新製品レポート

本当にコンポジット!? カオも打感も打音も◎ タイトリスト「GT2」ドライバー

2024/08/02 10:00
8月23日発売のタイトリスト「GTシリーズ」ドライバー(写真はGT2)

二年に一度のペースでリニューアルするタイトリストの新ウッドカテゴリーは、ことしがそのスイッチ年。8月23日発売の「GTシリーズ」は、すでにPGAツアーで多くの選手が使いはじめたことで、発売前から早くも話題になっている。前作「TSシリーズ」同様にGT2GT3GT4と3機種がラインアップされる中、まずは「GT2」をいち早くテスト。その性能についてギアの知識が豊富なミタさんが解説、気になる飛距離性能、弾道、打感はアスリートゴルファーのコウタロウ(HS50m/s)とベテランゴルファーのシオさん(HS40m/s)が試打した。

軽量の新素材ポリマーを使ったコンポジットクラウン

GTシリーズは「ー2」「ー3」「ー4」の3機種がラインアップ

【ミタさん】
今回はタイトリスト「GTシリーズ」中の「GT2」です。体積は前作と変わらず460ccで、可変スリーブで弾道調整ができるSure Fitホーゼルも継続しています。標準のレングスは45.5インチ、ライ角は「GTシリーズ」すべて58.5度となっています。

【コウタロウ】
これは打たなくてもいいでしょ(笑)。打つ前から良さそうな雰囲気が伝わってきますよ。もう見た目がカッコイイし、タイトリストが作っているんだから。

【ミタさん】
6月のトラベラーズ選手権からツアーローンチを始め、すぐにスイッチした選手は多いと聞きます。

「ー2」には後方に9グラムの脱着式ウエートが搭載されている

【シオさん】
名前は変わっても、そんなに大きな変化はないのでは? 極端に変えないのがタイトリストの良さでもあるからね。

【ミタさん】
もちろん方向性は変えていませんよ。でも、今回はテクノロジーに大きな進化があります。

【コウタロウ】
どの辺りですかね?見た目はいつものタイトリストっぽいですけどね。

【ミタさん】
実はクラウンがカポッと外れる、コンポジット構造になっています。クラウンだけ超軽量の新素材ポリマーです。

「ー2」はシリーズ中いちばん大きな投影面積だが、タイトリストらしい綺麗なフォルム

【コウタロウ】
これがコンポジット!?全く境界線が見えませんけど。

【ミタさん】
アドレスしたときに違和感が出ない「シームレスサーモフォームクラウン」を採用してします。新素材を入れることでクラウンの軽量化に成功。ボールスピードを上げ、スピン量を適正にする重量配分を実現しました。

【シオさん】
なるほど。正直言うと、これまでタイトのドライバーは、私のHSだとどうしても手強い印象が強かったんですよね。

前作からフェースグラフィックが進化し、アライメントが取りやすくなっている

【ミタさん】
「TSR」にも採用していた「スピードリングVFTフェース」を継承しているので、オフセンターヒットへの強さはあります。また外周部を補強したことでセンターヒットのボールスピードを最速化しているそうです。

【シオさん】
じゃあ、新モデルは私でもイケるかな。

【コウタロウ】
僕はコンポジットにしたことによる打感が気になるな。

見た目はスッキリ&打感も前作より向上している

「コンポジットヘッドとは思えない、上級者好みの打音と打感ですね」(コウタロウ)

【コウタロウ】
構えたときのコンポジット感はゼロですね。いつものタイトリスト顔って感じ。むしろ、前作「TSR2」よりシャープになっている。

【ミタさん】
打感、打音はどうですか?

【コウタロウ】
打った後の手ごたえが、「TSRシリーズ」より初速が出る感じがありますね。音もすごくイイ。この見た目でこの打感だと、そりゃプロは使うわなと思います。

【ミタさん】
クラウンに使っているのはかなり硬質な特殊素材なので、カーボンコンポジット系のドライバーとは音が違います。

【コウタロウ】
音はいつも通りのタイトリスト。ほんのちょっとしっかり感があるくらい。

「前作『TSR2』よりスピン量は減る傾向だと思います」(コウタロウ)

【シオさん】
飛距離も出ていますね。

【コウタロウ】
慣性モーメントが大きそうなヘッドだけど、ボールスピードもスピン量も打ち出し角も全体的なバランスが良かった。いつもよりキャリーが出ています。

【ミタさん】
欠点がなさそうに見えるけど。

【コウタロウ】
あえて言うなら、この「GT2」はボールを操作しやすいドライバーではないかな。オートマチックに真っすぐ打てるけど、自分の感覚で色んな球筋を打ちわけるのは難しいです。直進性はすごく高い反面、ドロー、フェードを打とうとしたときに「ほんの少し曲げられる」ぐらいでした。

装着したシャフトは三菱ケミカル「ディアマナWB」

【ミタさん】
シオさんはどうでしたか?

【シオさん】
今までのタイトリストも良い顔をしていたけど、ヒール側がスッキリした印象。すごく構えやすくなりました。スッキリした分、ヘッドスピードが上がった気がしました。

【ミタさん】
シオさんも打球が安定していましたね。「GTシリーズ」はスピードをさらに加速させるヘッドシェイプになっているので、エアロダイナミクス効果により振りやすさを感じるのかも知れません。

スリーブポジションを変更することで、理想的な弾道に近づいたシオさん

【シオさん】
前作よりつかまりが良くなったので、右に飛ぶ打球が減りました。最初はロフト10度でも球が上がらなかったけど、スリーブ調整でA4ポジション(ロフト角+1.5度)にしたら、スピン量も打ち出し角も理想値に近くなりました。

【ミタさん】
シオさんのHS(平均40m/s)でもハードではなかったですか?

【シオさん】
A4ポジションにしたら全然打てました。私ぐらいのHSでギリギリでしょうか?

【ミタさん】
そんなことはありません。「GT2」と「GT3」にはロフトが11度のモデルもありますし、シオさんのようにスリーブを調整すればより多くのゴルファーに対応できると思います。またストックシャフトに新しく追加されたデナリレッドCBシャフトは40グラム台からラインアップされているので、非力な方でも手に取りやすいと思います。

シオさんはスリーブポジションが「A4」(ロフト角+1.5度)でのデータ。コウタロウは「A1」(標準)

【ミタさん】
「GT2」は「GTシリーズ」の中で最も高慣性モーメント設計になっていて、オフセンターヒットに強い。前作よりシャープな形状になったことでスピード感が増してスピン量、打ち出し角、方向性のバランスがすごく良いドライバーになっています。

【コウタロウ】
外観はいつものタイトリストだけど、中身はやはりスゴイ進化だね!

まとめ

コンポジット構造になっても打感の評価は高い

■ 試打したクラブのスペック

タイトリストGT2
●ロフト角:10度●シャフト:ディアマナ WB 53●硬さ:S(シオさん)、X(コウタロウ)

■ マイクラブ情報

シオさん:ピン G430 SFT ドライバー
●ロフト角:10.5度 ●シャフト:NSプロ レジオ フォーミュラ MB+ 55 ●硬さ:S

コウタロウ:ヤマハ RMX VD/X ドライバー
●ロフト角:9.5度 ●シャフト:VENTUS TR RED(ベンタス ティーアール レッド) 6 ●硬さ:X

■ ミタさん プロフィール

1978年生まれ。かつてのサッカー少年が父の影響でゴルフを始めたのは高校生のとき。2014年にゴルフテックに入社し、レッスンコーチ兼クラブフィッターとして活躍した。現在はギア知識を活かして、コンテンツの企画を担当。洋服や車など好きな「モノ」への探求心が人一倍強く、作り手の素材や製法へのこだわりが大好物。デニムやスニーカーへの知識も豊富。

■ コウタロウ プロフィール

1985年生まれ。「日本一の漫才師」を夢見た幼少期を経て、学生時代はゴルフに没頭。日本アマなどに出場した。日本プロゴルフ協会(PGA)ティーチングライセンスを取得した2012年にゴルフテックに入社。長年、レッスンコーチを務めていたが、現在はコンテンツに出たり、作ったりしている。ヘッドスピードは50m/s前後。持ち球はフェード。最近は四十肩との付き合い方を模索中。

■ シオさん プロフィール

1967年生まれ。GDOでは古参の編集部員。若い頃は小ぶりヘッドのドライバーとマッスルバックのアイアンを愛用していたが、近年ではミスに強く、飛ばせるギアを好んで使用している。ヘッドスピードは40m/s前後。ミドルアイアンでグリーンに止まる球が打てないことが最近の悩み。持ち球は低めのドロー。平均スコアは80くらい。

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