キャロウェイ「パラダイム ドライバー」はローグ STを超えるのか? 注目はミスヒットへの強さと低スピン
【ホッシー】
キャロウェイから2023年の新シリーズが登場し、「パラダイム」という新しい名称になりました! ドライバーは4つのモデルが用意されていて、今回試打する「パラダイム ドライバー」はスタンダードモデルとして位置づけられています。クラウンは光沢のあるネイビーとマットブラックのツートンカラー。このカラーリングやデザインも新鮮ですね。
【ツルさん】
ヘッドのソール部分には「フォージドカーボン」という素材を新たに採用しています。クラウンは従来どおり「トライアクシャルカーボン」が使われているので、ヘッドの中央部分はぐるっと360度カーボン素材です。フォージドチタン製のフェースは、AIによって偏肉設計されています。ヘッド内部でクラウンとソールをつなぐ柱状の構造「ジェイルブレイクテクノロジー」は、AI設計により新デザインになっているそうです。
【ホッシー】
ヘッドの構造が大きく変わり、AIを使ったテクノロジーも改良され、まさに新技術がてんこ盛りになっているのですね。さっそくロフト角9度、標準シャフトのフレックスSで試打してみましょう!
【ツルさん】
フェースアングルはスクエア。アライメントを取りやすいヘッドですね。2022年モデル「ローグ ST MAX ドライバー」と比べると、ヘッド自体が少し引き締まって見えます。打ってみると、打感は「ローグ ST MAX」よりも重厚です。そして弾道計測数値を見て驚いたのですが、思いのほかスピン量が少ない! フェースが開いて下目に当たった右へのフケ球でも2800回転、ストレートな弾道を打てたときには適正な打ち出し角をキープしつつ、2000回転を下回ることもありました。
【ホッシー】
僕がロフト角9度のモデルを打つと、球が上がり切りませんでした。ツルさんと同じく、右へのフケ球が出ましたが、それでもスピン量は1900回転。僕はもともと弾道が低くてスピン量が少ないタイプなので、ロフト角は10.5度のほうが良さそうです。
【ツルさん】
今作はシリーズの中でスダンダードな性能のモデルとして位置づけられていますが、僕の印象では商品名に「LS」(ロースピン)と付いていてもおかしくないくらい、めちゃ低スピンなモデルです。それでいて、打ち出し角はちゃんと出てくれるので、個人的には最大飛距離を出しやすそうなドライバーだと感じました。加えて、オフセンターヒット時のボール初速の落ちにくさは魅力的ですね。従来モデルでも優れていましたが、今作の安定感はピカイチだと思います。
【ホッシー】
たとえミスヒットしても、よく飛んでいますよね。これはAI設計の「フラッシュフェース」や「ジェイルブレイクテクノロジー」のおかげかも。
【ツルさん】
シリーズの中ではこのモデルにのみヘッド後方部に移動式ウェイトが搭載されています。球のつかまり感はニュートラルですが、標準の設定では少しプッシュしやすいように感じました。僕が購入して使うのであれば、ウェイトをヒール側(DRAW)に動かして試してみたいです。球が適度につかまる「ローグ ST」シリーズと比べて、左へのミスを嫌うアスリートゴルファー寄りの性能になっていると言えます。
【ホッシー】
もともと右に飛ばしがちな人や、僕のようにスピン量が少なく弾道が低いゴルファーは、兄弟モデルの「パラダイム X ドライバー」という、球をつかまえやすいモデルをチョイスした方がいいかもしれません。
【ツルさん】
スピン量を減らして飛ばしたい人で、打点がズレると悩んでいる方は、最も恩恵を受けられるかなと思います。スピン量が少ないわりにヘッド挙動がそこまで機敏ではないので、ボールが暴れないし適度な操作性と扱いやすさが感じられるはずです。従来モデルよりもアスリートなテイストですが、難しさを感じさせないところが魅力ですね。
■ 試打したクラブのスペック
キャロウェイ パラダイム ドライバー
●番手(ロフト角):9度 ●シャフト:VENTUS TR 5 for Callaway ●硬さ:S
■ マイクラブ情報
ホッシー:テーラーメイド SIM MAX ドライバー
●ロフト角:10.5度 ●シャフト:Tour AD PT-6 ●硬さ:S
ツルさん:キャロウェイ ローグ ST MAX ドライバー
●ロフト角:9度 ●シャフト:VENTUS BLUE 6 ●硬さ:X
■ ホッシー プロフィール
1978年生まれのGDO編集部員。以前に「ゴルフガレージ」で店舗スタッフをしていた経験があり、過去のゴルフクラブ情報にも詳しい。ドライバーのヘッドスピードは47m/sとアマチュアゴルファーにしては飛ばし屋。けれど、球が左右に散らばるのが悩み。持ち球は低めのフェードでアイアンも低弾道。平均スコアは95くらい。
■ ツルさん プロフィール
1974年生まれ。シングルの腕前を持ち、ギア関連の記事を多く手掛けるゴルフライター。ライフワークとして、日々ゴルフの最新情報を収集している。ドライバーのヘッドスピードは45m/s前後。たいていカラダのどこかしらの箇所が痛く、自由にスイングできないのが悩み。いつもスイング改造中。現在の持ち球は中弾道のフェード。