“ミニドラ界”のやさしさ代表 キャロウェイ「パラダイム Ai スモーク Ti 340 ミニドライバー」
昨年テーラーメイドの「バーナーミニ」がスマッシュヒットを記録し、PGAツアーでもプチブームとなっているミニドライバー。ことしはキャロウェイから「パラダイム Ai スモーク Ti 340 ミニドライバー」が登場する(7月19日発売)。キャロウェイのミニドラはどのような“立ち位置”なのか?その飛距離性能、弾道、特徴をアスリートゴルファーのコウタロウ(HS50m/s)とベテランゴルファーのシオさん(HS40m/s)がチェック。詳しい性能はギア知識が豊富なミタさんが解説する。
3番ウッドより少し長くて、ちょっと大きい
【ミタさん】
とうとう、キャロウェイもミニドライバーを出しますか。
【コウタロウ】
これ、打ちたかったクラブ!PGAのツアープロがテストしていて気になってました。
【シオさん】
普通のドライバーと比べるとかなりヘッドが小さいですが、テーラーメイドのBRNR MINI(バーナー ミニ)ドライバーより大きいですね。
【ミタさん】
ヘッドサイズはドライバーと3番ウッドの中間の340ccで、長さは43.5インチ。3番ウッドより0.5インチだけ長くなっています。テーラーのバーナーミニドライバーは304cc。それに比べると少し大ぶりです。
【コウタロウ】
ロフトはどうですか?
【ミタさん】
11.5度と13.5度の2タイプあります。「パラダイム Ai スモーク」の3番ウッドが15度なので、少し立っていますね。今回試打するのは13.5度です。
【シオさん】
フェースはAi設計ですか?
【ミタさん】
そうですね。Aiスマートフェースを採用しているので打点のバラツキには強いです。また、今作は「パラダイム Ai スモーク MAX D ドライバー」のフェースがベースとなっているので、適度につかまるやさしい設計になっています。
【コウタロウ】
ツアープロはどういう目的でミニドライバーを使っているんですか?
【ミタさん】
フェアウェイが狭いホールやレイアップしたいときのティショット用が主ですね。3番ウッドよりも投影面積が大きいので安心感があるし、慣性モーメントも大きいです。ただ、パラダイム Ai スモーク Ti 340 ミニドライバーはドライバーが苦手なゴルファーを対象としたモデルなので、ツアープロよりもアマチュアの方がニーズがあるかもしれません。
【シオさん】
どちらかというとドライバーの代わりということかな?
【コウタロウ】
それは打ってから検証しましょう!
アマチュアはドライバーの代用として選択肢に
【コウタロウ】
まずはドライバーと同じようにティアップして打ってみますね。構えた印象は最新モデルというよりは、懐かしい感じがしますね。
【ミタさん】
懐かしいというのは?
【コウタロウ】
340ccあるからかな。顔の印象は1990年代後半のチタンドライバーに近いです。
【ミタさん】
なるほど。打った印象はどうでしたか?
【コウタロウ】
ドライバーより20ヤードくらい飛距離が落ちると思っていましたが、そこまで飛距離は落ちない。280ヤード近く飛んでいたので、10ヤードしか変わりませんね。
【ミタさん】
地面からそのまま打った印象はどうですか?
【コウタロウ】
しっかりボールが浮いていれば全然打てますね。フェアウェイよりも、セミラフとかの方が打ちやすそう。
【ミタさん】
シオさんはどうでしたか?
【シオさん】
ティアップして打つとドライバーよりもやさしくて、普通に打てます。むしろ、最近の10Kドライバーが合わなかった人はこちらのドライバーの方が打ちやすいと思います。
【ミタさん】
それは重心の違いですね。大型ヘッド&高慣性モーメントだと重心が深くなりますが、ミニドライバーは重心が浅い。だから、スイングタイプ的に浅重心がマッチするならミニドライバーと相性が良いでしょう。
【シオさん】
コウタロウも言っていましたが、昔のメタルヘッドを打ってきた世代だとミニドライバーは懐かしい感覚だと思います。
【ミタさん】
ティアップしない場合はどうでしたか?
【シオさん】
意外と打てますね。ロフトは立っているのに打球が上がってくれるので、ヘッドスピードが速くなくても使えそう。クラブ全体のバランスがすごく良かったです。
【コウタロウ】
秀逸だったのが打感!個人的には「パラダイム Ai スモークシリーズ」の打感よりも好き。いかにもチタンヘッドという感覚で、柔らかいのに弾き感がありました。
【シオさん】
打感もベテラン世代には懐かしい、2000年代前半のチタンヘッド系でした。
【ミタさん】
テーラーのバーナーミニの印象からか、ミニドライバーは中・上級者向けというイメージがありましたが、今回のヘッドはだいぶやさしいですね。長さも43.5インチですし、アベレージゴルファーやヘッドスピード40m/s前後のゴルファーでも十分に使えます。このヘッドは、3番ウッドの代わりではなくて、ドライバーの代わりとして使うのがオススメ。90年代からゴルフをしているベテランゴルファーで、460ccの大型ヘッドが合わないタイプには救世主とも言えるドライバーでしょう。
【コウタロウ】
バーナーミニよりも体積が大きい分、ティショットでのやさしさや安定感は感じられると思います。ですが地面からの場合は「直ドラ」っぽさが出るので、「上がるかな?」という印象を受けるゴルファーは多そう。僕なら完全に狭いコースのティショット用としてバッグに入れますね。
まとめ
■ 試打したクラブのスペック
キャロウェイ パラダイム Ai スモーク Ti 340 ミニドライバー
●ロフト角:13.5度●シャフト:TENSEI 60 for Callaway●硬さ:S
■ マイクラブ情報
シオさん:ピン G430 SFT ドライバー
●ロフト角:10.5度 ●シャフト:NSプロ レジオ フォーミュラ MB+ 55 ●硬さ:S
コウタロウ:ヤマハ RMX VD/X ドライバー
●ロフト角:9.5度 ●シャフト:VENTUS TR RED(ベンタス ティーアール レッド) 6 ●硬さ:X
■ ミタさん プロフィール
1978年生まれ。かつてのサッカー少年が父の影響でゴルフを始めたのは高校生のとき。2014年にゴルフテックに入社し、レッスンコーチ兼クラブフィッターとして活躍した。現在はギア知識を活かして、コンテンツの企画を担当。洋服や車など好きな「モノ」への探求心が人一倍強く、作り手の素材や製法へのこだわりが大好物。デニムやスニーカーへの知識も豊富。
■ コウタロウ プロフィール
1985年生まれ。「日本一の漫才師」を夢見た幼少期を経て、学生時代はゴルフに没頭。日本アマなどに出場した。日本プロゴルフ協会(PGA)ティーチングライセンスを取得した2012年にゴルフテックに入社。長年、レッスンコーチを務めていたが、現在はコンテンツに出たり、作ったりしている。ヘッドスピードは50m/s前後。持ち球はフェード。最近は四十肩との付き合い方を模索中。
■ シオさん プロフィール
1967年生まれ。GDOでは古参の編集部員。若い頃は小ぶりヘッドのドライバーとマッスルバックのアイアンを愛用していたが、近年ではミスに強く、飛ばせるギアを好んで使用している。ヘッドスピードは40m/s前後。ミドルアイアンでグリーンに止まる球が打てないことが最近の悩み。持ち球は低めのドロー。平均スコアは80くらい。