾道。平均スコアは95くらい。
■ ツルさん プロフィール
1974年生まれ。シングルの腕前を持ち、ギア関連の記事を多く手掛けるゴルフライター。ライフワークとして、日々ゴルフの最新情報を収集している。ドライバーのヘッドスピードは45m/s前後。たいていカラダのどこかしらの箇所が痛く、自由にスイングできないのが悩み。いつもスイング改造中。現在の持ち球は中弾道のフェード。