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今回のテーマは短いだけの「赤ティ」に一石 ゴルフ場が取り組む男女差解消 ~ザ ナショナル CC 埼玉

ゴルフ日和

短いだけの「赤ティ」に一石 ゴルフ場が取り組む男女差解消 ~ザ ナショナル CC 埼玉

これまで女性同伴でラウンドすることがあっても、特に気に留めることがなかった“ある場所”に、今後は注目してしまうだろう――。

女性用に設置されたレディスティ、通称「赤ティ」の状態や位置だ。そもそもフェアウェイの端にあることが多いうえに、極端に狭かったり地面が平らでなかったり。ときには谷底からのひどい打ち上げだったり、コース形状に対してとんでもない角度からのショットを強いられる場所にあったり…。レギュラーティと比べて、爽快感やコース攻略の楽しみを半減させてはいないか。

埼玉県秩父市にあるザ ナショナルカントリー倶楽部 埼玉の坂本拓也総支配人(51)は、そんな状況に違和感を覚え、現在まで大がかりな赤ティの改修を進めている。取材を進めると、近年は同コースの女性客比率が高まっているという理由が、はっきりと見えてきた。

男性には気づきにくい女性のニーズ

坂本さんは、20代のころはプロツアーでの活躍を夢見てゴルフの練習に励み、30代のときにはティーチングプロとして生計を立てようとした時期もある。現場レベルでゴルフ業界に携わり、長くその実状を目の当たりにしてきた。中でも女性ゴルファーの伸び悩みは、喫緊の課題とされながらもいまだ解決には至っていない。6年前に同コースの運営のかじを取るようになってからは、率先して女性ゴルファーのプレー環境改善に向けて力を注いできた。

もともと母数が少ない女性ゴルファーを急増させるには限界がある。それならば、まずは細やかな配慮によって「またラウンドしたい」と思える環境を作る。坂本さんは「たくさんの女性客や妻、知人にヒアリングする」ことで、男性が気づきにくい、女性のゴルフ場への要望を必死にかき集めた。

赤ティからの池越えに100yd以上を要する3番(パー4)では、女性客の「ボールがもったいないから、いつもいらないボールに替える」という声を聞いて、赤ティに大量のロストボールを置いて自由に使えるようした。「以前は男性と同じものを設置していて不評だった」という女性浴場のシャンプー類は、市販の人気製品をリサーチし、数種類を並べることで女性の多様な好みに応えた。温泉旅行に同伴した妻が、ホテルに備え付けられた小さなドライヤーで髪の毛を乾かすのに苦労していた様子を見て、女性浴場のドライヤーをすべて出力の高いものに変更した。冬場にはブランケットやカイロを配るなど、どれも好評で今も続けられている。

レディスティ改善プロジェクト

一方で「小手先の集客に走っても意味がない」ことも自覚している。例えばクーポンの配布やプレーフィの割引、ワンドリンクやデザートのサービス、男性3人と同伴で女性は無料になるなどの特典は、「一時的に女性客が増えたとしても根本的な改善にはなっていないと思います」と断言する。

「根本的な改善」に向けて坂本さんがこだわったのが、女性ゴルファーを考慮していない旧態依然としたコース設計。その起点となる赤ティの改修だった。「当然、女性もプレーを楽しむためにゴルフ場に来ています。いいスコアで回ること、男性同様に気持ちよくゴルフができることが大前提として大切だと思います」。

かねて抱いていた、距離を短くしただけで適当に“後付け”されたような赤ティにより、男性と同じように戦略的にゴルフを楽しめない “格差”への疑念。例えば同じパー4の2打目でも、男性はショートアイアンやウェッジでピンを狙えるのに、女性はフェアウェイウッドしか握れないようなケースは多い。そんなホールばかりが続けば、ゴルフというスポーツの本質であるスコアに挑む意欲も失せてしまうだろう。

改修後の象徴的なホールのひとつが、レギュラーで587ydと最も長い1番(パー5)だ。レギュラーティから230yd地点にあるIPフラッグのすぐ横に赤ティを設置し、ほぼ男性の2打目地点から打ち下ろしのティショットを打つことができる。18番(パー3)でも、202yd設定のレギュラーティのはるか前方、約半分の残り100yd付近まで赤ティを前進させた。

「ゴルフを楽しめる」レディスティを

当然ながら「ティエリアを作り直すのは、時間もお金もかかるので大変です」と簡単ではない。2016年からスタートした取り組みは今も続き、15番と17番の赤ティを改修中だ。現在、赤ティの総距離はベント4912yd、高麗4662ydで、5000ydを超えることが多い一般的なゴルフ場と比較すると明らかに短い。その他の取り組みも相まってか、昨年4月から1年間の平日女性客の比率は全国平均19.3%(※)を上回る22~23%を記録した。

戦略性を楽しむとともに、スコアも追求できるコース作りを目指す坂本さんは、「普段110~115くらいで回っている女性でしたら100を切れると思います」と太鼓判を押す。「ここで回るとセカンドでしっかりグリーンを狙える」「いつも負ける旦那にここだと勝てる」などといった女性客から届く声は、この取り組みの成功を実感できる何よりのフィードバックだ。

もちろん、男性と同じように腕前に合わせたティイングエリアの選択が可能。レギュラーティと赤ティの間にはゴールドティを設けており、「赤ティが物足りなければ、ぜひゴールドティを使ってほしい」というから抜かりがない。

ゴルフ業界のリアル

高校入学後からゴルフ界に携わり続けてきた坂本さんは、「昔はとくに女性が入り込みにくい雰囲気はありました。ビジターだと全体の5%もいなかったと思います」と平成初期の当時を振り返る。バブル期でプレー単価は高く、今よりも男女の賃金格差があった時代。市販されている女性用のクラブも今ほど多くはなく、体力に合わない重いモデルを使わざるを得なかったことなども踏まえると、当時の女性にとってゴルフを楽しむことへのハードルの高さが想像できる。

また、女性ゴルファーに対するネガティブなイメージや偏見も少なからずあったようだ。「女性と一緒に回るとプレーが遅くなって大変なイメージがあったと思います」。前の組に女性を見かければ、「女がいるのか。今日は帰りが遅くなるなあ」という嫌味を、わざわざ本人に聞こえるように声にする人がいたほどだという。坂本さんの女性ゴルファーに向ける並々ならぬ熱意は、こうした実状を目にし、耳にしてきた経験もあって、熟成されていったものなのかもしれない。

「ゴルフが大好き」だからこそ

各ゴルフ場は時代とともに性別の垣根をなくす意識を強めつつあるが、決して一枚岩とはいえない現状もうかがえる。例えば、男性用のロッカールームや浴場が圧倒的に広く作られているなどの物理的な事情もあり、「急に女性が増えても困ってしまうので、とくに歴史があって名門といわれるコースほど、女性を増やしていこうという雰囲気にはなっていないと思います」と坂本さんはいう。

「昭和」の常識に疑問を感じつつも「平成」を惰性で乗り切ってしまった結果、「令和」になった今も、ゴルフ場に当たり前のように残るジェンダーギャップ。その名残のひとつである“適当な赤ティ”の改修は、ゴルフを愛し、「地元をこよなく愛する秩父生まれ秩父育ち」と自称する坂本さんだからこそ、時間と費用をかけて推し進められているのかもしれない。

常識を変えていくことは容易ではないが、ゴルフ界を衰退させないためにも、業界が足並みをそろえマストで取り組んでいくべき課題である。「ゴルフが大好きなんです」と語る坂本さんのまっすぐな目を見ていると、そう感じずにはいられなかった。(埼玉県秩父市/柴田雄平)

※出典:「レジャー白書2021」(公益財団法人・日本生産性本部の余暇創研)

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